快感を感じる瞬間

おはようございます、わんこふです🐾

最近、ロケットの製造・打ち上げを手がけるSpaceXという企業の解説本を制作しています。

それで本を書く時にたくさん調査するんですが、その中で快感を感じる瞬間があります。それは知識と知識が結びつく瞬間です。

例えば、トム・ミューラーさんというロケットエンジン作りの天才がいるのですが、この人はTRWという会社でTR-106という液体燃料ロケットのエンジンを作っていました。

で、このTR-106というエンジンについて調べていたら、このエンジンはピントル型インジェクターという推進剤噴射装置を採用していることが分かりました。ここで知識と知識が結びつき、「あぁそういうことか!」となりました。

どういうことかというと、ミューラーさんはのちにSpaceXに移って、マーリンやケストレルというロケットエンジンの開発を成功させているのですが、実はマーリンもケストレルもピントル型インジェクターを採用しているのです。

おそらく、ミューラーさんのTRW社でのピントル型インジェクターの開発経験があったからこそ出来たことでしょう。

他にもあります。

日本の宇宙輸送ベンチャーの一つにスペースワンという会社があるのですが、この会社は固体燃料3段式+軌道変更用液体エンジンの構成でロケットを作っています(2023年に初号機打ち上げ予定らしいです)。

スペースワンが固体燃料を採用していると聞いて、わんこふは「あれおかしいな?」と思いました。

というのも、固体燃料というのは単に酸化剤と燃料を混ぜて詰め込めばいいというものではなく、固体燃料に様々な形の穴を開けたり、酸化剤と燃料が粉である場合にはそれらをまとめるための接着剤、燃える速さを調整するための添加物、長時間安定して燃料するための安定剤も加えます。

さらに色をつけるための着色料や煙を抑える薬なんかも入れたりもします。こうしたものを全て調合するので、固体燃料はノウハウの塊と言われています。

つまり、固体燃料というのはノウハウの塊なので膨大な数の燃焼試験による知識の蓄積が必要であり、普通のベンチャーが手がけられるようなものではないのです。

ここでスペースワンについてさらに調べてみたら、キヤノン電子とI H Iエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行、紀陽銀行の5社が出資して作られた会社であることが分かりました。

ここで知識と知識が結びつき「なるほどな〜」と思いました。

どういうことかというと、実はスペースワンに出資している会社の一つであるI H Iエアロスペースは固体燃料ロケットのイプシロンなどを手がけている会社なのです。

おそらくスペースワンはI H Iエアロスペースから固体燃料に関するノウハウを受け継いでいるのでしょう。

このように知識と知識が結びつく瞬間があるのですが、この瞬間が快感です。何度でも経験したくなります。

皆さんが経験した知識と知識が結びつく瞬間があったら、是非コメントで教えてください。

以上、わんこふの日記でした🐾

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