無彩色

そこは無彩色の世界。
その片隅で私は茫然と立ち尽くしている。
私は1人では踊れないからただ見ているだけだから、ヒロインになんてなれない。
世界の中心に立ち止まった、少女たちは誰もが誰かに見初められて、手を引かれて踊り出す。
勇気を出して踏み出し、残り少しの一歩を誰かに導かれただけなのに何かが変わるのだろう。
少女たちの顔はどこか輝いて、目の奥には有彩色の世界が広がっている。

私にもいつかあの世界が見えるのだろうか。
片隅でどこまでも広がる無彩色を見つめていた。

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