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【旧枠モダン】第15回GP旧枠モダンにステロイドで出てきたの話


●とうとう来たなこの時が

第15回GP旧枠モダンが始まる。待っていたぞ。待ちわびていたぞ。前回参加したのが第13回。2022年の11月だ。一年以上ぶりだ。
ん?13回?いやいや、最高のフォーマットである旧枠モダンを愛するこの僕が大会をスルーするなんてありえない。
それこそ年間で決まっている休日出勤の日にぶつかって、同僚が急遽入院して、子供のお遊戯会の日と被らない限りGP旧モをスルーするなんてありえないのだ。

Q.なんで第14回GP旧モ出なかったの?
A.年間で決まっている休日出勤の日にぶつかって、同僚が急遽入院して、子供のお遊戯会の日と被ったんだよ!!!

というわけで前回は上下の唇を噛み千切りながら大会をスルー。
※なんなら子供のお遊戯会も行けなかった

新宿の夕方大会も生活パターン的に参加し辛いので、マジで旧モに餓えた獣のようになっていた。そして満を持して発売された『モダンホライゾン3』。開催される第15回GP旧枠モダン。ヒャッハァ!もう我慢できねえ!モダンホライゾン3-恵みの雨-で潤った旧枠モダンのデッキ達を駆り、男たちは頂点を目指す。

●デッキリスト

『ゆるふわステロイド』
土地 22
4 《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
4 《樹上の村/Treetop Village》
4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
1 《蛮族のリング/Barbarian Ring》
1 《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
6 《森/Forest》
2 《山/Mountain》
生物 19
4 《密林の猿人/Kird Ape》
4 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《極楽鳥/Birds of Paradise》
2 《リバー・ボア/River Boa》
2 《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》
3 《スキジック/Skizzik》
その他 20
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《火葬/Incinerate》
4 《巨大化/Giant Growth》
4 《怨恨/Rancor》
4 《獣群の呼び声/Call of the Herd》

サイド 15
3 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
4 《魔力のとげ/Manabarbs》
2 《地震/Earthquake》
3 《帰化/Naturalize》
3 《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》

8マナクリからの3マナジャンプ
《稲妻/Lightning Bolt》と《巨大化/Giant Growth》という古の3を司るカード
突如相手の顔面を殴る《スキジック/Skizzik》
最強のコントロール殺しカード《魔力のとげ/Manabarbs》
相変わらず美しい。古き良きステロイドの全てが詰まっている。最高のデッキだ。

Q.モダンホライゾンのカードは?
A.そんなものはない

初代モダンホライゾン、モダンホライゾン2でろくな強化が入らなかったステロイドだったので、今度こそ強化カード・・・具体的には《ブラストダーム/Blastoderm》とか《ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya》とか《力の印章/Seal of Strength》とかがくると願っていたけどマジで何も来なかった。
あまりにも悔しいので《山/Mountain》を1枚《蛮族のリング/Barbarian Ring》に変更。
「スレッショルド達成するのか?」
「ただの痛い山なのでは?」
という疑問を諸君は持つだろう。僕もそう思う。まぁでも膠着した状態でトップで引いて最後の一押しになってくれる気がしたのできっとなんとかなるだろう。

真面目に解説すると、旧枠モダンのステロイドにもバリエーションがあり
・ひたすらに最速を目指す純正タイプ
・《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を採用し中速にしたタイプ
・土地破壊を採用しているタイプ
・白をタッチしてサブギミックを持ったタイプ
等がある(気がしている)。

このパターンは典型的なひたすらに最速を目指す純正型で、序盤もたついたデッキをコンバットトリックを駆使して一瞬で轢き殺せるスピードを持ってる代わりに中盤以降一気に失速してマナクリを並べるだけの虚無になる欠点がある。それだけだととても弱く見えるが、『超速スピナー』でいうと霧崎マイのようなタイプであると書くと一気に愛着が湧いてくる。人間の脳は不思議なものだ。

もう一つの特徴として、マイ・フェイバリット旧モカードである《魔力のとげ/Manabarbs》を一番強く使えるタイプである。
《魔力のとげ/Manabarbs》は《正義の命令/Decree of Justice》が支配するという下馬評の中、密かに最強のアンチカードとして脳内で話題になっていた。さらにモダンホライゾン3で《蛮族のリング/Barbarian Ring》と《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》というダメージを受ける土地が追加され、何も得るものが無かった代わりにステロイドの立ち位置は非常に良かったのである。僕の脳内では。
※実際に赤緑系のサイドでこれまで《防御の光網/Defense Grid》やら《血染めの月/Blood Moon》を採用していた勢も《魔力のとげ/Manabarbs》に変更していたのでこの読みは間違っていなかった。《蛮族のリング/Barbarian Ring》?《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》?そんなもの知らん。

Q.建前はいいから本音を言えよ
A.8マナクリと《魔力のとげ/Manabarbs》が使いたくて旧枠モダンやってんだよ

いくぜ5回戦!楽しむぜ!

●予選ラウンド

1回戦 GWウェイクストーム

《黒玉の大メダル/Jet Medallion》を獲得して強化された緑単ストームと《正義の命令/Decree of Justice》を獲得して強化されたウェイクのハイブリッドデッキ。すごい・・・めっちゃホライゾンしてる・・・
1-1
旧枠モダン界の《探索する獣/Questing Beast》である《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》の森渡りが強すぎて勝ち
1-2
残りライフ7まで削るも《ルビーの大メダル/Ruby Medallion》で軽減したことによりフリースペルになった《砕土/Harrow》でストームを稼がれ、突然5体の4/4ビーストが着地して瞬殺される。すごい。これがホライゾンデッキ。感動した。
1-3
《ルビーの大メダル/Ruby Medallion》は割ったけどこちらの土地が止まり、相手の壁でビタ止まりして2体の4/4ビーストがどうしようもなくて負け。

これがホライゾンデッキとノーホライゾンデッキの”差”なのか・・・
0-1

2回戦 GWウェイク

今度は純正ウェイク。1回戦目にステロイドに負けたウェイクと、1回戦目にウェイクに負けたステロイドの戦い。
2-1
ライフを4まで削るも、ステロが倒せないタフ4の《花の壁/Wall of Blossoms》を置いた状態で《崇拝/Worship》をサーチされる。しかし相手が《平地/Plains》を引かなかったおかげでダメランでライフが3になり《崇拝/Worship》スタック《稲妻/Lightning Bolt》で紙一重勝利。
2-2
どうやら1回戦目で相手が当たったステロイドはランデス型だったらしく、対ランデス型のサイドボードをしてきたけど、自分は自然愛護主義者なので土地なんて割らずにプレイヤーを破壊して勝ち。

紙一重で勝つと脳汁すごいね。
1-1

3回戦 トレードアサルト

2回戦でやってるのを覗いたら令和に地球上でその同型やってるのこの2人だけだろってくらいレアなゲームやってんなって思ったら当たった。性格を知られている身内はブラフが効かないのでやりづらい。

3-1
《リバー・ボア/River Boa》に《怨恨/Rancor》つけて無敵になって勝ち

3-2
《密林の猿人/Kird Ape》を並べて勝ち

《突撃の地鳴り/Seismic Assault》は2点なのでタフ3ばっかりのステロとは相性悪そうだった。《リバー・ボア/River Boa》いるし。
2-1

4回戦 URコン

僕は試合中の電子機器禁止時代のMTGプレイヤーなのでライフ管理をメモで行う派である。
あと筆記用具は『機動戦士ガンダム水星の魔女』でやたらCMしていたmetacilという一生書ける鉛筆を使っている。このmetacilは謎の技術でとんでもない量の文字を書けるのだが、ペン先が太いという欠点を持つ。
で、このURコンは旧枠モダン屈指のパワーカード《嘘か真か/Fact or Fiction》を多用し、手札に加えたカードは公開されるのでメモに記載する。

つまりこうなる。

余白が足りねえ。あと字が汚いのは許して。

一生書けるらしいけどこれはしんどいのでペン変えようかな・・・

4-1
メモの通り《嘘か真か/Fact or Fiction》でめちゃくちゃカードを引かれるも、先に着地した《リバー・ボア/River Boa》に《怨恨/Rancor》つけて再生マナ構えていたので勝ち。ちゃんと「リバボ神」って書いてある

4-2
赤マナでなくてもじもじしている間に盤面取られて負け

4-3
ランボー怒りの《魔力のとげ/Manabarbs》2枚設置。突如始まるサドンデス。こちらは《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が2体いたので余裕ぶっこいてたら《火/Fire》で両方焼かれてお互い更地になって焦る。
墓地には《獣群の呼び声/Call of the Herd》があるけど唱えたらライフが2になって《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》に殴られて負けるという地獄。
幸いこちらの手札には《稲妻/Lightning Bolt》があったので、相手が何らかのアクションをしてくれたらスタックで勝てそうな盤面なので慎重に動く。《カープルーザンの森/Karplusan Forest》から赤マナを出すと死ぬので《山/Mountain》を引くまで我慢。カードをドロー。視界に入る赤い土地。
蛮 族 の リ ン グ
なにこのゴミ???赤マナ出すと3点食らうんだが???ちなみにスレッショルドは達成していない。マジでただの痛い《山/Mountain》
そんな中相手が突如土地からマナを全力展開。22点のダメージをスタックに乗せながら全力で《ウルザの激怒/Urza's Rage》をキッカーでキャスト。
死ぬかと思ったけどフルタップだったので更に返しで本体火力3枚撃って勝ち。

よく考えたらこっちも火力ブッパするのに土地全部一気にタップしてればダメージ関係無かった。学び。

3-1

5回戦 ステロイド(ランデス型)

旧枠モダンの構築論についてあれこれ他の人と協議したことがほとんどないのでそのまま相手から聞いた情報の受け売りなんだけど、どうやらランデス型のステロイドは純正ステロイドに弱いらしい。
純正ステロイドが中速型(やタッチ白型)を苦手としているのはわかるし、大体こういうのは三竦みになるから、きっと中速型はランデス型に弱いのだろう。そうでないと困る。

5-1
相性差というかたまたま手札に土地とマナクリが多めにあって序盤のランデスが効かなかったので象さんで押し通して勝ち

5-2
マナクリ連打から《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》が間に合ってしまうも、コンバットトリック等を駆使してなんとか対処。さらに相手のドローが芳しく無くて押し切って勝ち。

あれ?これもしかしてSEいけるんじゃね???
4-1

・・・とか思ってたら2位だった。初戦負けててもそんな上にいけるんだ。
最初のGP旧枠モダンはTop4
その次は準優勝
その次はTop8
まさかの4度目のシングルエリミネーション進出である。毎回コンスタントにSE残るとか、あんまそういうキャラじゃないんだけどな。何にせよ上がってしまった以上は相手に失礼の無いようしっかりやりましょう。

ちなみにTop8の情報

ステロイドが今回の正解だったらしい。他の人はちゃんとメタ読んだのかもしれないけど僕はマジで偶然!!!!

●決勝ラウンド

準々決勝 GWウェイクストーム

予選ラウンドで唯一負けた相手にリベンジ!!!

S1-1
かつては高タフネスの壁によって象やらゴリラが止まってしまった。だが今は違う!(ギュッ!)
マナクリーチャーから怒りの《スキジック/Skizzik》2連打で壁をブチ抜いて勝利

S1-2
かつては高タフネスの壁によって象やらゴリラが止まってしまった。だが今は違う!(ギュッ!)
マナクリーチャーから怒りの《獣群の呼び声/Call of the Herd》feat.《怨恨/Rancor》で壁をぶち抜いて勝利

リベンジに成功。ただ試合としては勝ったけど、ホライゾンを味わい尽くすという点においてデッキの芸術点はあっちが上。

準決勝 ステロイド

配信だぁ!(wow wow wow wow)

S2-1
配信の3:50あたりが熱い。
この盤面、こちらは《森/Forest》と《山/Mountain》が立っているので《巨大化/Giant Growth》と火力の可能性がある。そのため《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》があったとしても対戦相手は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》をブロッカーにする可能性は低く、こちらの《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》の攻撃はスルーされて大体の場合1点稼ぐことができる。
実際はどっちも持っていなかったので典型的なブラフアタックなわけだが、対戦相手はブラフに騙されずにブロックから《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》起動で見事に討ち取っている。すごい。マジで感動した。そこからのドローが芳しくなくてこちらが勝利したけど、あの瞬間はマジで負けたと思った。これだからビートダウン同士のゲームは面白い。

S2-2
《密林の猿人/Kird Ape》に《怨恨/Rancor》をつけてプレッシャーをかけ、いい感じに相手の火力を《巨大化/Giant Growth》で躱せて勝利。
《スキジック/Skizzik》が走ってくることを警戒したようで、《密林の猿人/Kird Ape》が焼かれなかったのがめっちゃデカい。

勝っちゃった・・・

決勝 ステロイド

配信だぁ!(wow wow wow wow)

S3-1
《密林の猿人/Kird Ape》に《怨恨/Rancor》2枚貼って最強のゴリラを作り出し、象のブロックも《巨大化/Giant Growth》やら《火葬/Incinerate》でいなして流れ作って勝利。
ちなみにここまで16ゲーム。かなりの長丁場である。それ故にステロイドのカードパワーに肉体が耐えきれず試合中左の胸筋が攣った。試合中に突然ストレッチ始めるのも礼節を欠くのでずっと我慢してたけどしんどかった。動画見るとめっちゃモジモジしているのがわかる。羞恥プレイじゃん・・・。

S3-2
《スパイクの飼育係/Spike Feeder》が象トークンやら《樹上の村/Treetop Village》を強化するのだけケアしながら積極的に殴っていく。
トップから降ってきた《スキジック/Skizzik》で殴ったら対戦相手が《スパイクの飼育係/Spike Feeder》with《巨大化/Giant Growth》でブロックしたあとに4点ゲインするのを忘れてそのまま相打ちしてくれたので《地震/Earthquake》でピッタリライフ削れて勝利

え?勝利?・・・優勝じゃん!!!!!

【緊急速報】わたくし、優勝

生まれて始めてトロフィーなるものをもらった。本当に嬉しい。これを書いている今もずっとニヤニヤしている。しばらくは出社時に玄関に飾ったトロフィーを眺めてニヤニヤする日々が続くと思う。

「赤緑しか愛せない悲しきグルール民なので、このフォーマットは理ではなく情でマジックを楽しもう」をモットーにしてきた中でこのような結果を残せたのは本当に嬉しい。

先述の通り、旧枠モダンのステロイドは赤の火力と緑のクリーチャーという赤緑の魅力がパーフェクトに詰め込まれた芸術作品で、コンバットトリックに絡んだブラフやダメージ計算をきちんと行うことが勝利につながる最高のデッキだ。
除去の隙間を掻い潜ってコントロールを倒すのも楽しいし、同型対決で殴り合いをするのも楽しい。このデッキを使っていると赤緑って本当に最高のカラーなんだなと実感できる。

一回戦から決勝(とその後のヒュージリーダーズ)まで全試合通して和気藹々とした雰囲気でとても楽しむことができました。参加者に感謝。運営の双木湊氏に感謝。全ての旧枠モダン民に感謝。ヴィヴ・ラ・ステロイド。ヴィヴ・ラ・旧枠モダン。

みなさんお疲れ様でした!!!そんでみんなも旧枠モダンやろう!!!

●余談

風の噂で《プロパガンダ/Propaganda》が旧枠モダン入りするとかで、そうなると今回みたいなステロイド隆盛は間違いなく終わる。それもまたメタの流れなので仕方ない。
というか《プロパガンダ/Propaganda》が出たら流石にステロイド握るなんて一部の異常者だけになるから次回はステロイドメタる必要無いです。ステロイドはメタ外!!

●余談2

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