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どらま館制作部週間01を終えて~その2

初めまして、どらま館制作部スタッフのにいづま久実です。どらま館は今年度、円盤に乗る派さんを招聘して制作部週間で様々な企画を行う予定です。6月の第一回制作部週間では劇団森×劇団森OB カゲヤマ気象台『森森森森会議』と円盤に乗る派ワークショップ『自分のためにモノローグを書く』を行いました。今回はこちらの二つの企画について振り返っていきます。

劇団森×劇団森OB カゲヤマ気象台『森森森森会議』

まずは劇団森×劇団森OB カゲヤマ気象台『森森森森会議』について振り返ります。spatialchatというオンラインツールを使い、劇団森2020年度本公演『霖』とカゲヤマ気象台さんが学生時代の時に上演された『子供らは皆気が狂う』二つのダイジェスト版を上演しながらご登壇者の方に劇の内容に関すること、劇団森に関することをお話ししていただきました。劇団森の現役代高場航大さん、イロハスさん、前田愛佳さん、円盤に乗る派からはカゲヤマ気象台さん日和下駄さんに登壇していただきました。

写真のようにまさに映画館にいるような環境でした。

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登壇者の1人、円盤に乗る派主宰のカゲヤマ気象台さんから感想をいただきました。

大文字の歴史は本を読めばわかりますが、個人の歴史はそれとは少しずれたところで流れていて、でも本人にとってはそちらの方が本流で、決して軽視されるべきものではない。演劇の歴史も、実はあまり注目されないような学内の歴史の方が、個人にとっては切実なものなのかもしれません。今回のイベントは、私自身もこれまで意識していなかった(というか、忘れていた)ような、自分の中の個人史について改めて考えるきっかけとなりました。様々なものがごちゃごちゃに溢れていた大学生活の中で、自然には出会わないようなもの同士が偶然出会って自分の演劇観は形成されてきたし、あの環境にいなければ自分はまったく違う作品を作っていたか、あるいは演劇など続けていなかったかもしれません。そしてその、ある種の偶然性のカオスとしての(正史からずれた)大学という環境は未だに存在していると感じましたし、ここからまたどんな才能が飛び出してくるかとても楽しみに思います。

同じく登壇者の劇団森4年代イロハスさんから感想をいただきました。

大変楽しくお話させて頂きました! 一体何を話せばいいのやらと不安を抱えて参加した対談だったのですが、カゲヤマさんが右に左に話を広げていかれるのでついて行くのに夢中で楽しかったです。早稲田演劇の作風からアニメなど流行りものの話、セクハラ・パワハラ問題に至るまで話題は多岐に亘りました。時代ごとに流行った作風の話は興味深かったです。                       当時は暴力的でグロい作品が流行っていたらしく。私、早稲田でエログロ作品をあまり観たことがなかったので、時代によってそんなにはっきり違いが出るのかと驚きました。誰も彼も大抵は好きなように演劇を作ってると思うんです。それでもその演劇を作る時代・空間の影響は間違いなく受けているんだなあとしみじみしました。                               また対談の後半に続々と森のOBが名乗りを上げた瞬間は面白かったです。「私この新歓公演観ましたよ」「あ、それ出てました」みたいなことがあって。普段、劇団森というのは縦の繋がりをまるで感じさせない劇団なのですが、実はこれまでも誰かがこの劇団で演劇を作り続けてきたのだという歴史を感じることができました。

円盤に乗る派ワークショップ『自分のためにモノローグを書く』

次に円盤に乗る派ワークショップ『自分のためにモノローグを書く』について振り返ります。前半は講義形式、後半は実践編と5人という少ない定員だったため、オンラインにも関わらず集中力の高い濃い時間になりました。

参加してくださった劇団森4年代高場航大さんに感想をいただきました。

ワークショップ『自分のためにモノローグを書く』に参加しました。前半部では、戯曲、役についての講義で、戯曲を「役の声」によって書かれたものとし、「役」についてニーチェと太田省吾が論じたものを紹介していただきました。
後半では講義を踏まえモノローグに焦点をあて、参加者が見つけた他者の断片を共有し、その上でそれぞれが「断片的な役」を考え実際にモノローグを作り、発表しフィードバックをいただきました。作劇する上での「役」の存在を「自分ではないが、自分の中にある(かもしれない)もの」と説明するのは、非常に興味深かったですし、モノローグを書く際の「断片的な役」を作っていく作業は、自分の記憶、経験の中から他者を探す試みではありながら、自分の認識のあり方と向き合うことができて大変面白かったです。また、作成したモノローグについて、感情の流れや、音的なおかしみなどの役者視点のコメントもいただきました。

円盤に乗る派と制作部との企画は8月にも行う予定です。今回参加できなかった方のご参加もお待ちしております!詳しくはどらま館twitterでお知らせします。ぜひフォローしてお待ちください。

来週のアーカイブ記事は、読書会・うらかたり・会議室についてです。また7月14日(水)にお会いしましょう!最後まで読んでいただきありがとうございます。


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