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祖母の送り迎え

高校生の頃ピアノの先生になるという目標ができ、そこからは学校が終わると二人のピアノの先生、そしてソルフェージュの先生にとレッスンレッスンの日々に。ソルフェージュの先生の家は高校から近かった為自転車で行けたが、二人のピアノの先生の家に行くには車で送迎してもらわなければならず、両親は日々の仕事で忙しく(音楽の道はお金が掛かるのでものすごく頑張ってくれていた)必然的に送り迎えは祖母の役目に。
週に2日、家事だって色々とあるのに私の時間に合わせ都合をつけ迎えに来てレッスンに送ってくれた。
今考えてみればただただありがたいし、祖母の送り迎えが無ければ今のこの「ピアノの先生」という立場にはなれていなかったはずです。
なのに、その当時の私は「ありがとう」というお礼の言葉など伝えることもせず(やってもらって当然、というかそもそも何も考えていなかった)、そればかりか「おばあちゃんの運転する車に乗るのは恥ずかしい」などと思い、助手席には座らず後ろの席に座っていたのです。
思い出して、もうどうしようもなく腹が立っています。前の記事でも書きましたが、タイムスリップできるなら当時の私をぶん殴って説教したい。

いつだったか生徒が「今日のお迎え、ママじゃなくてバァバだー、やだー」と言ってるのを聞き、自分の過去を思い出し「そんなこと言わないで、ありがとうって思わなきゃね」と言ってはみましたが、お前がどの口で言ってるんだって話だし、そもそもその生徒は小学生低学年でしたからまだ「幼い子供の言うこと」で済まされますが、私なんて高校ですよ。高校生という成人にかなり近づいている年齢でその思考。救いようがないどころじゃないです。

おばあちゃん、今さらだけど送り迎えをたくさんたくさんありがとう。
おばあちゃんのお陰で今の私があります。
嫌な態度をして本当にごめんなさい。

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