【ぶんぶくちゃいな】今夏の香港について、18歳に尋ねてみた

10月23日、やっとのことで香港特別行政区政府は「逃亡犯条例」改定案の撤回を宣言した。市民にとっては6月9日に100万人が反対デモを行ってからなんと4カ月半もの抗議運動の結果である。だが、9月初めにすでに林鄭月娥行政長官が撤回を約束してから1ヶ月半、市民の抗議は続き、またそれに対する警察の武力行使は激しくなるばかりだ。

9月に入って特に目を引いたのが、新学期が始まった学生のうち、中高生が積極的に学内外での抗議活動を呼びかけたことだった。それは、ストライキに始まり、参加者が手をつないで並ぶ「人の鎖」活動…学生たちが自ら組織して自ら参加を呼びかけ、そしてその仲間たちが呼応する。「学生パワー」というものに、新学期になって人々は驚いた。

実際に10月9日に警察が発表した逮捕者の統計では、6月9日から10月7日までに逮捕された2360人のうち、約33%にあたる780人余りが学生であり、さらに16歳未満のローティーンが100人余り、全体の4.4%を占めていることが明らかになっている。特に10月4日の「覆面禁止法」公布直後の5日から7日までに行われたデモで逮捕されたうち、120人あまり(全体の約55%)が学生で、さらに20人余り(同約10%)がローティーンという統計もある。

まだ選挙権もない中高生がいかにこの運動にコミットしているのか。ちょうど知り合いの娘がフェイスブックでデモに参加している写真をあげていたので、それをきっかけに学生たちを取り巻く「デモ」ムードについて話を聞いてみた。彼女は「美美」ちゃん、18歳。香港島にあるキリスト教系の女子校に通っている。

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●18歳の夏、香港

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