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【コロナ解体新書15】 現金給付一律10万円で 日本はどうなる? ベーシックインカムはあり得るのか?

※こちらはYoutubeチャンネル「和佐大輔/疾走する車椅子社長」の【コロナ解体新書】現金給付一律10万円で日本はどうなる?ベーシックインカムはあり得るのか?を書き起こして編集したものです。


和佐:どうも和佐です。今回も、コロナ解体新書を録っていきたいと思います。よろしくお願いします。

木坂:はい、よろしくお願いします。

--国民"1人当たり現金10万円"給付の意味--

和佐:今日は4月15日ですけど、今日のニュースですね。

給付金が30万円っていうのが、発表されてたじゃないですか。

一世帯につき条件付きではありますけど、30万円の給付金を出しますと。

その条件があまりに厳しすぎる…。

木坂:恐ろしいほど(条件が)きつかったよね。

和佐:思ってたより100倍きつかったですね。

木坂:想像の遥か上をいってたよね。

和佐:それが大炎上したっていうことで。

公明党の人かな?要請として、一律一世帯につき10万円にしませんか?っていうのを安倍さんに相談しました。

(それを安倍さんが)前向きに検討します、っていうニュースが出てました。

108兆円でしたっけ?対策費が予算組まれてるわけじゃないですか。

木坂:実態としては、もうちょっとちっちゃいけどね。

和佐:こうものがどう分配されればいいのか、そういう話をして行きたいんですけど。

現実問題、あり得るのかなっていう話ですよね。

例えば、一世帯10万円を一律で出すってことだったりとか。

木坂:ありえなくはないと思います。

和佐:それが一番シンプルですよね。

木坂:そうなんだよ、多分生放送の時に言ったと思うけど、一律で給付して、後々税金で回収すればいいだろっていうのが、俺が一番簡単だと思ってる案で、コストも安かろうと。

まず給付して、高額所得者の人たちは、後で税金で回収しますよって言っといて、それで回収すればいいだけだから。

和佐:今、ニュース改めて見たら、一世帯じゃなくて1人当たりでしたね。

国民1人当たり現金10万円の給付を実現するように、要請したと。

木坂:だから俺が「1人10万円振り込めばいい。」って、ずっと言ってるよね。

生放送でも、多分言ったよね。

和佐:それに対して、安倍さんは2020年度の補正予算案を、速やかに成立させた上で、その方向性をよく検討したいと報じたって、ことですね。

木坂:俺の感覚だけど、それぐらいの規模感が、必要だと思う。

一般庶民と呼ばれる人たちが、どういう経済感覚で生きてるかっての考えた時に、ある程度安心を与えられるギリギリの金額って、俺はその辺だと思うの。

だから、俺は一人10万円って言っていて。

世帯で払っちゃうと、大家族ほどきつくなるでしょう?

…ということは、その人たちの安心感が増えないわけじゃん。

だから、一人10万円なら、家族が増えれば増えるほど、支給も増えるから、安心感も増していくじゃん。

これは全然関係ない話だけど、お前は知ってると思うけど、俺はずっと何年も前から、「戸籍での管理をやめて、個人で管理すべきだ」と言ってるじゃん。

世帯で管理するっていうのは、なんでもかんでも、不公平なんだよ。

だから、これを機に、せっかくマイナンバーカードも発行してんだから、行政としては、個人管理の方向に移行したら、社会をより効率的になると思うんだ。

それは余談なんだけどね。

金額としては、10万円を1人に払うっていうのは、いい線だと俺は思う。

和佐:補助金とか、こういう給付金にしろ、なるべく手間を減らしたほうが、コストも下がるわけですよね。

申請のコストを下げれば、結局職員のコストも下がるし、受ける側のコストも下がりますよね。

例えば、子供手当ても、もっと簡単にもらえるようになったりとか。

木坂:もちろんでございます。

--お店やってる人が50万100万もらっても不安なまま--

和佐:実際問題として、10万円もらえたとするじゃないですか。

でも、今の時点で、損失ってそれ以上じゃないですか。

人によると思いますけど、丸々1か月仕事ができない人も、多いわけですから。

そう考えると、人によっては全然10万円じゃ足りないと言うか。

木坂:個人事業主だったら、まったく足りないよ。

和佐:そうですよね、個人事業主、フリーランスの人は10万円以上の損失ですもんね。

今、夜のお店を全部閉めようって話が出てて。

そういうところで働いてる人は、行った分だけお金が貰えるわけですから、個人事業主みたいなもんですもんね。

木坂:"ロイヤルリムジン"っていうタクシー会社が、600人解雇したという話は、だいぶ前に出たけどさ。

あれって、結局失業保険もらうために、会社がわざわざ解雇したんだよね。

要するに、このまま雇ってても、ってことだよね。

タクシーの運転手さんに話しを必ず聞いてんだけど、今、タクシー乗れば全員が同じこと言うの。

「給料は1/3になりました。」って…。

「手取りで10万行くか、行かないかぐらいです。」って言ってた。

全員言うんだよ!

和佐:それは乗る人がいないとですか?

木坂:そう、人が出てないから。街に夜、飯食い歩かなくなったでしょ?

だから、駅につけると、1時間待ちが平均で、買い物袋抱えたおばあちゃんとか、おばちゃんとかがワンメーター、ツーメーターぐらいのとこまで乗ってくれる。

だから1時間で数百円ですよ。

そこに6掛けぐらいになるでしょ?

だから時給400円くらいなんだよ。

だったら、それで暮らしていくのしんどいから、解雇して失業保険とか、そういう諸々の手当てもらった方が、確実ですよねっていうことで、早々に解雇したっぽいのね。

もし落ち着けば、再雇用してもいいわけじゃない?

和佐:そうですね。

木坂:そういうことを、こっち側がしなきゃいけないくらい、のろのろやってるって言うのは、スピード感として、問題だと思うんだよね。

和佐:今、金融公庫からお金を借りられるじゃないですか。

申請が結構時間かかって、もらえるのは、2、3ヶ月後になるんで、間に合わないと思うんですよね。

木坂:そうだと思う、中小企業が、どういう時間感覚で、資金繰りしてるかっていうのを、もっと考えた方が良くて。

和佐:やっぱり、わかってないんですかね。

木坂:”毎日が自転車操業”だっていうことを、知らないんだよね。

ほとんどの中小企業は、「今週の入金なかったら、どうしよう?」とかでやってんだから。

和佐:飲食店は特にそうですよね。

木坂:そう、だから、すごくマッチョな考え方をすれば、「いや、そんな経営してるからダメなんでしょ?

そんなダメな会社は、遅かれ早かれ潰れますから。早く潰れて良かったじゃないですか。」ということは言えると思うよ。

でもさ、理論と言うか、理屈としてはそれ正しいけど、それで何て言うの?

その社会的な犠牲者が増えていくっていう状況は、長い目で見た時に、正しくはないと思うんだよね。

和佐:そうですね、特に、経営者なら分かると思うんです。

生放送で言ったと思いますが、飲食店の場合だと、家賃もあるし、正社員雇ているなら、その人たちをいきなり辞めさせるわけにいかないから、給料払わなきゃいけないですか。

それで、店開けて多少なりとも人が来てたら、トントンにはなるかもしれないけど、閉めたら全部、赤字になるので。

そうなると、都内だったら、普通に100万200万の赤字って、毎月積み重なっていくわけじゃないですか。

それってどうなの?って話ですよね。

それにもかかわらず、ほぼ営業できないような感じになってますからね。

自粛だけじゃなくてね。

木坂:問題は、”いつまで”ところだよね。

安倍総理大臣も「長期戦になるだろう。」とおっしゃってるじゃないですか。

実際、その確率は高いと思うんですよ。

長期っていうのは、1年とか2年とか、年単位ですよ。

和佐:ハーバード大学の研究チームが、「アメリカは2022年までかかるんじゃないか」と別のニュースで報じていましたけど。

木坂:2022年まで、このロックダウンと緩和を繰り返しながら、ダラダラごまかしていくしかないんじゃないかと。

おそらくその2022年っていうのは、ワクチンがはっきり実用化するぐらいを想定してんだと思う。

その後の2024年までは、監視の目は休められない、というようなことが書いてあったから、そういうスパンで考えないといけない。

そうすると、例えば、東京都が全面的に自粛に協力する場合は、50万円払います、2店舗以上だったら、100万円払いますよと言ってんだけど、東京の店舗だったら、家賃でそれは終わりだからね。

一か月家賃払いました、しかし、5月以降はどうしたらいいですか?が全く明かされない。

そんな中でさ、どうするのって話じゃん。

だから、焼け石に水とまで言わないけど、バファリンぐらいの効果しかないんだよね(笑)

もっと長い目で見た時の保証が、絶対欲しいはずなんだよ。

協力したら家賃分ぐらいはあげますから、今月は大丈夫ですよ、と言われても、家賃払えても、お前が言ったように社員の給料払えないじゃん。

誰が払うの?って話になる。

そういう状況で、個人で飲食やってる人や、普通のお店やってる人が、今不安の中で生きてるから、しっかり何かを言っていかないといけないよね。

--多くの人が誤解、”ベーシックインカム”とは?--

和佐:一方でスペインでは”ベーシックインカム”を導入するという話も出て来てると思うんですけど。

いずれにせよ、何をするにしたって、”財源”ってものがあって、それが問題になってくるわけじゃないですか。

スペインなんて、「どうやったら、ベーシックインカム出来るの?」っていう感じがするんですけど。

木坂:俺は、スペインの財政状況を細かく知らないから、具体的な議論出来ないんだけど。

”ベーシックインカム”って多くの人が誤解してんのは、ただなんとなく、毎月お金がもらえると思ってんじゃん。

違うんだよ。

”ベーシックインカム”っていうのは、”行政サービスをベーシックインカムに一元化する”ってことなんだよ。

だから、国民健康保険とか社会保障とか、その他の行政サービス全部無くして、ベーシックインカムは払う、ってことなんだよ。

和佐:日本だったら、保険も効かなくなるし、ゴミ捨てる時も、有料になるってことですよね。

木坂:そういうこと!全部が粗大ゴミのような扱いになって、一々お金が発生する。

例えば、俺らが何パーセントでもいいけど、20%税金を払っているとする。

そのうちの10%ぐらいが社会保障なり、他の行政サービスで還元されてるわけ。

これをどういう風に、還元していくか、っていう問題なだけなのよ。

これは20%1回払わせて、いろんな名目の税で払わせて、いろんな名目で還元してるから、めちゃくちゃコストかかってるの。

手間というか、これを無くして一元化すれば、コストが浮くから。

和佐:確かにそうですね、使わない人もいるわけですもんね。

木坂:そう、ベーシックインカムって言うのは、そういう発想なんだよ。

和佐:場合によっては、持ち出しの方がでかくなる可能性もある、と言うことですよね。

例えば、透析を打ってる人が家族にいて、保険効かなくなったら、高いわけじゃないですか。

木坂:そういう人たちを、どう扱っていくかが難しくて、実現が難しい面はあるんだよね。

和佐:なるほど、その場合は、一人暮らしより、家族まとまって暮らしてもらって、その分ベーシックインカムでもらう金額が纏ってあるわけだから、そこから出してくださいねという・・・。

木坂:そうそう!

お前も持ってると思うけど、障害者手帳を持ってると、何が免除されたりするとかあるじゃん。

和佐:ありますね。

木坂:交通費はどうなるとか。

そういう形で還元していくっていうのが、一つの案としては、あるかもしれないんだけど。

和佐:そういう人たちには、別枠としてってことですよね。

木坂:けれど、そうやって行くと、結局どっと増えてちゃって。

それを一元化って、言うんですか?ってことになるじゃん。

この辺の塩梅が、難しいんだよね。

和佐:仮に、ベーシックインカムみたいなものが、実現したとすれば、一人で暮らすというより、皆で一丸となって暮らした方が、効率の良い世界になる。

木坂:結局、規模の経済が効いてくるからね。

自炊する人はよくわかると思うけど、1人分作るお金が月1万円だとして、家族4人になったら、4万円になりますか?って言ったら、ならないからね。

2万円ぐらいだから。規模が利くんだよね。

和佐:そうした方が(規模が効きますね)。

結局、病院もカジュアルに行き過ぎなところは多分あると思うんで。

(皆で暮らすと)色んな無駄はなくなりますよね。

木坂:すごく合理的な発想なんだよね。

だから、めちゃくちゃ合理主義のオランダが、最初に実験し始めたりするわけ。

和佐:はいはい、はいはい!

単純に、給料みたいな感じで貰えるのか、と思ってたんで(笑)

木坂:違うんだよね。

政府の支払いが増えるわけじゃなくて、今いろんな形で還元しているものを、ベーシックインカムに一元化する、って発想だから、多分みんなが想像しているものとは、趣が違うと思う。

和佐:どっかの国がやってくれたら、ちょっと面白い実験ではありますよね。

木坂:そうそう、社会実験として、小さい町で実験はいくつもなされてて、ポジティブな結果もあれば、そうでもない結果も出てるから、これは継続してみるしかないよね。

--”リース”という形で108兆円の財源を作る--

和佐:(実験する国が)スペインだとして、いずれにしても財源の確保が、必要になってくるわけじゃないですか。

日本も108兆円という予算をつけて、やってるわけだし。

アメリカではもっとでかい規模でやってるし。

その方法が、”日銀がお金を刷るだけ”な感じになってるのが、どうなのかと思うんですけど。

木坂:前の音声で、「アメリカが、ほぼ無制限に供給すると、メッセージを発し始めた」という話したと思う。

確かにお金自体はただの紙だから、刷れば刷るだけ出せる。

でも実際問題は、そういう話じゃないわけじゃん。

問題はそこじゃないわけで。

紙がその品切れになるとかが、問題じゃないわけで。

和佐:トイレットペーパーじゃないんですからね(笑)

木坂:”マスク買えません”みたいな話とは、違うわけだから。

もっと経済として問題があるんだけど。

そのやり方、スキームっていうのは、ここまで大規模になると、事実上一個しかないんだよ。

それは何かって言うと、”国有化していく”形になる。

例えば、俺が100億円分の土地と工場を、持ってるとする。

それを政府が100億円で買うわけ。そしたら俺が100億円もらえる。

ここにまず、現金が一回生まれるでしょ?

そうしたら、100億円の価値のあるものを、1,000万円で別の会社に貸すわけ。

そしたらここに、99億9000万円浮くじゃん。

つまり、これは市場に流れた、ってことですよ。

100億円分の物が、1000万円で手に入ったから。

和佐:市場に流すスキーム、ということですね。

木坂:”リース”という形で、どんどんあぶく銭みたいなものを、膨らましていくのね。

こういうやり方で、まかなっていく、っていう形になると思うんだよね。

もし、本当にやるんだったらね。

和佐:昔の田中角栄の時代だったら、どんどん高速道路作って、国民が潤っていくっていうことですもんね。

木坂:あれはどちらかというと、単なるばら撒きなんだけど。

もうちょっと戦地経済に近いんだよ。戦争中に近いんだよ

全部を国がどんどん買い上げて、お金を市場に供給するって言う。

和佐:それって当然、弊害はありますよね。

木坂:当然あるんです。

和佐:今の話を聞くだけでも、ちょっとキナ臭い感じになってきましたよね。

木坂:例えば、急に電話が来て、「こういうスキームで、お金いっぱい浮かせませんか?」って電話来たら、うるせーよってなるじゃん。

またそういう案件の話か、おたくも大変ですね、みたいな話ですよ。

でも、そういうことしないと、いけないっていう段階になってる可能性がある。

もし、それ(財源の確保の必要)があるんだったらね。

和佐:結局、それは負の遺産として残るってことですよね。

木坂:そうです。だから、どこかでチャラにしなきゃいけないことは、間違いないんだから。

それをやった結果、経済がめちゃくちゃ成長すれば、最終的に10年後とか20年後なのか分かんないけど、チャラになるじゃん。

経済成長して、マイルドにインフレが続いていけば、理屈上はなるんです。

和佐:要は、108兆円ばらまいたとして、それ以上の経済効果があるんだったら、(チャラになりますね)。

投資ということですかね。

木坂:そうなるんです。大事なのは、本当にそうなるの?って話なんだよ。

和佐:今のところは、そうならないですよね。

真面目な話、これから日本を考えるときに、経済成長って、どの辺で何か有り得るですかね?

木坂:難しい話だね。

…っていうか、給付金の話から、そんな大きい話に飛んでいいのかい?

収拾つかなくなるよ(笑)。

これはこれで重要な話だと思うけど、コロナに何にも関係ないじゃん(笑)

それは日本の構造上の、本質的な話だから。

--失われた雇用の受け皿がなくなっていく--

和佐:今回のコロナショックで、経済自体の規模は、一気にシュリンクしちゃうわけじゃないですか。

色んな産業にダメージが入ってしまって…。

だからといって、コロナが終わった後、V字回復する要素は、そんなにないと。

木坂:まあそうだね、と言うか、単純に元に戻るっていう形じゃないだろうね。

和佐:その辺もまだ先の話なんで、イメージできない人も、多いかもしれないんですけど。

イメージしておいて欲しいのは、結局雇用が減って失業者が増えた時に、それを今度どういう形で担っていくのかって言うと、”人が要らないような形になっていく”というのが流れとして、あるわけじゃないですか。

木坂:そうなの、だから、ネット上でも、経済には一家言ありますよ、という人が、いっぱいいるわけじゃん。

そういう人が、色んなことを言ってると思うんだけど。

一番そのマッチョな方向性の人たちは、合理主義的な人達で、経済学をちょっと学んでいる。

そういう人達っていうのは、「失業者というのは、その他の市場が受け皿になる」って前提で考えてることが多いんだよね。

経済学は、理論上はそうなってるから。

これは、物凄い基本的な経済学ですよ。

大学で1年生とか2年生で習う経済学ってのは、そういう話なの。

例えば、俺がamazonの宅配の仕事してる人間だとして、クビになったとしたら、ヤマト運輸が受け皿になりますね。

ヤマト運輸もクビになり、宅配業界駄目になったとしたら、僕は車の運転出来るから、タクシーの運転手になります。

それでタクシー業界が受け皿になると、タクシーも自動運転なってクビになりました。

そうなったら、「あー、僕はちょっと何もできない。もうできることは無い。でも、何かやんなきゃいけないから、良し!プログラムを学んで、プログラマーになります!」とIT業界が受け皿なります。

そういうのを前提としてんの。

でも、現実そうじゃねえじゃん。

そんなに前向きに、ポンポンポンポンいけないし。

和佐:そうですね、今のその人は、かなりポジティブでしたね。

木坂:何のダメージも受けてないじゃん、そいつ。

和佐:そこから、プログラミング勉強しようという話には、あまりならないですよね。

木坂:まず、そうならないんだよ。

だけど、経済学の初歩の初歩っていうのは、それを前提としてる。

その産業ってのは、廃れたりする。そうすると必ず、廃れてる背後には伸びてる市場ができてる。

失業者はそこに流れるんだって、前提で理論が組まれてるのね。

俺は、流れないだろって思うわけよ。

和佐:今の感じでいくと、例えば、タクシーでその雇用が無くなった時に、2年後3年後、次の時代には本当に自動運転が始まる。

そうすると、雇う必要ないよね、って話になってきますよね。

木坂:そうなのよ。

だから、別の市場が受け皿になるっていう発想で、今回のコロナの後、”アフターコロナ”と呼ばれるような社会構造を語られると、俺は現実を反映しないんじゃないかと思ってる。

今回、例えば、飲食店潰れるじゃん。

「それなら別の飲食やればいいじゃないですか。人は物を食べるんだから。」って、そいつらは言うのね。

だけど、今回潰れた理由は、人が物を食べなくなったからじゃないでしょ?

人が濃厚接触したくないからでしょ?

…ということは、ワクチンができるまで、人は濃厚接触避けたいわけじゃん。

飲食でやれるとしたら、通販かテイクアウトになっちゃうよね。

今までの飲食のノウハウしかない人は、出来ないって話になる。

構造が少し変わると思うんだよね。

和佐:今回、amazonをよく利用し始めるようになったとか、テイクアウトするようになって、ウーバーも使うようになった、という人も結構いると思うんです。

そうすると、その便利さに気づくじゃないですか。

今まであんまり使ってなかったけど、これ便利だなってなったら、2年後3年後に近所に買い物行ったり、食べに行ったりする機会自体が、減る可能性ありますよね。

その構造自体が、置き変わっていく可能性ありますよね。

木坂:我々は5年ぐらい前から、ずっと喋ってることだけど、そもそも人間が要らなくなってきてるわけじゃん。

どんどん、いろんな業界で。

さっきの自動運転じゃないけど、似たようなことは、いろんなところで起こってるわけでしょ。

これがダブルで来るから。

和佐:あらゆる業界でね。

ある種、コロナ来てのAI革命という順番としては、面白い順番ですね。

木坂:我々は、AI革命が順風満帆に進むというイメージ、AI化が進んで失業者が増えるという話はしてたけど。

失業者が増えた結果、そのままAI化されました、という話は、想定してなかったからね。

和佐:結局、失業者が増えるという問題もあるから、ソフトランディングというか、ゆっくり業界に浸透する可能性の方が高いかなと、思ったんですけど。

今回みたいに一気に失業者が増えるなら、一気に(AI化が)広まる可能性が、高まってきましたね。

どうせだったら、そっちの方が効率いいし。

木坂:AI化はそんな急速には進まないから、結局しばらくの間、失業が増えただけって話になると思うけど。

和佐:でも、次に再雇用するときは、正社員で雇わないですよね。

木坂:雇わないと思うよ。

和佐:AI化を見越して、いつでも辞めさせれるようにして。

これを機に正社員が減ることになると、格差が広がっていきそうですね。

結局、正社員という生き方自体が、時代遅れだっていう風に俺はずっと言ってたから。

そのこと自体に対して、何も思わないんだけど、ちょっと想像してるより、ハードランディングなんだよね。

和佐:一般の人たちは全く準備ができてない状態で、急にそういう状況になってしまうから。

だから、最初の給付金や政府の保証っていうところに戻すと、保証をどこまで出来るのかってのも問題だし、いつまでするのかってのも問題ですよね。

失業保険もすごい額が、かかることになりますよね。

アメリカが1600万人、失業保険(の申請)で殺到してる。

和佐:そんな急に払えるんですかね

木坂:それはわからない。

単純な話として、日本でも何百万人が失業して、現実的に失業保険を一斉に払い始めるのは、あり得る。

それを政府と中央銀行は、マネタイズしてやりくりしますよ、って言ってんだよね。

和佐:結局、後手後手な対応しかできないことが、問題だっていうことですよね。

木坂:どうしても後手になる。

そこを批判してもしょうがないんだけど、その後手の中身はある程度頑張って欲しいっていうか、後手であることはこっちも諦めてるから、せめて中身はいいものを出してくれっていう感じ。

--欲しいのは”政府は味方なんだ”という安心感--

和佐:例えば、108兆円の予算があるとして、それをどこに分配するかって、問題だと思うんですけど。

トヨタが1兆円の融資を受けたという話しがあったじゃないですか。

同じように、AIに関連するものや、テクノロジーに関連するものに、積極的に貸付けていくことはあるんですかね?

木坂:それは基本的に出来ない。

例えば、経産省の肝いりのプロジェクトに予算を落としてることは、当然いっぱいあるよ。

だけど規模が大して大きくないのと、その手の奴はだいたい失敗する。

結局、財源が税金でしょ?

税金ってのは平等に使わなきゃいけないって縛りがあるわけ。

だから特定の所に税金を流し込むってことは、制度上難しいんだよね。

和佐:投資という風に考えるのであれば、医療やテクノロジー、教育に優先的に予算を配分してくれたら、後々の日本にとって良いと思いますけどね。

木坂:それは国策として、色んな法の網の目をくぐりながら投資して欲しいし、一部はしてる。

だけど、あまり大規模にやると、「なんでウチにはくれないんですか?」「それ我々が払った税金ですよね?」「なんでそんな不公平に使うんですか?」って言われた時に耐えられないんだよね。

和佐:一律と言うかそういう形で、どこの企業にも貸し付けますよと。

木坂:(一律貸付)にならざるを得ない。

特にこの緊急融資の場合は、名目上「売上が下がって困ってるでしょうから、融資しますよ。」になるじゃん。

その場合は”売り上げが下がってるかどうか”だけしか見れないよね。

和佐:今回、僕も一応融資申し込もうと思って、書類を今日書いたんですけど、審査はあるのかな。

木坂:お前が申し込もうとしてる物がどれかわかんないけど、ほぼないよ。

金額にもよるけど、お前が想定してるくらいの金額だったら、ほぼないです。

ちゃんと売上が下がってればいい。

和佐:僕らのやってるようなことなんて、売り上げは上下するのが当たり前なんで

いくらでも、それは出せるんですけど。

木坂:そうなのよ、どっかの月で前年より下がってればいいから、そんな月あるに決まってんじゃん。

和佐:この保証がどこまで機能するのかって、皆、すごい気になってると思う。

木坂:我々としては、なるべく手厚く保障して欲しいわけじゃん。

さっきも言ったように、いろんなものの塩梅があって、落とし所として俺らが思う”手厚く”は、難しいと思うんだよ。

和佐:現実的なのは、一人当たり10万円給付する。

木坂:そのぐらいは頑張ってもらっても、いいんじゃないかなと、俺は思ってる。

和佐:国民1人当たりにばらまいたところで、12兆円ぐらいですもんね。

木坂:生放送で言ったっけ?「10兆円くらいはばら撒くべきだ」って。

俺が言ってたのは、”10万円×人間の数”という感じで計算してたんだけど、プラスして中小企業や個人事業主を事業補償という形でさらに予算組まなきゃいけない。

その一般の人々の不安を和らげるために、一人10万円ぐらい出せば、現実に生活が楽になるかっていうことより、”政府は味方なんだ”と感じると思う。

「我々を気にかけてくれてる。」と思うはずなんだよ。

和佐:一世帯につき30万円っていうの出た時は、「30万円もらえるんだ!」と思ったんですけど。

まぁまぁ悪くないなって。条件付きって言ってたけど、条件がここまで厳しいと思わなかった。

木坂:どのくらいの世帯が当てはまるの?と思ったからね。

和佐:ほとんど当て嵌まらないっすよね。

木坂:本当の貧困層に金配ってるだけだから。

あれだと、大多数の家は、適合しにくいよ。

和佐:だから、あんまり安心感はなかったですよね。逆に裏切られた感が…。

木坂:そうなんだよ、だからあーいうことをやってはいけないんだよ。

こういうパニックになってる時は、一個一個が本当にダメージなるから。

和佐:結構、日本はよくやってると思うんですけどね。

でも、安倍さんはひたすらバカにされてますよね。

アベノマスクがどうのこうのとか(笑)

星野源が、歌をあげたんですよね。

”お家で踊ろうかな”って歌で、素材を自由に使っていいんで、みんなこれでコラボしましょうって。

一緒に歌ったりだとか、音楽を動画に合わせて踊ってみせたりだとか、動画を作っていいですよと。

一緒に歌ったり、踊ったりをいろんな芸能人がやったんですよ。

それを安倍さんも出したんですよ。

それがあまりにもしょうもなすぎて、すべってて。

木坂:どんずべりですか(笑)

和佐:そうそう!そんなことやっている暇あったら、頑張れよって。

木坂:頑張っているとは思うんだけどね。

和佐:そう言われちゃうって…(笑)

木坂:言いたくなる気持ちはわかりますよ。

和佐:だから、印象がもうちょっとよかったら、いいですけどね。

その辺は、他の国見てると上手い言うか…。

木坂:プレゼンが上手いからね。

和佐:日本より、もうちょっと強そうじゃないすか。

リーダーシップも強そうだし…。

木坂:上手くいってるいってない関係なく、よく見えるから…。

和佐:日本は、良くも悪くもすごく平和だな、って感じはしますね。

いいところでもあるけど、っていうところですね。

木坂:これが、お国柄といえば、お国柄ですよ。

和佐:みんなが選んだ人ですからね。

木坂:民主主義ってそういうもんだから。

和佐:実際、給付金はどうなるかわからないですけど、もしかしたら、一人当たり10万円もらえるかもしれない。

今、やばい(状況ですね)。

だから、いつもらえるか分かんないし、いつ配られるのかも、分からないですけど…。

木坂:早くにした方がいいよ。

安倍さん自身が、「これは単発とは限らない。必要とあらば、何度か寄付する可能性もある。」みたいなこと言ってんのね。

…というか、”言ってる”というふうに田原総一郎が言ってたんだけど。

だから本当かは知らない。

だけど、田原総一郎は本人と話して、そう言ってた(何度か寄付する可能性もある)と書いてたのね。

それが本当だとすると、その都度予算組むんですか?

それこそ、いつまで続くみたいな話になるじゃん?

こういうところも、2年3年続くという前提のシュミレーションをやった方がいいよね。

やってんだろうけど、官僚の人たちは、頑張ってやらないと、おかしなことになる可能性がある気がする。

和佐:そうですね、もしそれがあるんだとすれば、早く発表してほしいですね。

木坂:俺は、最初にこの緊急融資や、緊急給付金をばらまくのが必要だと思う。ここはこれでいいのよ。

だけど、その後1年とか2年とか、こういう状況が続くとした時の経済対策、つまり、もうちょっと簡単に言えば、我々(一般国民)に対する補償を、どういう方針で行くのか、という情報は、欲しいよね。

和佐:ポジティブのことは、積極的に言った方がいいですもんね。

木坂:我々政府は、皆さん国民のことを、これだけなんとかしますよ、これだけ考えてますよ、ってことを、この際ポーズでもいいから、アピールした方がいい。

とにかく、国民を安心させないと。

社会は落ち込んでくだけだから…。

和佐:テレビ見てると、ほんとそうですね。

ネガティブなことしかないんで…。

木坂:そんな情報ばかり出しても、いいことないんだよ。

和佐:確かにそうですね。

ポジティブなことはいろいろ出てくると思います。薬が効くようになったとか、色んな情報がどんどん出てるんで、悲観せずにやっていきましょうということですね。

木坂:そうだね。

和佐:じゃあ、今回はこれで終わりにしたいと思います。

ありがとうございます。


編集者:荒井美由紀
引用:【コロナ解体新書】現金給付一律10万円で日本はどうなる?ベーシックインカムはあり得るのか?


「読むコロナ解体新書」は以下のマガジンでvol30まで配信予定です。気になる記事があれば、ぜひ読んでみてください。

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