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2019.8.29「自分拡大中!+原画展のお知らせ」

「福井で小さな本屋はじめました。~JR福井駅前に小さな新刊書店「わおん書房」ができるまでとそれからの記録~」

こんにちは、わおん書房です。

わおん書房もオープン4ヶ月を過ぎ、ようやく店主も本屋の日々に慣れ…
と言いたいところですが、現実は、いまだバタバタ右往左往の每日!
自分のキャパの小ささを嘆く日々が続いています。

そんな今の私の心の拠り所は、安田登さんの著書。

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こちらはInstagramやFacebookでも紹介させていただいたのですが、古典の常識を覆す目からウロコの2冊!

古典は、長い時を経るうちに様々に解釈され、本来の意味と違った理解がなされている場合があるそうです。安田さんは古典をその時代の漢字に直して読むことで、古典そのものに向き合うことを試みられています。
そうすると、本来と意味が全く変わっているものがあることに気づかれます。その最たるものが

「四十にして惑わず」。

『三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る。』 このフレーズは耳にされたことがある方も多いでしょう。
四十歳で迷いがないなんて、四十歳をはるかに超えてしまった今の私は「迷いだらけでごめんなさい(T_T)。」と言った気持ちです。

安田さんによれば「惑」という漢字は孔子の時代にはなく、その時代に存在した文字に当てはめると「或」だった可能性があるとのこと。
「或」という文字はもともと「区切る」という意味。となると、これは「四十にして惑わず」ではなく、「四十にして区切らず」という意味と考えることができるわけです。

「四十歳くらいになると、どうも人は自分を区切りがちになる、自分を限定しがちになる。自分ができるのはせいぜいこのあたりまでた。自分の専門外のことはできない。そんな具合にです。それではいけないというのが、「四十にして区切らず」だと思います。そして、様々なことにチャレンジする。その結果として訪れるのが、「五十にして天命を知る」なのです。」

「孔子の時代の「天命」とは、「自分が生まれつき持った刻印」を意味しました。現代風に言えば「本当の自分」です。自分の本当の刻印は自分ではなかなかわからない。それを知るには、それまで自分が手を出さなかったことをあえてやってみることが必要だ。年齢を重ねて固まりだした自分というものを、あえて壊してみる。それが「四十にして区切らず」なのです。」
                 安田登『役に立つ古典』(NHK出版)

おお!なんと勇気づけられる言葉でしょう!!
四十歳で落ち着いている場合ではないのです。自分の枠を限定することなく挑戦し続けることで、ようやく 「本当の自分」に出会えるのです。
まあ、私の場合は、もう「本当の自分」に出会っていなくてはならないのですが(汗)、そこは拡大解釈。既存の枠を破壊し、自分を拡大中。
さあ、どこまで拡大できるか挑戦です!

最後にお知らせです。
9月12日(木)~9月23日(月)に原画展を開催します。

『ことばの生まれる景色』nakaban原画展 絵と文で本を旅する四十景  〜福井編〜

展示と合わせて関連書籍の販売も行います。それからnakabanさんデザイン「わおん書房」オリジナルスタンプによる特製しおりのプレゼントもあります。わおん書房では12点の原画を展示。写真はミヒャエル・エンデ「モモ」。こちらも展示されますのでお楽しみに!
是非、この機会に会場にお越しください。

《イベント情報》

「本屋『Title』店主・辻山良雄が、一冊の本とそれを端的に表していると思った一節を選び、画家のnakabanがそこからイメージを膨らませた絵を描く。」
2017年1月から東京・荻窪の本屋「Title」で行われた3回の展示をベースに、書籍のための新たな書き下ろしを加えた40の絵と文からなる『ことばの生まれる景色』(文・辻山良雄、絵・nakaban)が、ナナロク社より刊行されました。絵と文で、本を自由に旅する展示、ぜひ原画の迫力をお楽しみください*原画展ご来場のかたに、「ことばの生まれる景色」オリジナルしおりをプレゼントします。
*この原画展は、1年をかけて全国の本屋さんを巡回します。

全国での原画展にあわせ、nakabanさんにそれぞれのお店や土地をイメージした絵を描いていただき、それをもとにスタンプを作りました。
会場には本書で紹介した「ことば」を印刷した、特製しおりとしおり紐をご用意しています。ぜひスタンプを押してお持ち帰りください。
「わおん書房」のオリジナルスタンプを設置して、お待ちしております!

【プロフィール】
辻山良雄(つじやま・よしお)
1972年兵庫県生まれ。書店「リブロ」勤務を経て、2016年1月、東京・荻窪に本屋とカフェとギャラリーの店「Title」をオープン。新聞や雑誌などでの書評、カフェや美術館のブックセレクションも手掛ける。著書に『本屋、はじめました』(苦楽堂)、『365日のほん』(河出書房新社)がある。
 http://www.title-books.com/

nakaban(なかばん)
1974年広島県生まれ。画家。旅と記憶を主題に絵を描く。絵画作品を中心に、イラストレーション、絵本、文書、映像作品を発表する。
新潮社『とんぼの本』や本書の著者・辻山良雄氏の本屋「Title」のロゴマークを制作。主な著書は書籍『窓から見える世界の風』(福島あずさ著/創元社)、絵本『よるのむこう』(白泉社)『ぼくとたいようのふね』(BL出版)など。
https://www.nakaban.com/


♪ 心機一転!2019.4.19に「わおん書房」がオープンするまでとその後の日々をつづった過去のブログをnoteに引っ越しました!!♫

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