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鬼平を劇場で見る

 「鬼平犯科帳」の映画化は1995年以来とのこと。今回は、映画公開と同時に配信も行われるメディアミックス。
 しかし、劇場(新宿ピカデリー)に赴いて驚いたおじいおばあだらけ。自分もおじいの仲間入りかと少々落胆。客の入りもまばら。まあねえ、テレビでよくやっている鬼平をわざわざ劇場で見るか、ということか。もう少し、若い人を呼ぶ戦略はなかったのか。このままだと今日来てたおじいおばあが死んだら、鬼平を見る人は日本からいなくなる。
 映画の出来は悪くない。でも出色の作品とも言い難い。松本幸四郎の鬼平はまずまず。そりゃ中村吉右衛門と比べるのは酷だ。でもこれから歳を重ねて行けば、吉右衛門のような風格と色気が出るかもしれぬ、という期待感はある。脇がいまいち。筆頭与力佐嶋はもうちょっと他に誰かいなかったか。忠吾も尾美としのりを超えられない。同心酒井は誰だったのかも分からない。奥方の仙道敦子もあの人はいま?感あった。北村有起哉も盗賊ぽくないし。ギャラを松本幸四郎につぎ込み過ぎたのか?と勘ぐってしまう。綿引勝彦みたいな画面が締まる俳優さんがいなかった。おまさの中村ゆりは良かったよ。
 まあ、でも時代劇としては丁寧につくられていたと思う。ワイヤーアクションなんか使ったら時代劇は台無しだからねぇ。配信は見たいなぁと思う。明日テレビでも「鬼平」やるらしいし。そう考えたらプロモーションとして映画は成功したとも言える。

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