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京急蒲タコハイ駅

 個人的には、そこまで厳しく言わなくてもとは思うが、アウトかセーフかって言ったらアウト。私鉄とは言え、公共性のある駅名をお酒の名前でもじるのは良くない。これをタバコでもじったらもっと多くの人が目くじらを立てるだろうし、性的な表現でもじったら大問題になる。お酒ならいいんじゃね?と考えた広告代理店とサントリーがバカ。
 サントリーなんて大きな会社だし、サントリーをスポンサーとして扱う広告代理店も大手だと思うので、立派なコンプライアンス部署があるはず。そこで、これはどうかな?大丈夫かな? という議論が出なかったのか。そこのリスクマメネジメントが最悪。これでどれだけの損害を被ったと思ってるんだか。田中みな実にも傷がついた。そこへの思慮と想像力が、サントリーにも広告代理店にもないなんて、どうしようもない。

  今後、広告はこんなふうにどんどん過剰な正義を押しつられますよ。タバコの広告はダメ、お酒の広告はダメ、中毒性のある商品の広告はダメ、セクシーな広告はダメ、身体に悪い商品の広告はダメ、発がん性物質が成分にある商品の広告はダメ、効果のまったくない商品をさも効果があるように謳う広告はダメ、射幸心を煽ってはダメ、という感じでね、どんどん厳しくなる。小林製薬や山崎パンもそのうち広告停止になるかもね。
 この問題の根底に、何があるかと言うと、広告コンテンツの劣化。広告がつまらない、ウソだらけ、詐欺まがいという内容を野放しにしているから、人々は広告が嫌いになる。信用しなくなる。いま広告が好きという人は皆無であろう。広告が憎まれるようになると風当たりも強くなる。で、今回のように、ちょっと前なら大目に見てもらえたようなものまで、徹底的に攻撃される。
 広告ビジネスはもう破綻していると言ってよい。電通も博報堂もそのうち潰れるだろう。広告の替わりに主流となるのが課金ビジネスかとは思うが、そうなるとコンテンツの質がさらに求められる。ただのくだらないテレビは見るけど、有料のくだらないテレビは誰も見ないからね。
 もう広告で稼ごうなんて時代は終わったのである。
 

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