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「平均寿命、余命 目安に計画」(北海道新聞連載②)

 80歳になったある男性に「自分の寿命はあと1年を切ったのか」と言われたことがあります。
 日本人の平均寿命は2013年で男性80.21歳、女性が86.61歳だからです。
しかし、平均寿命は例えば80歳の男性があと0.21歳しか平均的に生きられないという数字ではありません。

 80歳の男性は平均してあと何年生きられるのか。
 これを示すのが「平均余命」です。
 厚生労働省から発表されており、年齢ごとに平均してあと何年生きられるのかを示しています。
 80歳の平均余命は男性8.61年、女性は11.52年です。


 これを冒頭の男性にお伝えしたところ破顔一笑。「おっ、そうなのか!」と明るくおっしゃいました。
 この方はしておきたいことがたくさんあるそうです。


 少々ややこしいのですが、平均寿命とは0歳の赤ん坊が平均的に生きられる年数。すなわち0才での平均余命のことなのです。
 その後若いうちに亡くなる人も、長寿の人も含めた数字です。
 ですから長生きした人たちほど、平均的に生きられる年齢が上がり、平均寿命をどんどん超えていくわけです。
 退職などで収入に大きな変化が多い年齢である60才の平均余命は男性で23.14年、女性28.47年です。


 ただ、長寿は手放しで喜べない面があります。
 「健康寿命」をご存知でしょうか。健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間とされ、13年で男性が71.19歳、女性が74.21歳。
 つまり平均寿命より10年ほど短いということになります。


 今回は年齢に関する数字を並べてみました。
 もちろん、平均の数字なのですべての人がこの通りになるわけではありません。
 しかし、これらの数字は、ご自分のこれからを考える上で一つの目安になるのではないでしょうか。


 例えば、これからの生活に必要な金額、やってみたいことにかかる費用、ご家族の冠婚葬祭にかかる費用の試算。
 そして自立できなくなってしまった時の介護、医療、住まいの費用、葬儀やお墓の費用をどの程度見込むのか。
 それらが、年金などの収入やご自身の財産で賄えるかどうか。大体の見通しを考える上で、平均寿命、平均余命、健康寿命を知っておくことも大切ではないかと思うのです。

2015年(平成27年)4月1日(水曜日)北海道新聞
「終活」

 2019年の平均寿命は、男性81.4歳、女性87.4歳。
 健康寿命は男性72.7歳、女性75.4歳。
 平均寿命と健康寿命の差はまだまだ大きいですね。あくまでも平均です。


 自分の足で歩けること、自分の頭で判断できること。
 この2つができなくなると道が変わると考えています。


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