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【運営ノート】制作部長|安村俊介

自己紹介

Ride2021副代表・制作部長の安村俊介です.基幹理工学部3年で,早稲田大学広告研究会に所属しています.
RideではTwitterで発信している画像や映像,公演のパンフレットや公演中に流れる演出映像など,合計で60を超える制作物のディレクション・実制作をしています.案出しから主導することも多いので,実質的に広報案や公演演出自体を考えることも多いです.

いろいろ作っているのでいろいろ綴りたいことはあるんですけど,今回はRide2021を象徴しているロゴについて,その制作過程を説明したいと思います.
各制作物の紹介はRide2021公演終了後に公開予定ですので,公開されましたらそちらも見ていただけると嬉しいです.

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Ride2021ロゴ(2020年12月31日作成)

そもそも公演における制作とは

Ride2021では,Twitter上と公演中にたくさんの画像や映像が使用されます.サークルさんを紹介するときにもかっこいい画像で盛り上げを狙いますし,チケット手続きについてアナウンスするツイートでも長い文章を書くより整理されたグラフィックが一枚あるだけでわかりやすくなります.しかし,たくさんの人たちが同時にたくさんの制作物を作っていることになるので,何も指示しないまま丸投げしていてはバラバラな見た目の画像や映像ができてしまいます.
Ride2021は公演として明確なビジョンを掲げているので,すべての制作物がそのビジョンに沿っていれば統一感が出るし,かっこいい公演が出来上がるはずです.

Ride自体のコンセプトを決める

ロゴとは,公演を最後まで背負って立つシンボルマークです.ロゴの印象は少なからずRide自体の印象に繋がります.シンプルでスタイリッシュなロゴであればおしゃれな公演に見えますし,ギザギザした線が多用されていれば力強く見えるはずです.つまりロゴを作る前に,「今年のRideをどういう公演にしたいか?」を決める必要があるのです.
まず,Ride自体のコンセプトは「早稲田の波に乗れ」というもので,これは毎年共通しています.Rideは新入生たちが早稲田で最初に見る大きな公演の一つになるので,この早稲田文化の仲間を歓迎する意味が込められています.
今年はこれを踏まえてターゲットを「すべての新入生」とし,運営メンバーで「今年のRideで何を伝えたいか?」という想いのすり合わせをしました.

・去年失われた活気を取り戻す復興公演
・新しい大学生活がこれから始まるという期待感
・私たちは早稲田で待ってる
・あなたにもハマる場所がきっとある
・これからどうなるかは君次第,可能性は無限大
・早稲田大学生のつながりは強い
・大学生ってこんなことできるんだぞ!というワクワク感

などなど,運営メンバーでも各々違う想いを持っていました.
これを元に話し合いを進めていき,全員の足並みを揃えるために想いを一言で表したキャッチコピーを設置しました.

輝く場所はここにある

こうしてできた今年度のRide公演が伝えたいメッセージが,「輝く場所はここにある」です.「ようこそ!」や「君も楽しいよ!」のような先輩の押しつけがましいメッセージではなく,「こんな時勢でも輝ける場所は作れる」ような,クオリティで背中を見せるスタンスに固定しました.

ビジュアルデザインに落とし込む準備

これでRide2021には二つのキャッチコピーができたことになります.

「早稲田の波に乗れ」
「輝く場所はここにある」

つまりこの二つの言葉が伝えたいテンションを,さらに補助するようなロゴデザインが理想ということになります.
このままではデザインにするのが難しすぎるので,ここで一旦抽象度を落としてから,視覚的なイメージを作っていきます.

「早稲田の波に乗れ」
・早稲田文化に入ってきて欲しい
・運営は波を起こす
・新入生を波に巻き込みたい
⇒激しい渦に巻き込まれる

「輝く場所はここにある」
・早大生の強さを見せつける
・たくさんの大学生が一つのデカいステージを作る
・多様なサークルが集まっている
⇒カラフルで強い色(極彩色)・力強いストローク

極彩色の波渦

これらの要素を元にビジュアルコンセプトを「極彩色の波渦」と一言で表し,ラフを書きます.

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このラフではのっぺりとした渦が書かれていますが,実際は「強さ」を表現するために筆で書いたような力強さと,単色ではなくたくさんの色が重なっている「多様感」を加えます.
また,ロゴデザインでは「RIDE」という文字情報を載せる必要があります.従って極彩色の波渦に加え,「RIDE」の文字をデザインしなければいけません.ここでは「早大生は強い」のどっしりとしたイメージと,波渦の持つ中央から放射状に伸びる力のベクトルを表現したく,大文字・左右対称で外に向かって広がるようなデザインになっています.

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そうしてできた初期の草案がこちら.カラフルではありますが,色が明るい緑基調でふんわりした印象です.このあと,もっと彩度強めで主張の強い色をメインに据えたいと考えてビビッドピンクをメインカラーに設定します.

さらにこれに加えて,パズルピースをモチーフに設定しました.ただ,ピースがハマるような使い方は避け,常に単体で存在するようにしました.このパズルピースは「どこかにハマるピース」であってどこにハマるかはまだ分からないという点で,早稲田大学に入った直後の新入生へ向けたメッセージとなっています.
パズルピース=個々人 という設定を置いたので,極彩色の波渦がパズルピースを巻き込んでいるダイナミックなデザインを想像することができました.

その後もいろいろ微修正をして,最終的にできたロゴデザインがこちらです.

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横展開の設計

また,このロゴによって生まれた世界観を横展開するために,色やフォントなどの設定が必要になります.

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デザインで真っ白や真っ黒は避けられがちな色なのですが,今回は力強い雰囲気を重視したかったことと他の色も主張が強いこともあり,真っ白真っ黒の使用を採用しました.
また,このような指針を設定するときは大抵指定された以外の色を使用することはできないのですが,今回のコンセプトは「多様性のためのカラフル」なので,メインカラーがこれらに近い色であれば自由に色を増やしても良いことにしました.
さらに今回,ダイナミックなビジュアルアイデンティティを確立すべく,手描き感と色の重なり感があればすべてコンセプトに即していると判断しました.それに伴って,文字無しのシンボルマークや,それを素材として自由に改変することも可能になりました.
細かな指定がない分,そのままではバラバラなデザインができあがってしまうのですが,同じシンボルマークを常に素材として使うことで統一感を出す狙いがあります.

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(各団体のイメージカラーとして指針で定めていない色を使用.
同時に背景にシンボルと同じ色味の円形を作ることで「Ride2021」感を表現.)

踊るだけがパフォーマンスじゃない

こうしてロゴデザインを起点として,たくさんの画像と映像が同じ世界観を共有できました.Ride当日に配布されるパンフレットや,OP映像なども,こうした世界観の元で設計されています.
今回は運営がやっている活動の紹介でしたので制作からはロゴの制作過程を公開するに留めますが,Twitterで使われている画像,ポスター,パンフレット,OP映像や公演演出映像は,すべてこれ以上の深い設計と熱量が注ぎ込まれています.

Rideを少しでも調べた人は,制作によって生み出される世界観に絶対触れていて,無意識のうちにその世界観にハマっています.制作は基本パソコン作業ですが,こういう演出の仕方,自己表現の仕方もあるのです.

踊るだけがパフォーマンスじゃない.見る人の心を動かせれば,それはパフォーマンスと呼べるのではないでしょうか.

本番当日も本気の制作物をご用意しています.ぜひ,極彩色の波渦に飛び込んできてください.

Rideの最新情報はこちら!


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