PAUPER SUMMIT CUPに出てきたの話

令和2年10月25日、都内某所。
血飛沫が乾く間もなく降り注ぐコンクリートジャングルで、飛び交う殺気と怒号でアスファルトが震える。
無法地帯と化した地下闘技場には“バトルギャザリング”の臭いにつられて屈強な漢達が集まった。
今日ここで、「貧者の王」が決まる。

(訳:代々木のとあるビルの2階で開かれた「PAUPER SUMMIT CUP」っていうPauperの草の根大会に出場してきたYO★)

MtGのシーンから草の根が消えたのには理由がある(ここらへんぼんやりした記憶で書いているので間違っていたら指摘して欲しい)。
5年以上前、ウィザーズが店舗と提携していない草の根公認大会を禁止した。
それにより草の根大会は店舗大会の延長として開かれるようになり、関東の主要な草の根大会(PWCとかGCCとか)以外の店舗と提携していない小規模な草の根大会が死んだ。
その数年後、更に規制が厳しくなり、競技としての大会(GPTとかPPTQとか)以外の大会を店舗外で開くメリットが開催側に無くなり、多くの草の根大会がオフ会程度の意味合いしか持たなくなり消失した。

時は経ち、血が通っていない冷徹な機械と思われていたウィザーズも、毎週開かれる高額の競技大会に辟易したプレイヤーの感情を読み取ったのか、
PWP制やらPPTQを廃止した。草の根大会の最大のデメリットはPWPが入らないことだったので、ここにきて草の根大会を開く意味が出来たのだが、
既に草の根大会を開くノウハウを持つ人はMtGの第一線を退いていた(本当ぉ?)。

そんな退廃したMtGシーンに立ち向かう新興勢力が現れた。

PauperMTG.com

暗黒時代たるウルザズザーガやミラディン時代が可愛く見えるほどの禁止カード連発を起こし、もう何度言われたかわからない「マジックオワタ\(^o^)/」を地で行くスタンダードに中指を立てる健全・優良・格安を売りに女子中高生を中心に大ブレイク中のフォーマット(当社比)、Pauperを扱う集団である。

そんなクールな集団が令和の時代に草の根大会を復活させた。
女房を質屋に入れてでも行くしか無いだろう。

使用デッキはいつものNaya Zoo。動物愛護精神を胸に今日も3/3を叩きつける。

ちなみに代々木には『Zher the ZOO』というライブハウスがある。
コロナの影響で残念ながら今年で閉店してしまうが、何度か世話になった思い入れのあるライブハウスだ。
完全にこじつけだが、同じ動物園の名を持つ者として、第一回PAUPER SUMMIT CUP優勝者の栄冠を勝ち取り、R.I.P Zher the ZOOとしてなんかいい感じにしたい(ふわっとした気持ち)。

まずはデッキ解説。
コナン「妙だな・・・こいつ1番大事な大会結果の前にデッキの解説を始めたぞ・・・?」

『Naya Zoo』
4 灰のやせ地
4 広漠なる変幻地
8 森
3 山
3 平地

4 野生のナカティル
4 クァーサルの群れ魔道士
3 コーの空漁師
1 死の国の憤怒犬
3 ラノワールの幻想家
4 ブラストダーム
1 激情のエイリンクス
4 豊かな成長
4 怨恨
4 稲妻
3 未達への旅
2 アルマジロの外套
2 吠え象の群れ

1 赤霊破
3 紅蓮破
3 嵐の乗り切り
3 虚無の呪文爆弾
4 軍旗の騎手
1 未達への旅


Naya Zoo学会で最新型とされる、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》と《ラノワールの幻想家/Llanowar Visionary》を軸に戦闘継続力を重視したタイプである。

フェアリーが《残響する真実/Echoing Truth》を採用しているため、《吠え象の群れ/Trumpeting Herd》の採用を抑え、ピン除去に強い《ブラストダーム/Blastoderm》をフル投入している。
この2枚の採用バランスは一長一短なので、詳細はそのうち書くかもしれないNataZooマニュアルを参照してほしい。

61枚目の《激情のエイリンクス/Frenzied Arynx》はアンケートの結果で採用し、それ以外は特に試験的カードは無いので概ね現在の完成形である。

サイドについては、
ボーグルズを絶対に許さない《軍旗の旗手/Standard Bearer》4枚
フェアリーおよび青系コンボをメタって《紅蓮破/Pyroblast》4枚(1枚《赤霊破/Red Elemental Blast》なのはブラフにより相手を撹r持っていなかったから)
赤系デッキをメタって《嵐の乗り切り/Weather the Storm》3枚
墓地対策は必須なので《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》3枚
追加の除去の《未達への旅/Journey to Nowhere》1枚


そんなこんなで4回戦。なろうぜ”貧者の王”に。

1回戦 青黒ランデス
いつからランデスが赤緑カラーだと錯覚していた?チープな固定観念は通用しないぞ。ここは貧者の世界だ。
まぁ…3色とはいえ2マナ以下の生物12枚入っているので流石に相性差で勝ち。

2回戦 親和
親和を仮想的から外した瞬間に親和と当たる法則、そろそろ学会に発表されてもいい。
あ、あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!
「おれは《コーの空漁師/Kor Skyfisher》に《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》と《怨恨/Rancor》をエンチャントし、毎ターン6点回復する《感電破/Galvanic Blast》で死なない最強生物を作り出して余裕ぶっこいてたら正面から殴り負けた。」
な・・・何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった・・・(ry

おおお落ち着け。幸運にも相手は自分のサイドにゴリラのシャーマンがいると思い込んでいる。
そこに”勝ち筋”が存在する。サイド後が勝負だ。完璧に「サイドからゴリラ4枚入れましたけど?」みたいな雰囲気を醸し出せ。
今こそ演劇部の本領の見せ所だ。
ハッタリかませばサイドボードは実質無限枚数になりゲームを優位に立たせることができるそうだいけるいけるやれるやれる未来は僕らの手の中だ普通に殴り殺されて負け。

3回戦
負けたけどフィーチャーテーブル。
そう、NayaZooなんて使っているプレイヤーはおそらく世界に自分しかいない。
それは珍しい、言うなれば絶滅危惧種のトラやパンダみたいなものだ。
これはやるしかない。もう頑張るしかない。レッドリスト魂見せてやれ。
コウノトリのように華麗に舞い、スマトラサイのように刺してやろう。ついでに使い手の顔はゴリラだ。

相手はペスト。

終わった。相手は絶滅危惧種を根絶やしにする気だ。
けものフレンズのセルリアンですら生物を殺すのにもう少し手心があっただろう。
唯一勝てる可能性があったのは《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》だが、4枚でどうこうなるわけもない。
ワシントン条約に「対ペストでは《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》を20枚積んでも良い」という項目がある可能性に賭けたが現実は甘くなくて負け。絶滅。

4回戦 ボロス統治者
めっちゃ《稲妻/Lightning Bolt》とか《削剥/Abrade》とか撃ってくる。
自分は大学を卒業しており1桁の足し算引き算に関しては精通しているので理解できるのだが、《野生のナカティル/Wild Nacatl》や《コーの空漁師/Kor Skyfisher》に《稲妻/Lightning Bolt》を撃つと死ぬのだ。
だがまだ勝ち目はある。相手は《金切るときの声/Battle Screech》どころか《戦隊の鷹/Squadron Hawk》まで採用しているためタフネス1ばかり、《電謀/Electrickery》が刺さるのだ。
そこに”勝ち筋”が存在する。サイド後が勝負だ。完璧に「サイドから《電謀/Electrickery》4枚入れましたけど?」みたいな雰囲気を醸し出せ。
今こそ演劇部の本領の見せ所だ。
ハッタリかませばサイドボードは実質無限枚数になりゲームを優位に立たせることができるそうだいけるいけるやれるやれる未来は僕らの手の中だ普通にコントロールされて負け。


というわけで1-3。9位(特殊ルールによりこの大会では1位と2位と”9位”だけが公開される)。

え?代々木のライブハウスにシンパシー感じたから勝てそうだった?バッカヤロ潰れた店にシンパシー感じてたら負けるだろ(暴言)

いやしかし楽しかった。結果など付属品に過ぎない。
このカジュアルにゲームを楽しめる感じは草の根大会ならではである。
大会を企画してくれたPauperMTG.comには感謝しかないし、これからもPauperシーンを盛り上げてほしい。

超応援している。

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