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自選10短歌集 2022

今年初めて、自選10短歌集 2022に参加させて頂きました!

2022年の9月から短歌を始めたので、選ぶほどあるかな.......と不安だったのですが、100首以上詠んでいて自分でも驚きでした。

今回の選考基準は「感覚的に好きな短歌」です。
日常の短歌はほとんど詠んでいなかったので、全てアイドル短歌になりました。
自分で振り返る意味も兼ねて、今回選んだ10首の解説をしていきたいと思います。

美しく舞い咲き誇るキミのこと神が見つけてしまわぬように

アイドル短歌25のお題 「神様」より

以前ブログでも書いたのですが、私の中では「アイドル=かみさま」というより、「アイドル=神に愛された人」という考えが強いです。天は二物を与えずならぬ、二物も三物も与えられたトクベツな人、という認識。

特に踊りは比較的信仰や神という存在と関わりのあるジャンルだと思っています。だからこそ、神様が見つけてしまうまで出来るだけ長く、俗世で私たちに応援させてくれないか、という気持ちで詠みました。
ちなみに気づいてくださった方がいたのですが、イメージはSnow Manの佐久間大介さんです。彼の踊りを見たことのある方はわかると思うのですが、“舞う”と表現したくなるような踊り方をします。気持ちとしてはほぼ百人一首の「天つ風〜」と同じですね。

舞台上目を奪うならお手の物 心も奪うから覚悟して

佐久間大介入所17周年より

これも佐久間さんですね笑
「他担狩り」と称されることの多い佐久間さん。渡辺担を自負している私でも、MVやコンサート映像などで気づいたら佐久間さんを目で追っていることがあります。

これは個人的な意見なのですが、あの視線の惹き付けはそもそものダンスのクオリティはもちろん、本人からの「俺を見ろ!!!!!」という気概も大きな要因だと思います。
表情管理や指先まで神経を行き渡らせている踊り方にプラスしたこの「何か」が私はとても好きで、視線を奪われているのですが、きっと舞台やステージ上に立つ佐久間さんを見て沼落ちした人は多いんだろうな、と感じています。

誰よりも自由を愛する金魚は小さな鉢でたおやかに舞う

大野智入所28周年より

嵐の大野さんは、私の人生初の推しです。
今はグループ自体活動休止中ですし、本人は完全に表から姿を消していますが、今もなお大好きな人です。

私は常々、大野智という人間は芸能界に向いていない人間だな、と感じていました。
人前に出るのが苦手で、注目されるのも苦手で、柔和そうに見えて自分の譲れない意見は頑として変えない頑固さがあって、縛られることが嫌いで。それでいてダンスも歌も演技も誰もが認めるほどの実力があるのに人から愛されずにはいられない人。

ジャニーズを辞めることに何の未練もなかったのに、半ばジャニーさんに騙されるような形でデビューをした彼が、20年以上も「嵐」としてグループ活動をしてくれたのは、メンバーが他でもないあの4人だったこと、何より大野さん本人が「まだ続けたい」と思えるような20年だったのかな、と勝手に思っています。
彼はまだジャニーズ事務所に所属しているタレントですが、近い将来、たとえどんな選択だったとしても、しがないファンの一人として受け止められたらいいですね。

貴方との絆を繋ぐパドロック光る手首に口付けひとつ

Snow Man Tiffanyブランドアンバサダー就任 より

まさか天下のTiffanyさんのブランドアンバサダーにSnow Manが就任するとは。
とても驚きましたが、全員が最高にカッコよく、ラグジュアリーに負けない輝きを放っていて、とても誇らしい気持ちになったことを覚えています。
「パドロック」は南京錠のことで、Snow Manがアンバサダーとなった際に身に付けていた新作シリーズです。
「人との絆を繋ぐ」という意味が込められたこのジュエリーに、なんとなくSnow Manとの親和性を感じました。

また、手首へのキスは「欲望」の表れ。
絆という目に見えないものを確かめたくて、手錠の如きバングルをして欲深く生きる、哀れで正直でいとおしい人間の性のようなものが表現したかったんです。

天翔ける魂だけが赦された青き炎は愛をも灼いて

渡辺翔太誕生日 より

自担である渡辺さんの誕生日に詠んだ連作のひとつです。歌の中に名前の感じを一文字ずつ入れていたのですが、今回選んだものには「翔」が入っています。

渡辺さんのメンバーカラーが青なので、その要素を入れたいと思って「青い炎」を組み込みました。ご存知の通り、炎は赤よりも青の方が温度が高く、完全燃焼をしています。
私は彼が歌を武器にしていること、Snow Manメインボーカルと言われたいと思っていること、苦しい思いをしたこともあったけれどなおその夢を持ち続けていることしか知りません。
でも、ライブ映像で激しいダンスの中で歌っている姿を見た時、バラードで全ての感情を乗せた歌声を聞いた時、「あぁ、魂が燃えてる」って思ったんです。

命が燃えているのではなく、魂が燃えていると思いました。
バラエティは好きなのに注目されると照れてしまって、メンバーや後輩からのストレートな好意には少しツンデレで、そんな渡辺さんが照れも誤魔化しもせずにその身ひとつで歌う姿が一番好きです。
その歌声が、魂の一部として私たちの元に届いているのではないかな、というイメージを込めました。

「僕」という唯一無二のブランドにブリリアントは夜を知らない

ラウール 日本ジュエリーベストドレッサー賞 より

ラウールさんが10代部門でベストドレッサー賞を受賞した、というニュースが報じられた時に詠んだものです。
受賞式の時にも思ったのですが、ラウールさんは瞳に輝いているハイライトが常人よりひとつ多いですよね。オタク垢ではよく「ラウール、お前が宝石だよ」と呟いています笑

ラウールさんはその類まれなるスタイルと顔立ちはもちろんですが、本人の輝こうという意識もまた一流だと思っています。
パリコレでの服装でも思いましたが、何を着ても似合ってしまう、着こなしてしまうのは一種の「ラウールというブランド」ということになるのでは、という気持ちを込めました。

また、ブリリアントというのはダイヤモンドの理想のカット方法です。
ダイヤモンドがあれほど輝くのは、カットによって光の全反射が起こり、ダイヤ自体が光を放っているように見えるからです。
きっと身に付ける人があれだけ輝いていたら、光の少ない夜でさえ昼と変わることなく煌めいて見えるのだろうなというイメージです。

優しくて強いあの子の沈黙を正しさとする(正義ではない)

吐露 より

これは、ほんとにどうでもいいくだらない噂があほみたいに出回った時に詠んだ短歌です(口が悪い)
アイドルをしている以上、根も葉もない噂は付き物ですし、それを好む物好きがいることも分かります。ただ、彼らも私たちと同じ人間であり、「有名税」なんて無いことを覚えておきたい。

私が応援していた“彼”は自らその噂をバッサリと切り捨てる強さを持っていましたが、一方で一切触れずそれまで通りアイドルとして笑顔を見せることも、また強さだと思います。

見ず知らずの人に、ありもしない事実を吹聴される怖さを私は知りません。デジタルが発達した現代社会で、SNSやネットでどんなことを言われているのかを想像して、それでもアイドルとして画面の向こう側に立ち続けるのは、彼らが優しく強いからで、それはきっと正しくて、でも正義と定義したくないんです。

彼らに何かあった時、誰かの言葉による噂ではなく、彼らの今までの行動を見て判断できるオタクでありたいというエゴでした。

掬い上げ水の滴る両手から零れ落ちない宝物たち

阿部亮平誕生日 より

こちらはSnow Manの阿部ちゃんが誕生日の時に詠んだ短歌のひとつです。
渡辺さんの時と同様に名前を1文字ずつ使った4首の連作だったのですが、「亮」を使いこなせずに「りょう」という音だけ組み込みました。

阿部さんって、角度によっては一番リアリストなんじゃないかなと思っています。
いつもYouTubeやバラエティー番組で、自分の持っている優しさをすべて他人に向けてしまう(ように見える)阿部さんですが、ある意味物事を見極める強さがある気がしています。
一つ例を挙げるなら、デビュー直後に配信したyoutubeでの9時間生配信で、お百度参りをしたときにボソッと「ぜってぇ売れてやる」と呟いたことでしょうか。まだ“頭のいい好青年”というイメージしかなかった私にとって、かなりの衝撃でした。

「宝物たち」はもちろんグループとメンバーのこと、「滴った水」は諦めざるをえなかった様々なことやものをイメージしました。
本人が言っているわけではないので、完全に妄想と言っていい想像なのですが、クイズ番組などでの活動やインテリキャラの確立には、想像以上の努力や取捨選択をしてきたのかな、と感じたりもします。Snow Manの中で最もジュニア歴が長かった阿部さんが、同期の深澤さんと大事にしてきたこのグループをすごく大事にしている様子が垣間見えると、本当に泣きそうになる厄介なイタクをしています。

焦点が僕に合ったら君の負け唇触れてどう生かそうか

CDTVライブ!ライブ! 深澤辰哉より

これは2022年12月19日に放送されたCDTVライブ!ライブ!クリスマス4時間スペシャルでの「JUICY」披露時の深澤さんを詠んだものです。
”太陽浴び Go around 街中が Focus Juicy Juicy Yeah (Juicy Sweetie yeah)”で深澤さんのパートの時に、偶然カメラのピントが恋に落ちるみたいに合った瞬間があったのですが、そのシーンは表垢・短歌垢ともに担当関係なく皆さんが悶えていたことを覚えています(笑)
しかもその時の深澤さん、”Sweetie yeah”の時に唇をぬぐう仕草をするんですよね、ほんとに参りました。

Snow Manの中で推しは誰か、と言われれば渡辺翔太さんなんですけど、パフォーマンスやDance Practice動画をボーっと見ていると、どうしても深澤さんを目で追ってしまいます。多分純粋に踊り方が好きなんだろうな。
深澤さんって、いわさくラウみたいに圧倒的なパフォーマンスで魅せるというよりも、そういう刹那の目線ひとつ、指先ひとつで虜にしてしまう「何か」があって、いい意味ですごく怖いなと思ってしまいます。本当に末恐ろしい。

余談ですが、嵐を応援していたときにも似たような現象があったことを思い出しました。私は大野担でしたが、二宮さんの踊りとパフォーマンスが好きで、二周目は絶対に二宮さんを見ていました。
オタクの性は変わらない。

もう一度ここに戻ると誓う指なぞる三角またきて四角

アイドル短歌25のお題 「さようなら」より

こちらもアイドル短歌25のお題で詠んだ歌です。
記事の方でも書いたのですが、「さよなら三角またきて四角」をどうにかして応用したくて詠んだ、という背景があります。
10首目にこの歌を選んだのは、順番として最後に相応しい歌は「別れ・決別」の歌がいいなと思ったからなのですが、案外そういったテーマで詠んだことが無かったので、すんなり決まりました。

コンサートでアイドルが会場いっぱいのファンに向けて大きく腕を振りながら「また会おうね!」と叫ぶ様子が思い浮かんでもらえたら私の勝ちです笑
なんとなく嵐の櫻井翔くんのイメージです。
翔くんはいつもアリーナだけではなくスタンドの後ろの方まで気を配ってくれるので、誰よりも大きく手を振って声を出してさよならを告げてくれます。
また、嵐自身で作詞作曲した曲「エナジーソング」で「一番になって必ず戻るから ここ、この場所に」というフレーズがあって、そのイメージも強かったかもしれません。

アイドルから「さようなら」を告げられる時は、コンサートの最後の挨拶かアイドルを辞める時の2択くらいだと思っている私なのでお題に反してかなり明るい歌となりました。

以上で10首の解説(あとがき?)が終わりました!
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今年も多くの短歌に触れながら、自分でも生み出していけたらいいと思います。

わらびもち

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