全日本大学駅伝 駒澤対青学

全日本大学駅伝
最終アンカー対決にもつれた

アンカー対決だけに目を向けてみると、勝負の綾があった。

駒澤のアンカー花尾君が18秒のアドバンテージをもってスタート。

追う青山は主将で2年前東海大に同じくアンカーで抜かれてしまった飯田君。

スタート時は花尾君有利、3キロ時点でほとんどつまっておらずこのまま行くかと思われた。

しかし、中間点近くまでにじりじり青学飯田君が詰めてきて並んだ。

この時点で形成としては逆転、前を走ってきた花尾君の後ろにピタッとついて、温存

この時点で花尾君が10キロ近く引っ張ることになるのだが、、、

追う飯田君は箱根5区、8区、9区と1年生から箱根駅伝主要区間で走ってきた実績があった。
数字でみると力は同じといえど飯田君の方が有利にうつった。

ここで展望としては、登りの得意な飯田君が後半の登りまで後ろについて体力を温存した後に、仕掛けて引き離して逆転というのがシナリオに見えた。

解説の瀬古さんや渡辺さんもそのような予想。
大迫さんも花尾君は1度後ろについた方がよいのではとコメント

レースが進んでいく上でよりその予想が強くなる。花尾君の表情と飯田君の表情と比べたときに飯田君の方が余裕が見えた。

そこで放送席はさらにこのままいっても飯田君が最後で振りきれるのでは、先に仕掛けて力を使うよりも。より固い予想と変わっていく。飯田君の気持ちもそのように変化があったかもしれない。

結果としては飯田君の仕掛けどころがないまま、残り1キロ手前のしかも登りという、誰も予想をしないところで花尾君が仕掛け、そのまま差を広げて勝利。たった8秒差という僅かな差で戦いは終結した。

そして、驚いたことに勝利インタビューの大迫さんの質問で花尾君はこうこたえた。

大迫さん 
追いつかれてからずっと引っ張る形になったが、飯田君に前にいってほしいと思わなかったか?

花尾君
前に行かせたら負けだと思っていたので、自分が前を行った

放送席が止まるくらいで前に行かせた方がいいという考えとは裏腹に勝つために前にいたかったとコメント。あっぱれである。

振り返れば7区の田澤君と近藤君のつばぜり合いのときも同じ様相であった。
前を行き勝ちきった7区、8区ここに最後の8秒の差があらわれた。

結果的には仕掛け切れなかった飯田君という状況もあるが、
自分が主導権をもって前を進むんだと姿勢を見せ続けた駒澤に最後に勝利の女神が微笑んだ。

自分の人生にも参考にしたいと思える8区間の戦いであった。

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