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財産一覧表 相続にお勧め(北海道新聞連載㉑)

お正月に離れて暮らすお子さんと久しぶりに過ごした方も多いでしょう。
そんな方から耳にするのは「子どもに迷惑をかけたくない」という言葉です。

それなら財産の一覧表の作成をお勧めします。

相続で子ども世代が困ることの一つが、どんな財産があるのかはっきりしないことだからです。財産一覧の問題をどうぞ。


Q 財産一覧で預貯金の記載方法として、「これで間に合う」とされるのは何番でしょうか。

①金融機関名と支店名、口座番号や契約番号、そして残高まで。
②金融機関名と支店名だけ。
③残高だけ。




A 正解は②です。
相続人であれば金融機関名と支店名がわかれば、相続する預貯金の残高を調べることは可能です。
何もわからない状態では、通帳を探すなどの方法もありますが、今は通帳のない預金口座も多いのです。



Q 不動産を記載する場合、間違っているのは何番でしょうか。

①持っている不動産をもれなく記載する。
②不動産の所有者を確認する。
③固定資産税を支払っていない不動産は記載する必要がない。





A ③が間違いです。
固定資産税を支払っていない不動産も相続されます。

ぜひしてほしいのは所有者の確認です。

よくあるのは所有者が先代のままだったり、兄弟で共有している場合です。
自分のものだと思っていても所有者が違う場合、売却、リフォームの手続きもできません。



Q 記入する財産について正しいのは何番ですか。

①借金やローンを相続することはないので記入する必要はない。
②借金やローン、保証人等のマイナスの財産は返済期限や残高などの詳細も記録しておいたほうが良い。
③マイナスの財産は全て音信不通の次男に相続してもらうつもりなので長男は安心だ。




A 正しいのは②です。
マイナスの財産も相続されます。

負債が多額で相続を放棄する場合は、マイナスの財産だけではなくプラスの財産も放棄することになります。

特定の人に債務だけを相続することは相続人全員と銀行などの債権者の同意が必要で、まず認められないでしょう。

2017年(平成29年)1月4日(水曜日) 北海道新聞掲載 
「相続」

大事なふたつのこと、法定相続人の確認、そして財産一覧表の作成です。
これは変わっていません。この先もしばらく変わらないと思います。

そして、不動産の相続登記も義務化されそうです。益々財産一覧の重要性が高まります。

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