壮大なるワンパターン…五木歌唱。「夜明けのブルース」②
合町内会文化祭のカラオケ部門に出演し、五木ひろしさんの「夜明けのブルース」を披露することに決めた。5年前の秋だ。
歌えるかしら。
この曲に出会ったのは7年前だ。車を運転中、たまたまラジオから流れてきた。
すぐにピンときて、やがてグッときた。
♫♫…このグラス飲み干せば帰ると…♫♫
五木さんには珍しく、ポップな曲である。ご当地ソングで、展開されているのは演歌空間なのだが、ノリの良さが垢ぬけておしゃれだ。
調べてみると、作詞・作曲はレーモンド松屋さん。(9年前の発表)
「ポップス演歌」作りの名人だと分かった。
自分で歌うのは難しそうだったので、いったん机の引き出しの奥にしまった。
でも今回、思い切って引き出しから出してみた。
よし。頑張ってみよう。
ユーチューブから、音をUSBに移し、まずはひたすらマネに徹した。
レーモンドさんによる「夜明けのブルースを歌うポイント」という番組をユーチューブ上にみつけた。「抑えるところ」「シャウトのところ」のメリハリをつけようという趣旨だった。貴重な教えである。
あらゆる歌唱の基本につながるよね。
USBの音に従って、声出しを繰り返した。40回、50回…。
うまい・下手はさておき(資質もある)、声が出ているかどうかには、事前の練習量が映し出される、と思う。
練習量の豊富さで、客席に歌い手の誠実さが伝わる。その本気度。「よくけいこしてきたね」の拍手。
それが何より嬉しい。
練習が50回を超えたあたりで、歌が少しは自分の血肉に変わり始めた気がした。
そうだここまでくれば、あとは口から出任せで良い。
歌が「主」で、自分は「従」。そんな構図。
人はときに歌の奴隷である。
歌に引っ張られてゆこう。
よーし。
本番が来た。
(続く)