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相手を思う心

Twitterで「相手を思う心」がなくても芝居はできるかという問いを投げていた方がいて、その結果が僅差で「できる」であった。私はちょっと考えて「無理」に投票した。

確かに、別に相手を思わなくても思っているように魅せることはできるし、むしろ機械的にやった方がいいシーンもある。でも、私の中でお芝居はすべて嘘だけど、唯一そこにある感情は本物だと思っていて、それを垣間見たことにより心が動かされるんだろうと考えている。

だから、思う心はなくてもできるけど、最終的には必要なんだと思うから「無理」に入れた。

よく、恋人役をやってほんとに好きになってしまうなんて話をよく聞くし、実際目にしたし、修羅場になったのも結婚までいったのも知ってる。私自身は、ほとんどそんな役をやる機会もないから、ほんとかいなと思ってた。

だけど1回だけ、役として好きなのか、人として好きなのかわからなくなったことがある。それに気づいたのは最終公演の後。だいたい、公演が終わると寂しくなるんだけどその時は違った。悲しかった。もう会えないのかと思うと本当に悲しかった。あれはきっと人して好きだったんだと思う。その相手役の方とはその後会う機会もなかったのでどうにもならなかったが、その後も交流があったならマジで好きになっていたと思う。

こういう体験を経たからか、私は人を演じる以上、役とその人とは切り離せないものなんじゃないかと考える。頭の中では離しているつもりでも心は必ずしもそうではないと感じる。




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