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【旧枠モダン】赤緑ステロイドで第10回GP旧枠モダンに出てきたの話

●GP旧枠モダンが開催される。

待っていた。この時を待っていた。
某カードショップのコラムにて旧枠モダンの良さを書き記し、多少はこのフォーマットを世間に広めることが出来た(と願っている)が、1つ致命的な欠点があのコラムに存在した。

筆者に旧枠モダンに関する実績が何も無いのだ。
悪く言えばエアプ。日本国憲法にて表現の自由が保証されている限り筆を執るのに大会の実績など本来は不要だが、本人が納得していないのであればどうしようもない。
「腐っちゃいるが真っ直ぐな性根」でお馴染みの自分としては多少の箔は欲しい。箔、サンタさんにお願いしたいところだが残念ながら旧枠モダン記事もGP旧枠モダンもクリスマスの前に開催される。
なのでやるしかない。実際にGP旧枠モダンで勝つしか無い。箔をゲットするっきゃない。休日出勤になりかけたが、非常に申し訳ないが上司には6連勤してもらう。

ちなみに自分はPauperにおいても大した実績が無いので、上記の「高説垂れるなら実績が必要理論」を正とすると過去の記事は全て虚空を箸でなぞったようなものになる。悲しいなぁ。

●大会に出る。そして勝つ。デッキを選択する。

脳内でメタを巡らせた結果、《恐怖/Terror》という確定除去を持ち、《発掘/Unearth》で《狩りをする恐鳥/Hunting Moa》を使い回せる黒緑ハスクが最強という結論に至った。

「ネクラタルを8モアで強化すれば無敵」

完璧だ。優勝はもらった。強い確信がある。間違いない。
いつもそんなこと言ってる気がするが気にしないようにしよう。

しかしそんな自分の脳裏に一縷の不安が過る。
そう。我は生粋のグルール民。
初めてのGP旧枠モダンにそんな中途半端なデッキ選択をして本当に納得できるのか?
笑顔で会場をあとにできるのか?
転んでも泣かずにいれるのか?
何のために生まれて?
何をして生きるのか?

答えはNoだ。

我はグルール民、赤緑の民なり。赤緑でしか生きられない。
赤緑で結果を出すことに意味があるのだ。

というわけで緻密なメタ分析の末、赤緑ステロイドでの参加が決まった。緻密って言葉を辞書で引いてこい。

旧枠モダンは素人だが、ステロイドなら第5版から組んでいる。社会人の格としては底辺だがステロイドに関するノウハウなら超一流である。さぁ、デッキを組もう。

STEP1:定石を知る
デッキビルディングにおいて環境独自の定石をなぞるのは基本である。ネットの海を泳いだ結果、上記黒緑ハスクでも述べた8モアを採用することにした。

これでスロットが8枚埋まった。定番火力である《稲妻/Lightning Bolt》と緑をやる理由である《獣群の呼び声/Call of the Herd》、《怨恨/Rancor》を加えて20枚が確定した。ついでに6版の《巨大化/Giant Growth》とか使いたい。絵が可愛いからな。

STEP2:スタンダードのノウハウを活用する
脳内シミュレーションの結果、このステロイドは先制攻撃を活用する白ウィニーに勝てないことがわかった。
それに対する回答を用意する必要がある。なんと答えはジュラ紀に存在した。地上の覇者である恐竜達から逃れるため、鳥類は空を生活圏にした。そう、飛行である。

空のステロイドということでテーロスやタルキールの頃のグルールモンスターを参考にすることにした。この頃のステロイドは《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》等を使い空から攻める。これを旧枠モダンでやる。

旧枠モダンにも4マナくらいの優秀な航空戦力がいるはz・・・いない。え?マジで?・・・本当にいないんだが?《ラースのドラゴン/Rathi Dragon》・・・はちょっとデメリットキツすぎる。

どうしてそうなったのか。端的に言えば自分の頭が狂っていたのだが、何故か《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》を5マナと勘違いしていた。全然そんな事なかった。いきなり頓挫した。航空戦力を8モアで強化すれば最強に到れるという確信があったのに。プロジェクトX(囁くように)
そんな迷いはあるカードで解決する。プロジェクトX(囁くように)

《シヴの抱擁/Shiv's Embrace》である。

《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》は5マナではなかったが、4マナで《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》に抱かれる事は出来る。マイナーチェンジというやつだ(多分違う)。
8モアで航空戦力を強化するのではない。8モアが航空戦力になればいいのだ。まさに逆転の発想である(熱い自画自賛)。そうすることで仮想的である《稲妻の天使/Lightning Angel》ともやりあえる。完璧である。これがソリューションだ。しかし既に《怨恨/Rancor》があるので強化スペル過多になってしまう。生物と強化スペルのバランスはPauperで学んだ。よって残念ながら《巨大化/Giant Growth》は不採用となった。
そんなこんなで8モアと《シヴの抱擁/Shiv's Embrace》を組み合わせたネクストレベルステロイドが出来た。

22 土地
4 《極楽鳥/Birds of Paradise》
4 《密林の猿人/Kird Ape》
4 《鋼胴の甲虫/Ironshell Beetle》
4 《狩りをする恐鳥/Hunting Moa》
3 《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》
3 《スキジック/Skizzik》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《怨恨/Rancor》
4 《獣群の呼び声/Call of the Herd》
4 《シヴの抱擁/Shiv's Embrace》

結論から言うとこのデッキは以下の点でゴミであった。
・8モアの強化先のスロットをシヴの抱擁で減らしてしまう
・巨大化が無いので3点火力に対して無力
・アドバンテージ獲得力が無いのでシヴの抱擁スタックで除去られると目も当てられない
・マナカーブが非常に悪い
上記3点をスパー相手のトリココントロールにボッコボコにされることで学んだ。やりたいことがバラけ過ぎて中途半端になる。初心者がやりがちな構築ミスだ。というわけで解体。


●ゼロから構築するデッキビルディング

振り出しに戻った。これでは本当に気持ちよくなることなど出来ない。マジックで大事なのはサティスファクションでありユーフォリアなのだ。

もっと旧枠モダンについて知る必要がある。調べなくてはならない。
しかしなかなか求めている情報が見つからない。きちんとしたデッキリストの情報が少ないのがある意味旧枠モダン最大の特徴なのかもしれない。どう思う?自分はそういうフロンティアなとこ嫌いじゃないけどな!
それでも僅かながら手がかりは落ちている。もっとネットで旧枠モダンについて調べないと・・・ああくそ、このめぐすけってやつのコラム邪魔だな!知ってる情報しか書いてねえ!

というわけで胸に手を当てて正直な気持ちになって考える。
もっと自分に素直になる必要がある。実写版『ピンポン』でペコが膝と会話してるときみたいにだ。
もっと自分に素直になる必要がある。8モアは緑単でこそ最大のポテンシャルを活かせるんだって。

というわけで8モアは不採用とした。赤緑が使う8モアは緑単の劣化品にしかならないと思ったからだ。
代わりに1マナのマナクリーチャーを8枚にして常に相手より高マナ粋のアクションを取れるようにした。
《巨大化/Giant Growth》も採用しよう。絵が可愛い《樫の力/Might of Oaks》も入れよう。好きにやればいい。

というわけで出来たのがこれ

4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4 《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
4 《樹上の村/Treetop Village》
2 《低木林地/Brushland》
4 《森/Forest》
4 《山/Mountain》

4 《極楽鳥/Birds of Paradise》
4 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《密林の猿人/Kird Ape》
2 《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》
2 《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》
4 《スキジック/Skizzik》
1 《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》

4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《怨恨/Rancor》
3 《巨大化/Giant Growth》
2 《火葬/Incinerate》
4 《獣群の呼び声/Call of the Herd》
1 《樫の力/Might of Oaks》

余計なギミックは省き、古のステロイドの動きに忠実なシンプルな構成に落ち着いた。
・8マナクリで《獣群の呼び声/Call of the Herd》を中心とした6枚の3マナカードへジャンプ
・8枚の本体火力と《スキジック/Skizzik》で高速で相手を倒す
・《巨大化/Giant Growth》でコンバットを有利に
こう書くとまじでやってること古のステロイドだな。だがそれでいい。
ランプや多色コントロールに対しサイドから《魔力のとげ/Manabarbs》を入れるのもいい感じだ。実際に活躍したのは結果論から言えば1試合だけだったが。
なんにせよ回していて非常に手に馴染む。本当に求めていた暴力は黒く光るセミオートのハンドガンではなくグリップの効いた金属バットだったのだ。

●大会に出よう

というわけでこれでGP旧枠モダンに参加。予選ラウンドがんばるぞい。

1回戦 緑単ランプ
1-1
敗因:1ランドなのにキープって宣言したこと。いくら対戦相手が菩薩の心でマリガンを許してくれたとしても確かに自分はキープと言ったのでキープしなければならない。それがスジを通すってことだから。
1-2
予想通りサイドの《魔力のとげ/Manabarbs》がぶっ刺さって勝ち
1-3
《怨恨/Rancor》をつけた《極楽鳥/Birds of Paradise》がボコスカ殴って勝ち。パラダイスアタック!

1-0


2回戦 ハウリングバーン
《吠えたける鉱山/Howling Mine》で手札を補充してバーンするデッキ。こちらはバーン以上に手札を高速展開させるデッキなので相手からしたら地獄。
ゲームとしては勝ったが、《怨恨/Rancor》→火力→《巨大化/Giant Growth》→火力→《樫の力/Might of Oaks》→火力ってスタックの応酬があってめっちゃアツかった。グッドゲーム。

2-0


3回戦 ステロイド
多分こちらが旧枠モダンとしては正当なランデスを搭載したステロイド。多分対戦相手の方が多くのデッキに対応出来るのだと思う。
ランデスをせずマナクリーチャーで加速する分こちらの方が有利なので勝ち。

3-0


4回戦 ハウリングバーン(今回の優勝者)
ID*2で抜けれるのでID。ここからは仮想的な本番。
といっても2回戦と同様こちらがかなり有利なため1戦目2戦目も殴りきって勝ち

3-0-1


5回戦 青緑コントロール
ここでもID
仮想本番は5-1で《花の壁/Wall of Blossoms》に全てを防がれ、残り2戦は展開しきって勝ち。

3-0-2

というわけで3位抜けでシングルエリミネーションへ。やったぜ!結果として上場なのでもう既に満足しつつある。


S1 ナヤカーミックボンバー
知ってる。無限コンボのやつだ。
6-1
《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》の森渡りが死ぬほど強くて勝ち。ここで《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》に2/2と2/3が存在することに気づく。2/2と2/3ってバルバトスとバルバトスルプスレクスくらい違うんだが?もっと早く知りたかった。

6-2
《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》を出されて止まったかと思いきや《密林の猿人/Kird Ape》を《怨恨/Rancor》と《スパイクの飼育係/Spike Feeder》で強化して乗り越えて勝ち。


S2 青緑コントロール
こんどは仮想本番ではなく本番
7-1
先手らしく速攻で殴りきって勝ち。

7-2
色事故でハンドに《スキジック/Skizzik》が3枚溜まって死亡。

7-3
相手のライフをあと一歩のところまで追い詰めて、火力か《巨大化/Giant Growth》か《スキジック/Skizzik》か《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》引けば勝ちって盤面で4ターン土地とマナクリーチャーしか引かずに相手の《起源/Genesis》が間に合ってしまい死亡。

というわけでS2敗北のTOP4

決勝のバーンとも相性良く今回はマジで優勝が狙えただけに非常に悔しいが、今回の目的である「結果を出す」という点においては普段の成績からすると上出来もいいところ。なのでこれで良しとしよう。やたらググったときに例の記事が出てきてしまうのも少しは許されるだろう。

しかし旧枠モダンは楽しい。スピード感が心地よい。やはりガチガチにならない牧歌的なマジックが一番性に合っている。平和(と暴力と本体火力)が一番!!
運営もお疲れ様でした。次回も可能な限り参加します。旧枠モダンに幸あれ!!

●おまけ:改良後の赤緑ステロイド

今回の経験を踏まえて、より尖らせるのならこの構成

4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4 《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
4 《樹上の村/Treetop Village》
6 《森/Forest》
4 《山/Mountain》

4 《極楽鳥/Birds of Paradise》
4 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《密林の猿人/Kird Ape》
2 《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》
2 《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》
4 《スキジック/Skizzik》
1 《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》

4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《怨恨/Rancor》
4 《巨大化/Giant Growth》
2 《火葬/Incinerate》
4 《獣群の呼び声/Call of the Herd》

改良点
・白など不要。《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》の白キッカーは《極楽鳥/Birds of Paradise》がいないのなら諦めろ。これにより《密林の猿人/Kird Ape》が2/3になりやすくなった。
・ロングゲームは想定しないので《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》は解雇。代わりに追加の低マナ粋アクションである《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》を61枚目に採用
・《樫の力/Might of Oaks》はやはり使いにくいので《巨大化/Giant Growth》4枚
・乗り手の性格次第では《火葬/Incinerate》と《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》の枚数バランスは変えても良い

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