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最高の女友達二人へ、24歳の私より


 まだnoteを書き始めたばかりの時、書いたnoteを二人の女友達に読んでもらった。今までお酒を飲みながらあけっぴろげに披露してきた、もはや鉄板となっている恥ずかしい恋愛ネタたち。普段ぼんやりと考えていること。改めて文章にまとめたものを読んでもらうのはとてつもなく恥ずかしかったが、しっかりと(わざわざ音読しながら)読んでくれた。

 ニヤニヤしたり、「ほ~」と感心したり、「こういうこと本当は思ってたんだね」と頷いたりしながら、読み終わった後に一言。


 「ねえねえ、私たちのこともnoteに書いてよ」

 えー、とか、うーんとか言いながらも、実は次に書くnoteでは、女友達について書こうと思っていたのだ。しぶしぶ、というような仕草を見せつつ、私は承諾した。

 しかし、いざ書いてみようと思うと、何を書いても全くしっくりこない。パソコンに向き合って、書いては削除し、書いては削除し、を繰り返した。

 難しい。書こうと思った時にあった切り口やアイデアみたいなものは、実際に文章に落とそうとすると、あまりに陳腐で、ダサい。ありきたりな表現は使いたくないのに、出てくる言葉はそんなものばかりだ。
 そうこうしている間に、すでに二カ月ほどが経っていた。



 この二人の友人とは、中学のころからの付き合いで、もう12年目だ。中高一貫校で、同じ部活だった。その時ももちろん仲は良かったが、別々になった大学以降の方がより深い関係になったと思う。今や全員が社会人だが、月に1~2回は必ず会っている。理由なく会えていた中高時代とは違うからこそ、きちんと会いたい人には会いたいと伝え、実際に会うということが、ますます重要になっていく。
 そう、きっと大人になってからの友情には丁寧なメンテナンスが必要なのだ。少しでもそれを怠ると、いとも簡単に崩れ去ってしまう。

 社会人になると、仕事をする分、自由に使える時間は貴重だ。こんな状況でもなければ連休は旅行をしたいし、ずっと行きたかったあのカフェにも行ってみたい。最近太ってきたから、ジムにも行かなきゃ。あ、でも部屋もそろそろ無視できない汚さだから、掃除しなくちゃ・・・様々なやりたいことがあるのに、時間が圧倒的に足りない。
 その限られた時間を共に過ごしたいと思える人とは、今後の人生でもずっと一緒にいたい。特別なことをせずとも、一緒にいると楽しい存在の、何と尊いことか。今後も末永くこの関係を続けていくためには、定期的に会って、彼女たちのことを大切に思っていることを伝えたいのだ。


 しかし、この考えで行くと、今後定期的に会えなくなった場合、対面という形でのメンテナンスができなくなった場合、どうなるのだろうか。

 例えば誰かが転職して休みが合わなくなったとき。結婚したとき。子供を産んだとき。住まいを変えたとき。
 いくらだってある。今まで私たちは当たり前のように同じ選択をしてここまで来た。中学を受験し、そのまま付属の高校に進学。そして大学もストレートで入学し、社会人二年目、独身。ここまでの足並みは、とても揃いやすい。しかし、本当に難しいのはここからなのだ。

 みんなが正解のない人生を歩む。いや、すでに歩んでいる。会社員だけが仕事じゃないし、結婚はしてもしなくてもいい。それぞれが違う選択を違うタイミングですることになる未来では、どのように友情のメンテンナンスをしていけばいいのか、とても怖くなることがある。誰かひとりのライフスタイルが変化すれば、今までの関係性がめちゃくちゃになってしまうのではないか。

 そんな風に考える中で、大人の女の友情はこんなものであってほしい、という希望も見えてきた。

 一本の糸は、途中でほどけて、様々な方向へ向かう。けれど、必ずまたどこかでそれぞれの糸を撚って、一本にすることができるのだ。
 途中で進む道が分かれても、長い間会えなくても。どんなに細くても良いから、つながり続けていれば、必ずどこかでまた巡り合えるのだと思う。私の好きな作品、ミュージカル「マンマ・ミーア!」でも、ドナ、ターニャ、ロージーの三人は何年も会っていなくても、再会すればすぐに元通り。きっとそれぞれの心の中に、全体に占める大きさは生活に応じて変われど、必ずお互いのためのスペースが用意されていたから。

 その希望を胸に、それほど怖がらずに彼女たちと未来に対峙したいな、と24歳になった今思うのだ。

 結局ありきたりな感じになってしまって、二人にはどんな反応をされるだろうか。「マンマ・ミーア!」の劇中使用曲に、女の友情を歌った「Chiquitita」という曲がある。これから少し離れることがあったとしても、こんな風に二人のことを思っているよ、と、どうか分かっていてほしい。

Chiquitita, tell me what's wrong
You're enchained by your own sorrow
In your eyes there is no hope for tomorrow
How I hate to see you like this
There is no way you can deny it
I can see that you're oh so sad, so quiet

どうしちゃったの?
悲しみにがんじがらめにされて、
未来に希望なんかあったもんじゃないって顔してる
そんなふさぎ込んだ姿は辛くて見ていられない

Chiquitita, tell me the truth
I'm a shoulder you can cry on
Your best friend, I'm the one you must rely on
You were always sure of yourself
Now I see you've broken a feather
I hope we can patch it up together

肩を貸すから、思い切り泣いていいよ
そういう時に頼れるのが親友ってもんでしょ
ボロボロの時も、一緒に一つずつ直してあげるから

Chiquitita, you and I know
How the heartaches come and they go and the scars they're leaving
You'll be dancing once again and the pain will end
You will have no time for grieving

知ってるよね
その胸の痛みがどのように生まれて去っていくのか
どのように傷を残していくのか
大丈夫、踊ってみればその痛みは消えるから
もう悲しまないで

Chiquitita, you and I cry
But the sun is still in the sky and shining above you
Let me hear you sing once more like you did before
Sing a new song, Chiquitita

一緒に今は泣くけれど、太陽はまだ輝いてる
だから前みたいに笑顔で歌ってよ
新しい歌を

(※自身の意訳のため、解釈がおかしいところもあるかもしれませんが、何卒ご容赦ください)

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