新劇で演劇をやるということ
「演劇」というと、今やイメージするのは、大人計画や劇団☆新感線、などいわゆる小劇団系といわれる劇団だと思うが、今回、僕が見たのは、小劇団系劇団が勃興する前の時代、いわゆる「新劇」と呼ばれた劇団の公演。
新劇というのは、新派というお芝居からさらに分派、発展した劇団で、東京では俳優座や民藝、文学座などが有名だが、関西では、今回記述する関西芸術座をはじめ、劇団京芸、などがある。
演劇がやりたいと声があげる人のほとんどはきっと、自由な表現を求めて小劇団に流れがちだと思うんだけど、「新劇」も実は自由な表現ができるんだということを改めて感じた。
関西芸術座No253公演「大阪城の虎」がそれである。
物語は、太閤秀吉が朝鮮出兵をした際に加藤清正が「虎」を連れて帰り、その虎の餌にされる運命の犬たちが果敢に戦うという民話を基にした話で、今回は実に12年ぶりの7度目の上演だったそうだ。
公演自体は、新劇らしいしっかりとした演技だけでなく、女性和太鼓ユニットびんかとのコラボだったり、アクションダンスがあったりとかなり自由度の高い作品だった。もちろん関西の劇団だけにくすぐり(小ボケ)もちゃんとあったし、何より若手中心のお芝居だったのが良かった。新劇というと年配層が多いイメージだが、若い世代も育って来ていることに嬉しさを感じた。
これから演劇をやる人、今まさにやっている人は、小劇団もいいけど、一度は新劇の門を叩いて見てもいいんじゃないだろうか。演技の基礎はもちろん、新劇は老舗劇団が多いので、放送局とのパイプもあったりして、映像の仕事も入りやすいから、役者の仕事がしやすいと思うし、本気でやりたい人はぜひ、「新劇」へ。
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