見出し画像

鯖寿司

子供の頃魚が嫌いだった私はなかでも「鯖」が大の苦手だった。
親父が鯖の刺身にあたって苦しんでいる姿を目の当たりにしたのが原因でトラウマになっていた。青魚特有の生臭さも嫌いだった。無理して食べると気分が悪くなるほどだった。
しかし、今では美味しくいただいている。「鯖寿司」は大好物のひとつだ。
きっかけは地元の小さな寿司店で酒のあてに出された「しめ鯖」だった。
大人になり酒を飲む様になって食の好みが変化していくのは良くあることで「鯖」は苦手から食べられる食材には変わりはしていたが注文するほどまでではなかった。「しめ鯖か…」と一切れつまみ口に運んだ「んっ?」脂の乗り具合とほどよい酢加減でおいしいと感じた。清酒のぬる燗をすする。「んんっ!」味変した!「美味い!」「めちゃくちゃ美味い!」日本酒のあてでしめ鯖を食べたことが無く初めてだった。今までとても損をしていた様に感じた。しめ鯖がこんなに美味いのなら「鯖寿司」も美味いはず。別の日に持ち帰りで「鯖の棒寿司」を注文。大好物と化した!

きっかけとなったしめ鯖

色々な店の「鯖寿司」が食べたくなり近所の寿司屋に問い合わせるも持ち帰りをやっている店はほとんど無かった。そんな時、ネット検索で京都に名店があることを知る。
これは行くしかないとGoToトラベルを利用して京都に行った。せっかく行くならとNHK「六角精児の呑み鉄本線日本旅」でやっていた伊根町まで足を伸ばした。

伊根町の舟屋

京都駅で鯖寿司の駅弁を発見!この旅ひとつ目の「鯖寿司」をいただく。
駅弁なので期待していなかったのだがすごく美味しかった。今までで一番美味しいのではないか?日本酒との相性も良かった。京都恐るべし。

料亭和久傳の炙り鯖寿し

後日、調べて分かったのだが京都の料亭「和久傳」の鯖寿司だった…
美味しいはずだ。つけ合わせの野菜が美味しかったのも頷ける…

翌日、本命の「いづ重」へ向かう。
コロナ禍で外国人の姿はほとんんど無いものの人出は多い。
昼の食事時を少し外したのだが店の前には長蛇の列。持ち帰りの客も多い。
待つこと1時間と少し、やっと店内へ。テレビで拝見したことのある店主が調理場に居られた。鯖寿司とぐち姿寿司(甘鯛)と稲荷寿司を注文。
この旅ふたつ目の「鯖寿司」美味いに決まっている。それにも増してぐち姿寿司が美味かった…ぬる燗にも合った!

いづ重 鯖寿司の後方に甘鯛寿司

みっつ目はもう一つの名店「いづう」本来なら本家のこちらから伺うのだが、テレビで「いづ重」店主の特集を観た後だったので順番が逆になってしまった。しかも時間の関係で駅売りのお土産になってしまい、帰りの新幹線車内で食べることに…
歴史を噛み締めながら美味しくいただいた。

いづう

同時に食べ比べたわけではないので違いをまとめることはできないが、言えるのは京都の鯖寿司は美味い!酒に合う!クセになる!

京都から帰ってこのnoteを書くまでの約1年の間で16種の「鯖寿司」を堪能した。
食べた時期にもよるだろうがどれもそれぞれの特徴があり美味しくいただいた。
真鯖の脂が乗る秋から冬が終わる頃までが一番美味しいと言われている…

17種目を求めて旅立ちたいものだ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?