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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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2019年3月の記事一覧

【読んでみましたアジア本】記憶と時代、そして多くの人々を紡いだのは一台の自転車だった:呉明益・著/天野健太郎・訳『自転車泥棒』

「どうせ盗まれるんだから、そんな高級なのを買う必要はないんだよ」

北京で暮らしていた頃、なんどかふと、「自転車欲しいな〜」と口に出したときに必ず誰かにこう言われた。自転車を持つ人で一度も盗まれたことのない人なんていないんだから…と、ちょっとカッコいい自転車に目移りしていたわたしの気持ちが見透かされていた。結局は一度も自分用の自転車を手に入れることはなかったのだけれど、そういえば自転車を足のように

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