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ニーズの読めない店

 商店街を歩いていると、ナゾの店がありますよね。これはどういうことかと言うと、「こんな店がやりたい・あんな店を開きたい」という思いだけで開店しているパターンです。
 気持ちは分かります。長年温めていた構想、タイミングと資金と物件がうまくマッチして、待望の開店! でも、ほとんどの小売店主の方はマーケティングの素人です。世の中のトレンド、業種業態の選定、地域のニーズ、競合店の調査、店のブランデイング、販促計画、などなどについてまで考えが及びません。そうすると、「ここ、何屋さんなの?」というナゾの店が多数発生するわけです。で、数年で資金が回らなくなり閉店、となります。
 やりたいことと求められていることがマッチすればいいです。こんなシアワセなことはありません。でも、そうはうまくはいきません。人も同じです。「これがやりたい」と「これが向いている」が合えばいいのですが、そういう人も少ない。自分がやりたいビジネスを誰かに客観的に見てもらうべきです。前述のもろもろの条件に加えて収支計画も含めて。銀行に資金を頼るときは、これやるでしょうけど、ひとりでビジネスを起こすときはこれをやらない人が多い。自分の金で自分の好きな商売やるんだ、誰にも迷惑かけてねえ!ってことで。
 しかし、家族にも影響が出ます。家族がまったくノータッチならいいのですが、何らかのサポートが必要なケースは多いです。資金も心細くなると、銀行に融資を申し込むかということにもなります。まったくひとりで始めてひとりで完結するビジネスなんてないのです。
 でも、商店街にはひとりで完結してそうなお店はたくさんありますよね。歩いていると、あらー、ここもう潰れたか・・・という店が多過ぎるのです。
そんな小売店のお手伝いもときどきしております。いや、べつに宣伝したくてこの記事を書いたのではありません。
 
 自分がやりたいことと、人様が求めていることは違うのだ、ということだけは肝に銘じるべきです。

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