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中途半端に生きる

"色々なジャンルや事柄にすぐに興味をしめし、挑戦する。"
一見して何も問題が無く、むしろ良い事の様に思える言葉ですが、実の所そうでもないことが多く、私自身これにかなり悩まされて生きてきました。
もちろん悪いことではないはずです。
そもそも物事に興味を持つ事自体簡単な事ではなく、加えて挑戦するとなればさらにハードルは上がります。
しかし、そのハードルを越えた先でこういった思考に陥ってしまった経験はありませんか?

既にそのジャンルで名を馳せている方達とどうしても比べてしまい、モチベーションを保てない。

また直ぐに違う物事に目線が行き、興味が移ってしまう。

そうして紆余曲折を経て"器用貧乏"や"中途半端"と言う単語に落ち着いてしまう。

それらの言葉はどうしても、肯定的なイメージを持たれる事は少ないと感じてしまいます。しかし、私はそういう生き方にも魅力があると思うのです。
もし同じような事に悩んでいる人がいたら、少しでも考え方の足しになればと私の考えを書いてみようと思いました。
(あくまで個人の考え方です。不快に感じてしまったらごめんなさい。)



中途半端だからこその創作力

物事への興味が移ろい、中途半端になってしまう事は決して悪いことではないと思います。
移り変わる分広いジャンルの知識があり、様々な事を経験しています。
例えば、1つの物事を極め、長けている人物がいたとしましょう。
あなたはその人の得意なジャンルを含めて、広く浅く10個のジャンルを持っているとします。

確かに前者はとても素晴らしい作品を作ることができるでしょう。
当然後者は、そのジャンル単体ではクオリティも造り込みも勝てないかも知れません。しかし、他のジャンルを混ぜて作った場合はどうでしょうか。
体験からくるリアリティや知識は何物にも変え難く、多種多様な経験がある後者はまた違ったアピールや視点で作品を作ることができるのではないでしょうか。多角的な視点で作られた作品は作り手の豊富な知識と経験が支えになって成り立っている物です。経験を積んでそれを活かして作られた作品は本当の意味でその人にしか作れない作品として深い味を出すのだと思います。

そもそも作品で競う、勝敗をつけると言う考えに縛られてしまっている場合もあります。
何を基準に作品の勝ち負けを決めるのかなんてそもそもが不明瞭です。だからこそ芸術を含むコンテストは審査員が大勢いて、さまざまな賞があるのだと思います。前述のシチュエーションにしたって、2つの作品を比べようがありません。それぞれに明確に違った魅力があるからです。
この魅力の違いはどのような作品にも現れます。
前提を覆してしまいますが
どちらが上でどちらが下なんて物は作品には存在しないのです。

作品とは作者がこれまで生きてきた人生その物である

あなたが作ってきたどの作品を上げても、全く同じ作品を作れる人はいません。
自分の方が上手くできると言う言葉を良く見かけますが、それは作品が世に出た後に難癖をつけられている事で、さらには作品の表面しか見ていない意見です。
その作品を最初に発想した時点で、あなたが今まで生きて感じてきた事や考えていた事、言わばあなたの積み上げた人生を元に発想された唯一無二の作品なのです。

もしかしたら、自分と他人の作品を比べてしまっていた私も、その作品の内面を見る事ができていなかったのかも知れません。比べることが悪い事ではありませんが、自分が生み出した作品をしっかり愛してどうして生まれたのかを理解できていなかったのかもしれません。

じゃあ作品ってなに?

そもそも作品とはなんでしょうか。あまりにも広義的で明確な基準がないので、定義するのはとても難しいです。
製作物。普通は、芸術活動によって作られた制作物。
調べてみるとこの様にでてきました。
芸術活動とは
作品の創作と鑑賞によって精神の充実体験を追求する文化活動
文学、音楽、造形美術、演劇、舞踊、映画などの総称。
これらのことを言うそうです。
安心しました。ここまで広ければ私が作っている作品も芸術活動によって作られていると言えますね。

ここで少し考えてみましょう。
芸術活動をしている人達は、その活動で自身の作品を作り上げています。
作品とは、その人の積みあげた人生によって生まれる物です。
当然、新しく作った作品による芸術活動も経験に含まれるの為その次の作品に生かされ、そしてそれもその次の作品へと繋がっていきます。
つまり、芸術活動によって人生を作っているとは言えないでしょうか?
私達が生きている人生こそ唯一無二の作品なのではないでしょうか?
そうなると生きるという事は芸術活動に他ならないのです。
昨日の自分が今日の自分を作って、今日の自分が明日の自分を作っている。
知らず知らずのうちに私達はみんな人生を作っていたのですね。

まとめ:生きているだけで創作者

あなたのが今まで作ってきた作品はあなたにしか成し得られなかった物で、それはこれから着手する作品にも言える事です。
必ずしも比べることはなく、それぞれに違う魅力が存在します。
人生という作品は、生きているうちに完成させられる物ではないでしょう。
これからも少しづつ塗り重ね、時に足し時に削る、そうして出来上がっていくのがその人それぞれの人生です。
生きている意味も、人生の成功も失敗も生きているうちはわからない物なのです。だから色んな作品を見て、他の人の人生を知って、沢山の価値観と考えを積み重ねて私たちは生きているのだと思います。
焦らなくてもちゃんと描き続けられているんですよ。
生きているだけでえらいんです。
中途半端に生きるというのは、その経験を活かし続けるかぎりそれは武器になり得る物なのだと思います。

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