延命措置

明日で家族立ち会いの元祖父の人工呼吸器を抜き延命措置を終える。次に会えるのは亡くなってからだそうだ。

もう意識がないとしても生きているうちに会えるの最後。私は綺麗にして行こうと思った。黒い服は避けた。死を意味する色は着たくない。

明日は久しぶりにメイクをして髪を巻いて祖父会いに行こう。涙はもう充分に流した。あとは大好きな祖母と息子と向こうで幸せに暮らしてくれるように…

祖父は遺せるものは全て遺せるようにそしてそれを母が全て分かるようにしてくれていた。
前回の入院からの僅かな期間で。

普段は変わり者で頑固で扱いづらい人だったがとても賢く堅実で真面目な人だった。
私とは大違い。心底尊敬する。

若かり頃からそうだったようだ。
ある大学の校歌の歌詞を書いたのも祖父である。
金が値上がることを見越して購入し倍の値段で売却した。この家を私たちが住めるようにリフォームしてくれたのも祖父だった。

私は祖父が生きた証としてここにこれを記しておく。ありがとう。

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