生理の貧困を考える
「生理の貧困」という言葉をご存じでしょうか。
長引くコロナ禍によって生活の困窮が問題視される中、生理の貧困についても徐々に取り上げられるようなりました。最近では、NHKのクローズアップ現代やシューイチでも取り上げられ、話題になっています。
今回は、生理の貧困について考えていきたいと思います。
生理の貧困とはなにか
コロナ禍でアルバイトができず、経済的に困窮する学生が増える中、生理用品が買えなくなるなどして日常生活に支障の出ている人がどのくらいいるか、インターネットでアンケート調査したところ、買うのに苦労した経験がある学生はおよそ2割に上りました。
過去1年間に、経済的な理由で生理用品を
「買うのに苦労したことがある」と答えた人は20%で、
「買えなかったことがある」と答えた人も6%いました。 「生理用品を交換する頻度を減らしたことがある」が37%、
「トイレットペーパーなどで代用したことがある」も27%に上りました。
このように、生理用品が十分に入手できず、それによって困難を強いられている状態が、「生理の貧困」と呼ばれています。
以前は、発展途上国を中心に生理の貧困が問題視されていましたが、コロナによって、日本でも生理の貧困の現実が可視化されてきました。
生理の貧困問題に取り組んでいる団体「#みんなの生理」が学生を対象に行った調査によると、5人に1人が「過去1年以内に金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある」と答えたそうです。
生理を経験したことがある人は、手持ちのナプキンが足りぐるしいときの焦りや、何時間もナプキンを取り替えられないことの不快感は想像がつくのではないでしょうか。
1ヶ月の中でも約1週間、それを毎月、生理用品の心配がつきまとうのは、かなりのストレスですよね。
「言えなかった」
生理の貧困とひとくくりに言っても、生理用品へのアクセスを妨げている理由は経済的理由の他にも多々あり、様々です。
・金銭的に余裕がない
・親のネグレクト等で、生理用品を買ってもらえない
・シングルファーザー家庭等で、生理が来たことを言いにくい、家族の無理解
・生理用品を購入することへの羞恥心
等が挙げられるといいます。
生理の貧困に関する記事を読む中で、生理の貧困経験者たちの多くが「言えなかった」と口にしていました。
一緒に暮らす祖父母に、「生理用品を買って」と言い出せなかったケースや、生理が来たことを親に言えず、生理用品が入手できなかった経験を持つ人が多くいました。
ここには、生理というものが今までオープンに扱われてこなかったことが関係しているように思えます。特に、小学生や中学生は、自身の生理について話すことに、ハードルを感じやすいのではないでしょうか。
「おなかすいた」は簡単に言えるけれど、「生理用品を買って」は恥ずかしくて言えない。
そんな環境や心理が、生理の貧困を生む要因の1つにもなり、生理の貧困を他者から見えにくくしている原因なんだろうな、と思います。
生理の貧困をどう解消するか
今、生理の貧困が可視化される中、日本でもそれを解消しようとする様々な動きがあります。
・自治体による学校や公共施設を通した生理用品の無償提供
・生理用品の軽減税率対象を求める署名運動
等です。ぜひ、調べてみてください🎗
自分には何ができるでしょう
私は、今すぐできる行動として、誰かの「生理用品がない..助けて」に力を貸せるようにしたい。
あとは、親になったとき、子どもが生理や性についてなんでも相談できるような関係をつくりたい。生理について普段から話したい。
そして、こんな風に生理について困っている人がいることを、性別関係なく知ってもらいたいです。
生理がオープンでなく、まだ話しにくい事柄であることが、「生理の貧困」の1要因になっているのであれば、私たち個人個人ができることはまだまだありそうです。
最後に、ぜひ読んでほしい記事と、生理用品の軽減税率対象を求める署名を紹介しておきます^_^
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