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【クレイジーJAPAN】この世のすべてをそこに置いてきて……しまったのか? 世は大「丁寧な暮らし」時代!

旅と文学と映画と美術について書くブロガー・ライターのチェコ好きさんの連載。「クレイジーな日本」の話をしています。チェコ好きさんに『TOKYO STYLE』を勧められたくいしんは、さっそく本を読んできたみたいです。(※前回に引き続き、映画『君の名は。』のネタバレを含みます)

これまでの【クレイジーJAPAN】

【001】チェコ好きさんの連載【クレイジーJAPAN】はじまります。

【002】『君の名は。』の世界で生きてたら死んじゃいますよ

【003】2016年に流行ったものの共通点

※過去の【クレイジーJAPAN】は、「もとくらの深夜枠」をご購読いただくと追加料金無しでお読みいただくことができます

普通の人の暮らしは、実は形に残らない?

くい 都築響一さんの『TOKYO STYLE』、読みました。この本は90年代に出版されたもので、特にインテリアがおしゃれなわけでもない、狭くてちょっとごちゃごちゃした「普通の人の部屋」の写真集なんですね。それで、チェコさんはこの本をきっかけに取材したい方を見つけてきてくれたと。

チェコ そうなんです。まずくいしんさん、『TOKYO STYLE』は読んでみてどうでしたか?

くい なんというか、田舎も東京も郊外もあんまり変わらないなって思っちゃいました(笑)。というのは、『TOKYO STYLE』に出て来る部屋たちって、東京だけじゃなくて、郊外だろうと田舎だろうと同じように存在しているんじゃないかなって思って。逆に、郊外にも田舎にも、はたまた地方都市にも、洗練されていてオシャレで物の少ない部屋って絶対にあるわけじゃないですか。純粋に『TOKYO STYLE』みたいな世界観って、たぶんどこにでもある風景なんだろうなと。

チェコ 『TOKYO STYLE』の世界って、普通はこんなふうに、写真に残らないですよね。なぜなら、写真集になったりウェブメディアに載ったりする世界って、かっこよかったりおしゃれだったり、「普通とはちがうこと」が条件だから。本当に普通の人の、本当の普通の暮らしっていうのは、実は形に残らない。だけど、多くの人は、まさに消えてしまうその世界の中に暮らしているはずなんです。『TOKYO STYLE』は、その消えてしまう世界を形に残したという点で、ものすごく貴重な写真集なんじゃないかと私は思っています。

チェコさんが取材したいと思った元・汚部屋の住人とは?

それで、この『TOKYO STYLE』から転じて、私がぜひ取材したいと思ったのが、ややこさんというブロガーさん。ややこさんはなんと、元・汚部屋の住人です。「元」というからには、現在はご自分の手で部屋を掃除して、見事に汚部屋を脱出されているんですけど。

・インタビュイー:ややこさん

ブログ:http://blog.livedoor.jp/obyjs/

くい なんでややこさんに話を聞きたいと思ったんですか?

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