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#4 適応障害の療養期間をインタビュー形式で振り返る :フリースペース(居場所の力)

春先に体調を崩し、しばし会社をお休みすることに。医学的な病名は適応障害とのこと。療養期間を経ること4か月。人生の過渡期であったそんな期間をインタビュー形式で振り返りたいと思います。
それぞれの気づきにわけて。

(#3の続き)

ー屋久島以外に[どこかに行かれたりはしたのですか?
そうですね。地元への帰省や屋久島への旅とはまた違った「場所」として、思い当たるのは、昔、顔を出していたフリースペースですかねー。

ーフリースペース?どんな場所です?もう少し詳しく教えてもらえますか?
はい。学校の中に自分の居場所を見出せない子どもや若者たちのスペースを提供しているNPO法人です。ただその場所はいつ来てもいつ帰ってもいいし、何かプログラムを押し付けるわけではなく、ほんとに「居場所」として存在しているところです。どのように過ごすのかも自分で決めて。

学生時代にボランティアとして関わっていたんですよね。そこからずっと縁のある場所で・・。と言っても、社会人になってからは、数えるくらいしか行けていなかったんですが。

ー学生時代から関わられていたんですね。
そうなんです。その時していたバイトの関係で、そこのスタッフさんと出会ったんですよ。そこで見学に誘われて行ったのが初めてです。

ー初めて行ってみたときはどうでしたか?
その場所の在り方に圧倒されたというか。俗にいう不登校の子たちがいるんですけど、明らかに昔の自分より「生きる力」があるなと思ったんです。
なんだか自分は学校教育で言われたことしかやってこなかったなと。「自分、なにしていたんだろう・・」って。

ー学生時代からというともう20年ぐらい経つわけですよね?なぜまた行こうかなと思ったんですか?なかなか抵抗がありますよね?久しぶりに行くことって。
そうなんですよね、もう20年経つんです。当時、一緒にボランティアをやっていた友達もみんな親になっていたりで笑 でも不思議と関係は変わらない感じなんですよ。あの時のまま、というか。

と言っても、久しぶりに行くのは緊張しましたよ。どんな顔していこうかなって笑 でも、なんか自分を取り戻すのに必要な気がしたんですよね。なぜか。ふと思い立って行った感じですね。

ー行ってみてどうでしたか?
20年も経つから、覚えてくれていないだろうなと思っていたんですが、当時のスタッフの人もいて、久しぶりの感じがしないぐらいに普通に話しができました。うれしかったですね。

ー何か話したんですか?スタッフの方とは。
そうですね。久しぶりにあったスタッフの人とは自分の近況について話したのですが、「まだここに来ようと思っているうちにお休みしてよかったね」と。「休んだ自分を責める気持ちもあるかもしれないけど、まだそう思えているうちに休むことが大事なんだから」と言ってくれました。
そのスタッフの人は臨床心理士の資格を持っているってところもあるんですが、そんなことより、そのフリースペースで同じ時間をわかちあったからこそ染みる感じはありましたね。

ーその1日はどんな風にすごしましたか?
あとはみんなの昼ご飯を作ったり、畑仕事を手伝ったりと。ほんとに自分がしたいようにフリースペースの日常の一部に身を置いていた感じです。

ーなんだかホッとしますね。
はい。役割とかそんものがなくても自分自身でいられる感じがあるから、何年経っても「大切な場所」として自分の中に残っているんだなって。
頑張らなくてもそこにいていい感覚の中で、自分自身を改めて感じることができました。病気だからって、変に特別扱いされるようなこともないですしね。

ーだから「フリースクール」でなくて、「フリースペース」なんですか?
いや、どうなんでしょ笑 ただ子どもだけじゃなくて、関わっているみんなにとって大切な場所なんだなって思いました。
そして、そういう場所が自分にはあるんだよって、自分自身に言ってあげたくなりましたね。

―なんだか地元に帰省した時に友達と呑んだことと共通してるかもしれませんね。
確かにそうですね。自分自身がもっと肩の力を抜いて、周りを眺めてみれば大切な場所はいっぱいあるかもしれませんね。なんか仕事みたいに頑張って築き上げてきたものだけじゃなくて。

ー改めて振り返ってみると、どんな体験でしたか?
久しぶりに行ったフリースペースではあの頃と変わらない風景がそこにあって、そして、向か入れてくれて。
なんだか仕事でがむしゃらになっていた分、どこか無意識に「頑張らないと自分の居場所がない」ような悲観的になっていたんですよね。
もちろん「居場所」って作るものでもあるとは思うんですけど、何気なくできているものなのかもなって。役割とか計画とかから外れたところにあるから気づきにくかったりするんでしょうけど。

時々、肩の力を抜いてみて関わっていた場所を振り返ると、自分の居場所はもう既にあるって気づけるのかもと。そう思いました。

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