雨が止み 花の都に 傘が咲く

東京ヤクルトスワローズ、ついに連敗脱出。
12連敗の雨が止んだのは北広島の地だった。

全て3点差以内での敗戦だった。それだけ弱すぎはしないとポジティブに捉えるべきか、それだけあと一歩追い付けないと捉えるべきか。
恐らく後者だろうが今日は違った。
5-0。きちんと打ってきちんと抑え、見事に投打が噛み合った上での勝利。
長い長いトンネルの出口は快晴の冷えた夜空だった。

苦しい戦いも多かった。
追い付けない。追い付いても追い越せない。それどころか追い越される。
ボタンのかけ違いがずうっと続き、あと一歩及ばない――そんな展開をどれだけ見届けただろうか。

あれだけ開けているはずの神宮の空が狭く思えた。
降りしきる雨で心身以上のものが冷えた。

だがようやく、晴れ晴れした顔で神宮の杜に帰れそうだ。

雨が止んで傘が開くとは、傍から見れば奇怪な文章かもしれない。
でもスワローズファンにとってはこれ以上ない一言だろう。
もっとも特に北海道で、その傘の下にも雨粒があったようだが。

さて一方で現実の関東では明日、大雨が予想されている。
明日の青山では大きな傘が開くだろうが、明後日は小さな傘が所狭しと開く――そう信じるほかなかった。いいや、久々にそう、心の底から信じられた。

この記事が参加している募集

#野球が好き

11,352件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?