蒔絵訪問記#4:蒔絵の工程
蒔絵の仕事で最も重要であり辛抱も必要なのは、漆を塗り重ねるたびに必要である室(ムロ)での乾燥作業です。一度の乾燥に要する時間は半日〜3日ほど。漆は空気中の水蒸気が持つ酸素と結合して硬い塗膜を作っていきます。そのため、乾燥とは言うものの、ある程度の湿度を維持する必要があり湿度管理も重要な職人技術です。湿度計もあるけれど、ほとんどは毎日の気候変動と自身の体感で室の湿度を調整すると言います。
この取材では蝶を描く工程を説明してくださいました。蝶は螺鈿や金粉も用い蒔絵技術がふんだん