5年間パーソナルトレーナーをしてきて『今』感じていること
公務員からパーソナルトレーナーに転職して5年。
無我夢中で働いてきた5年間でしたが、今感じていることをざっくばらんにお話ししていきます。
僕の場合は未経験からパーソナルトレーナーになったので、同じように未経験だけどパーソナルトレーナーになりたい!という人は、この記事を読むと将来をイメージできるんじゃないかなと思います。
振り返ってみると5年は早かったなーと思いますが、率直に感じていることはパーソナルトレーナーに転職して本当に良かったということです。
とはいえ今日に至るまで色々と経験してきたので、良かったこと、悪かったことをまとめてみました。
まずは良かったことから。
良かったこと
①付き合う人間の層が変わった
②心と体の仕組みに詳しくなった
③マネジメントを経験できた
④自分の得意なスタイルが知れた
⑤コミュニケーション能力が上がった
⑥相性が合う人が分かった
それぞれ解説していきます。
①付き合う人間の層が変わった
これは個人的に一番大きかったです。
パーソナルトレーニングを受けに来る顧客層っていうのは、経営者や医師、クリエイティブな仕事をしている方など、所得が高くて社会的にも立場がある人が多いです。
シンプルに料金が高いですからね。
そういうお客様とセッションする中で実際にお話しすることで、自分自身の視野が広がったと思います。
人間は環境に大きく影響を受ける生き物だと思うので、普段どういう人と接するかというのはとても大事ですよね。
僕は元々、成長したい、学びたい、ステップアップしていきたいというのが強めな人間だったので、自分を伸ばすための環境としてはめちゃくちゃ良かったなーと思っています。
②心と体の仕組みに詳しくなった
パーソナルトレーナーをするうえで、まず自分を良い状態に保つというのは一番大事です。
お客様との距離感がかなり近い仕事なので、自分の心身の状態というのは良くも悪くも伝わっちゃうんですよね。
なので、お客様を整えるためにも知識・スキルは必要ですが、そもそも自分を整えるためにも必要ということですね。
それが結果的にお客様のためにもなるということです。
しかも、これってパーソナルトレーナーを辞めたとしても使える能力ですよね。
何をするにしても自分が整っているというのは大事なことですから。
あとは家族を整えられるのも大きいなーと思います。
僕の妻はパソコン作業なんかもするので、肩こりや腰痛があったりするんですが、辛いときは僕がパっと調整して症状を軽くしたりもできます。
だいぶ喜ばれるので、調整している時間は夫婦としてもとても良い時間になっています。
③マネジメントを経験できた
パーソナルトレーナーになって3年目から店長を任せてもらい、マネジメントを経験できたのも本当に良かったです。
結果的には、自分で店長に向いているとは思わなかったし、マネジメントをこれからどんどんやっていきたいとは感じなかったんですが、それが分かったこと自体が貴重な経験だったと思います。
この経験がなければ、もっと出世したい!とか経営者になりたい!とか今も夢見てたかもしれないので。
自分としてはこれからフリーランスで個人として生きる道に進んでいくことを決めまして、店長も辞める予定になっているんですが、今後の方向性が明確に決まったのも、この経験のおかげです。
④自分の得意なスタイルが知れた
僕の場合はパーソナルトレーナーの中でも、かなりのコミュニケーション特化型で、集中の度合い、深さが他のトレーナーより深めなので、1セッションあたりの精神的なエネルギーの消費量が大きいです。
そうなると、1日にできるセッション数も限られてきます。
一時期は10セッションぐらいやってた時期もあったんですが、めちゃくちゃ消耗してましたし、そうなるとセッションのクオリティも落ちちゃうんですよね。
その時は精神的にも肉体的にも毎日ギリギリでした。
トレーナーごとにスタイルや個人の特性があるので、みんながそうだとは思わないですが、僕の場合は1日3セッションぐらいまでがベストパフォーマンスを保てるラインかなーと感じています。
それ以上になると毎日だと消耗してきますね。
パーソナルトレーナーとしては少ない方だと思います。
なので、僕としてはこれからはどんどんセッション数を増やしていくというよりは、単価を上げてセッション数を減らしていきたいと考えています。
⑤コミュニケーション能力が上がった
5年もやっていると、5000セッション以上やってきているので、コミュニケーション能力は嫌でも上がりますよね。
1対1のコミュニケーションをする能力は飛躍的に上がりました。
一人の人と深い人間関係を作ることがとっても得意になりましたねー。
もちろん、試行錯誤や失敗をたくさん重ねた結果なので、右肩上がりに能力が伸びたわけではないですが。
⑥相性が合う人が分かった
僕が相性が合うと感じるのは、感覚が敏感な人で、細かいところまでこだわるタイプの人は合うなーと感じます。
僕自身がミリ単位までトレーニングフォームの修正をするぐらい、細かいところにこだわりがあるタイプなので、その違いが分かる人だとテンションが上がっちゃいます。
あとは、僕自身がコミュニケーション特化型なので、それを楽しめたり、人間関係を深めていく過程に喜びを感じる人は自然と体作りも結果が出るなーという印象があります。
そういう人とのセッションは、セッションをすることで疲れるどころかむしろ元気になっちゃうぐらいの感覚なので、そういう人とのセッションをこれからどんどん増やしていけたら幸せですね。
次に悪かったことです。
基本的には良かったことが強すぎて、悪かったことはあまり思い浮かばなかったんですが、絞り出してみました。
悪かったこと
①4年間の長時間通勤
②頑張りすぎて消耗した
③家族との時間を犠牲にした
④一時的に収入が減った
こちらも解説していきまーす。
①4年間の長時間通勤
転職してから丸4年間、車で片道2時間弱の通勤をしていました。
これは、転職するための条件として、転職に反対だった妻から「通うんだったら許す」と言われたからですね。
当時は辛いとか、きついとか感じてなかったんですが、恐らく精神を保つために『感じないようにしていた』の方が正しいですね。
今振り返ってみたらストレスMAXだったなーと思います。
当たり前ですが結構大変でした。
例えば朝9時からセッションする場合は、8時半に出勤しないといけないので6時半には家を出ないといけないわけです。
もし、仕事が21時まであったら、家に着くのは深夜0時とかになっちゃいます。
そうなると寝るのは2時ぐらいですかね。
もしまた次の日朝一からセッションが入っていたら、寝る時間はほとんどないですよね。
ストレスが溜まりすぎて、帰宅途中に寄ったコンビニで菓子パンやらお菓子やらを大量に買って、爆食いしたりしちゃってました。
今思えば、そうやってストレス解消してたんだなーと思います。
恐ろしいですね。
体を壊さなくて本当に良かったです。
ただ、そんな思いをしてでもパーソナルトレーナーをしたかったんですね。
②頑張りすぎて消耗した
これも①に似てるんですが、特に3年目に店長になってから頑張りすぎて消耗しちゃったっていうのがあります。
ポジション的にも責任のある立場を任せてもらい、人の上に立つというのは人生の中でも初めての経験でした。
職場自体はスタッフが5人ほどなので小さい職場ですが、その中でも20代から40代まで色んなキャラクターの人がいて、職場を良くするためにと思い、自分の能力以上に頑張っちゃいました。
毎月全員と個別ミーティングしたり、新規事業を立ち上げたり、経営者の交流会に参加したり。
元々の自分なら苦手でやりたくないと感じるようなことばかりです。
今考えてみれば、自分が苦手なことじゃなくて自分が得意なことを活かして貢献できることに取り組んでいれば良かったな~と思うんですが、当時の僕は必死だったので、ひたすら一生懸命頑張っていました。
苦手なことに取り組むことが良いことだ、成長するためには必要なんだと思い込んでました。
本来の自分じゃない自分になろうとしてたんですね。
でも、こういう働き方はどんどん辛くなってきちゃいます。
最終的にはマネジメントは向いてないんだなーと感じて、店長は辞めさせてもらうことになりました。
③家族との時間を犠牲にした
パーソナルトレーナーとして、セッション数が増えてきて、更に店長もやり、通勤も長時間ということで家族との時間は犠牲になりました。
この5年間、時間もエネルギーもほとんどを仕事に傾けていました。
自分が本当にやりたい仕事だったし、それだけ注ぎ込んだからこそ得られたものもあるので後悔はしていないですが、これからは家族との時間も増やしていきたいと思っています。
働き方も4月には正社員からフリーランスに切り替わる予定です。
自分の人生における優先順位もここからは少し切り替えていこうとしています。
④一時的に収入が減った
公務員からパーソナルトレーナーに転職して1年目は、年収で100万円ぐらい下がりました。
2年目3年目と続けていく中でセッション数が増えてくると、収入も上がってきて、大体公務員の頃と同じぐらいにはなりました。
そういう意味では、自分の頑張り次第で収入は増やしていける仕事ですね。
ただ、パーソナルトレーナーというのは時間を切り売りする仕事なので、絶対に売上の上限は決まってきます。
セッション数を増やすのは限度がありますからね。
特に会社員として働くとなると、どれだけ頑張っても収入の上限は決まってくるし、僕自身は自分が望むような収入を得ることは構造的に難しいと感じました。
そのため、会社員からフリーランスに働き方を変える決断をしたというのもあります。
こんな感じで良かったこと悪かったこと色々ありましたが、トータルで考えるとパーソナルトレーナーになって本当に良かったと感じています。
パーソナルトレーナーになっていなかったら今の考え方にはなっていないし、これからやろうとしていることは、絶対にやろうとしていなかったと思うので。
今まで集中して取り組んで本当に良かったと思える仕事なので、これからパーソナルトレーナーになりたいという人がいるなら「絶対にやった方がいい!」と胸を張って言えます。
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