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いしも・ともり
2024年7月2日 00:20
5分程歩くと、レンガの建物に深緑色のドアが見えた。黒猫のシルエットに『カフェ・永遠』と書かれた看板がある。昔からあるレトロなカフェ……というより喫茶店と言った方が的確か。ドアと開けると、チリンチリンとドアベルが鳴る。「いらっしゃいませ」という声が聞こえて、そちらを向くと、今しがたバイトに入ったばかりなのか、エプロンを後ろで結びながら、ポニーテールがよく似合う、かわいい女の子が、奥から出てきた。