免疫の仕組み その1 ~基本編~

<免疫とは>

生物の体を病原体や有害物質などの異物から守る仕組みを免疫と言います。具体的には異物を体内に侵入する事を阻止したり、いったん侵入した異物を体から排除するような仕組みです。

<免疫の3つの段階>

ヒトの免疫の場合は3つの防御機構があります。1つ目は体内への異物の侵入を防ぐための物理的・科学的防御です。2つ目は体内に侵入した異物を排除するための食作用です。文字通り食細胞が異物を食べて(取り込んで)、消化・分解する事で排除します。以上の2つの防御機構をまとめて自然免疫といいます。3つ目は異物の種類に応じて特異的に作用する適応免疫(獲得免疫)です。適応免疫は自然免疫で排除しきれなかった異物に対して働きます。

<主な免疫担当細胞>

主な免疫担当細胞は以下の通りです。好中球・マクロファージ・樹状細胞・T細胞・B細胞・NK細胞 ...etc 。このうちT細胞・B細胞・NK細胞はリンパ球と呼ばれます。そしてこれらはいずれも白血球の一種であり、血球は造血幹細胞から分化したものです。

<免疫に関わる器官>

免疫には体の様々な器官が関わっています。例えば異物の侵入を防ぐ皮膚や粘膜、免疫細胞達を体内で循環させる循環系リンパ系(リンパ液が流れるリンパ菅や多数のリンパ球が集まるリンパ節など)です。同じく多数のリンパ球が集まったり、異物の除去、古くなった赤血球の破壊を行う脾臓(ひぞう)や白血球の増殖・分化、リンパ球の生成を行う骨髄、T細胞を分化・成熟させる胸腺があります。この胸腺は老化によって萎縮するので免疫が衰える一因になります。

参考文献:嶋田正和ほか14名,「生物基礎」,数研出版,(2016).

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