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【部員紹介】4年MGR北村佳凜「挑戦」

MGR(マネージャー)の活動は試合運営、遠征手配などのチーム活動の根底となるものからSNS広報や渉外など多岐に渡るが、表向きには見えないことばかりだ。いろんな意味で”アメフト部”らしく見えないマネージャー。彼女たちはどうしてBIG BEARSを、その中でもなぜマネージャーとして大学生活を部活動に捧げることを選んだのだろう。

4年MGR北村佳凜「挑戦」


マネージャーとしてアメリカンフットボール部に所属していて、周囲の人からよく問いかけられることがある。

「どうしてマネージャーをしているの?」と、
「なんでアメフト?」の2つ。


「なぜマネージャー」。

その問いかけには2つの意味があると思う。

一つは『どうして体育各部にプレーヤーではなくマネージャーとして籍を置くことを決めたのか?』ということ、もう一つは『なぜ体育各部でマネージャーをやるのか』ということだ(とわたしは解釈している)。


なぜプレーヤーでないか。
この答えは単純かつ明解で、「運動神経の欠落」と「サポートする側の方が好き」だからだ。


前者は文字通りで、走れば50m8.5、泳げない、自転車苦手、体育の成績万年7で高校時代は文藝同好会というぬくぬくとした環境で、お茶をしながら読書に勤しみ、文章を書き、お喋りをするという、非常にゆるりとした文化部に所属していた。

そのためそもそも自分自体が動く側になるなら、クラシックバレエしか嗜んでいなかったため、体育各部という選択肢は存在しなかった。


後者は、わたしは「誰かを支える」ことの方が熱量を持って行動できるからだ。

自分が何か進んでやるよりも、「誰かのためになにかをしている」状態の方が充足感もあり、努力のしがいを感じやすかった。幼少期にガールスカウトに所属していたのが大きな原因だと思う。


入部する上で、他スタッフとして、試合を分析して対策を講じるAS(アナライジングスタッフ)や、選手の体調管理やトレーニング指導を行うS&C(ストレングスアンドコンディショニング)が選択肢にあったが、
ASは最初からアメフトに興味があったわけではなかったため躊躇を覚えたのと、SCはトレーニングや体調管理についてスポーツ経験が浅く、知識や絶対的な運動量が不足している時点で自分にはできないと感じた。


その点、マネージャーは「バックオフィス」として、OBOGや連盟、他大学や他団体との渉外活動、広報活動や運営等、活動を支えるための基盤を担う役割だと知り、「わたしも力になれるのではないか」と感じた。

かりんブログ 受付

マネージャーは試合時、受付と運営に分かれる


実際、マネージャーというポジションは特殊で、試合の日でも自校の試合を観ない、グラウンドに一度も足を踏み入れない日もある。


わたしは一年生の時の日本大学戦は、グラウンドではなく受付にいて、受付を畳んだ後はトラックでグラウンドにあった荷物を積み込む作業をしていたから、富士通スタジアム川崎で日本一への道が閉ざされた瞬間を目の当たりにしていない。

大雨の中、会場の近くのトラックの中で、運転手と一緒にグラウンドから運ばれてくるはずの荷物を待っていたとき、一向に「紺碧の空」が聴こえて来ず、「負けたんだな」となんとなしに思った記憶がある。

かりんブログ日大

2017年秋リーグ日本大学戦。覚えているのは土砂降りだったことだけ


しかしながら周囲からのチームに対する声援や感謝を、一番近くで受け取れるのはマネージャーだ。いつも支えてくれる父母の方々の惜しみない支援、卒部しても見守って下さっているOBOGの方々、ファンクラブに所属してチームを愛して下さっているファンの方、今まで試合に足を運んでくださった方、SNS等で激励のメッセージや応援コメントをくださる方。

その全てに触れることができるのは、マネージャーの特権だと思う。

マネージャーは同じフィールド上にいなくても、試合に直結しない部分でチームを勝たせるために懸命に「何ができるか」「どうすべきか」を日々試行錯誤しながら活動している。




「なんでアメフト?」

これに対する答えは、「アメフトでなくてはダメだ」というより、「BIG BEARS」じゃなきゃダメだったから。

「BIG BEARS」には「本気で日本一を目指す環境」があったからだ。


私は「情熱を燃やす」ような経験をしたいと思った。


中高とそれなりに楽しく、真面目にふざけて青春を送ってきたけれども、胸が熱くなるような経験をしたことがなかった。

もちろん、趣味や好きなことで胸が熱くなることはあったけれど、自身がその渦中の人間だった経験はほとんどなかった。

高校生までの中で一番時間を費やして努力したことといえば、大学受験の勉強くらいだ。高校一年生の時の面談で「早稲田目指せるの?」と言われるほどに成績が早稲田大学には及んでいなかったから、だが。



大学に入って、サークルに所属したり、クラスの友達と出かけたり、サークル旅行に行ったりしたけれど、物足りなさというよりか、ただ漠然と「このままでいいのかな」という気持ちが残っていた。

背中を押されるきっかけもあり、頑張っている誰かを支える活動って、情熱を燃やせるんじゃないかと思った。自由に沢山の時間を使える機会は大学生まで。


「やれること全部やってみよう」
と思い立って、未知の世界へと身一つで飛び込んだ結果が今だ。


かりんブログビデオ!

練習中はビデオ撮影。アメフトというスポーツそのものを学ぶ時間でもある


ただ、アメフトを最初みたときは「なんだこのスポーツ」と思った。

スポーツ自体にもそんなに興味はなく、チケットがあったら観に行く、テレビで他に観るものがなければ観るくらいで、さして興味もなかった。
そんなスポーツに対して詳しくもない私がアメフトを知ったきっかけは、マネージャーになったときだった。



「敷居の高いスポーツ」だと思う。
ポジションはオフェンス・ディフェンス・キッキングで分かれていてたくさんあるし、ルールも体型も動き複雑だし、何よりぱっと見でわからないから、楽しさが共有しにくいスポーツだ。

サッカーだったら、あの人はMF、あの人はボランチとかわからなくても、ずーっと動き続けている人々を追いかけて、ボールを支配できるかの駆け引きをソワソワと、ワクワクとしながら観ることができる。

けれどアメフトは、突然時計が止まったり時間の経過の仕方もよくわからなければ、突然試合が止まって入れ替わり立ち替わり人が目まぐるしく動く。
ルールをある程度わかった状態で観戦しないと、何をしているのかイマイチ掴めない。

かれこれ三年間という歳月を費やし、マネージャーとしてこんなに側で関わっていても、未だに技術やアサインメント部分は「わからない」ままだ。

かりんブログハドル

オフェンスプレー前のハドル ”渋かっこいい”


けど、「わからない」から奥が深くて、もっと知ることがあって面白いし、「わからない」けどチーム一丸となって試合に挑む姿はアツくて「面白い」

もちろん、わかるともっと面白い、と思う。



そして何より、「わからない」わたしでも、BIG BEARSはマネージャーとして受け入れてくれる環境があり、日本一を本気で目指して活動できる場所があった。



わたしは、最初は全然理解できなかったアメフトというスポーツに惹かれているなと活動を通じて実感している。

「アメフトはわからない」から関わらないのは勿体ない。
思い切って一回飛び込んでみて、関わってみてはどうだろうか。

かりんブログかわいい

4年MGR北村佳凜(法学部)
主に広報を担当。SNS発信や外部取材対応などをメインに活動している。



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