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自分が器用な人間でないことは小学生の時から気付いていた

(写真:不器用な自分が唯一育てられている観葉植物)

私は現在40代半ばで、エンジニアとコーチングの仕事で生計を立てている。
オフの時間には、趣味の音楽活動やジムとプールでの運動、作り置き料理やポテサラにこだわって写真をSNSに投稿することもある。

ときどき多趣味でいいですね、とか、プログラマーなんて手に職があって羨ましい、と言われることもあるけど、自分は全く器用な人間ではない。

振り返れば、昔から器用にこなせた体験など何一つなく、ただ続けられたことだけが今の自分を支えてくれているのだと感じている。

不器用な人間が、どうやって生きてきたか、書いてみます。


小学生の頃から不器用だった

不器用エピソード1
「一年生になったら、友達100人できるかな?」
なんて歌を間に受けていたのだけど、現実には友達はなかなかできなかった。

スポーツも苦手、ゲームも持ってなくて下手、テレビも見ないからドラマやバラエティの話もできず、どこの仲良しグループにも入れずにいた。
ドラえもんやサザエさんを見るといつもの友達に囲まれて過ごしていて、現実は世知辛いと感じてた。

不器用エピソード2
ピアノとエレクトーンを習っていて、10人くらいのグループ発表会ではベースパートの担当になった。
器用な子たちはキラキラした華やかなメロディを弾く中で、自分は片手での全音符ばかり。先生が「しょーご君は安定感があるからベースに向いてる」と謎に褒められて、文句も言わずにやっていた。

不器用エピソード3
中学校では吹奏楽部に入ったのだが、2年生の時にコンクールに出るためのオーディションで同級生2名に負け、初めてのコンクールは人手不足の打楽器パートで出ることになった。

勉強もパッとせず、活躍できるものもなく、自分の人生は難しいなと思っていた。


頑張らずに続けられたことだけが残った

ピアノは好きではなくて小学生の後半でやめたけど、中学で管楽器を始めてから、上達は遅かったけど楽しかった。自分にとって楽器は道具を使いこなせるようになる感覚が新鮮で、とにかく中学からは管楽器の練習にのめり込んだ。

高校一年の時に大学生のジャズバンドに出会い、心を撃ち抜かれた。大学は迷わずジャズ研が有名な学校を選び、部活に入りたい一心で勉強して、希望通りの大学に進むことができた。

大学では、勉強は及第点ギリギリだったが、楽器漬けの毎日はとても充実していた。器用では無かったけど、続けてきた音楽の勘は役に立つこともあり、部活でも大会で成績を残すことができ、それまでの人生で一番輝いて感じる時代だった。


不器用な社会人の仕事遍歴

学生時代は部活ばかりしてたので、社会人になるとまた労働に対して不器用な自分を痛感する時代になってしまった。

どうにか入れた最初の会社はホワイトではあったが、楽しく感じられなかった。東日本大震災をきっかけに、どうせ死ぬかもしれないなら好きな仕事に就きたいと、自分が欲しいような製品を作るメーカーに転職した。

製品づくりは楽しかったが、何年か経って、会社が求める行動と自分のなりたい成長が違ってきた気がしたので、次は技術力が身につきそうな会社に転職した。

3社目では、自分より10歳も若い中途の同期に、あっという間に評価の差をつけられてしまった。自分はとにかく仕事が遅い。というか、みんな何でそんな早いの?とすら思っていた。

どう頑張ったら早く仕事ができるようになるのか?
土日も返上して勉強するべきなのか?
悩みすぎて、体調を崩した。直接のパワハラではなく自分を責めて自滅した感じ。

そこから、もう自分に無理はさせたくないな、と思うようになった。


不器用な自分で生きていくことを受け入れた

30代後半に、あるメンターの方に仕事について相談に行った。

自分は仕事が遅くて悩んでる、と打ち明けたら、「仕事が遅いと何が悪いんですか?」と聞き返された。

自分の中の他人が「仕事は早い方が優秀だ」と叫んで自己否定してたけど、本音では「ゆっくりと味わって理解しながら進みたい」気持ちがあることに気がついた。

これまでも長く続けてきたものは、ゆっくり味わったからこそ実を結んできたから、これからも早くなくても不器用なままでもいいんだと、認められるようになった。

その後、会社員プログラマーは一旦辞めて、プログラミングを楽しめそうな学校で学び直し、フリーランスエンジニアとして働き始めた。


みんながそうしてるから自分もそうする、ができなくてもいい

そこからは、みんなができてることを追っかけて学ぶよりも、自分がこれなら続けていけると思えることを選んで学ぶようになった。自分にはこちらの方が向いていて気持ちよく頑張れる。

幼少の自分のように、人間関係に不器用な人の中には他の人とは違う自分だけの楽しみを持ってる人もいるんじゃないか、と思い、他の人の話を聞くことも楽しくなり、ライフワークにしたいと思うようになった。
結果的に聞き屋の仕事を始めるきっかけになった。


不器用な自分はなんでもすぐにはできないけど、
苦しまずに続けられることは力になっているから、
これまでやれてきたことを他者に還元して生きていく。

そんな気持ちで、プログラミングと聞き屋と音楽を続けてる。


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