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早稲田卒ニート140日目〜「歴史」の歪み〜

距離が遠のけば遠のくほど、対象の存在は目を細めねばならぬくらい小さくなっていく。これは合理的世界像である。しかし僕らの生きる各人の「歴史」について、この遠近法は当てはまらないだろう。時間も記憶も、過去のものほどちっぽけで影が薄いわけではない。むしろ、現在に決定的な影響を与えていることもある。

墓前にしゃがみ目を閉じて手を合わせながら、下で眠る祖父との記憶を回想していると、そんな「歴史」のいびつな形が浮かび上がってくる。

浪人時代の記憶もまた、私の「歴史」に歪みを作っているし、早稲田での4年間を抜きにして現在を生きることも考えられない。こうして今さら予備校に出向くのも、早稲田のキャンパスを歩き直すのも、「歴史」をいびつにしてくれたことへの感謝からである。

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