【今日の日報】【かぐや姫の胸の内】そういえば、こないだあけみさんが来店したわよ。
あら、久しぶりじゃない。お元気?
そうね、別に用はないのよ。でも、一つだけ言いたいことがあってね。え、何? それが用があることになるって? そうね……それもひとつの正解。でも、人生における答えはなにもひとつではないのよ。分かるかしら。いえ、いいの。今は分からなくてもいいのよ、きっといつかあなたにも分かる日がくるわ。
伝えたかったことは、そう。「あけみさんって人がお店に来たわ」ってこと。あけみさんって誰かって? いやね、それを伝えようって言っているんじゃない。
んもう。始めるわよ。話の肴に、美味しいドリンクを作ったわ。お飲みなさい。
※参照:【かぐや姫の胸の内】「盛り上がってたら盛り上げてた」―サムギョプサル和田―
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あけみさんが私の店に来たのは、紹介よ。誰の紹介かは言えないわ。それがこのお店の掟なの。そんな知りたいって言われても、無理よ。そうね……もう少し親しくなったら。今度、教えてあげるわ。うそよ。教えられない。
話が進まないわ。進めるわね。
不思議なひとだった。私よりうんと若いのに、芯がしっかりしている、けれど影のないような……陰と陽を一緒に抱いてるような女性だったわ。あくまでも印象よ。全体的には、とても魅力的な女性だった。可愛かったしね。
……嫉妬するわ。え? 私もきれい? あなた良い人ね。今度おごるわ。今日はだめ。
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