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コオロギ食を学校で出すことの是非について

@ニュース分析

昆虫食をめぐっては去年11月、徳島県の高校で集団給食を行った際、コオロギパウダーを使ったコロッケが提供され、全国初の試みに注目が集まった。食べる・食べないは生徒が選択でき、アレルギーについても事前に説明があったが、その数カ月後「子どもにコオロギ食を出すとは何事か」と県外からの批判が殺到。学校や教育委員会、さらにコオロギパウダーの商品開発を行うメーカーにまで問い合わせが来る事態に発展した。

コオロギ食に関する議論が去年から活発になっていますが、少なくとも学校という場はコオロギ食の導入として相応しくないと思います。

なぜなら学校で友達がみんな食べていたら、自分は食べたくなくても同調圧力で食べなきゃいけない場面が出てくるだろうし、今回のようにコオロギコロッケを食べるか食べないかみたいな選択しかできないと、お腹が減っている子は昆虫食を食べたくなくてもコオロギコロッケを選ばざるを得ない状況になってしまうと思うからです。

普通に自分でお金を払ってコオロギ食を食べる分には個人の自由なので好きにすれば良いと思うんですが、お金を先に払って食べる給食でコオロギ食を出すのは違和感を感じます。

また、コオロギ食の売り文句として、少ない餌・水で早く育ち、環境にも優しいみたいな事がよく言われると思うんですが、もし本当にそうならコストがかなり下がっているはず。しかし実際にはコオロギパウダーは100g 1000円以上とかなり高い値段で売られています。

おそらく飼育ノウハウや物流、加工、単位面積当たりの生産数などでまだまだ問題が多いのでしょう。

そして「タンパク質が不足する!日本の食糧危機だ」みたいな事も言われていますが、その根拠となるデータがよく分かりませんし、豆や牛乳もあるのでわざわざコオロギで補わなくてもいいのかなと思います。

更にもう一つ付け加えると、ニュース記事の中で「タイは昆虫食がすごく進んでいる」という事が書かれていたんですが、2回ほどタイに行って南から北までいくつかの街を見てきた経験から言わせてもらうと、飲食店でも屋台でも一度も昆虫食はメニューになかったし、タイ人の友達の家でも昆虫は出てきませんでした。強いていうなら、大規模なナイトマーケットで昆虫食を出している店が1つか2つあったかなというくらいです。昆虫食が進んでいるタイですら、昆虫が主要なタンパク源になっているとは言い難いと思います。

まとめると、コオロギに価格や味、栄養価で本当に優位性があるのなら、わざわざ学校で出さなくてもいずれ普及してくると思うので、給食で子供たちにコオロギ食を出すのには反対です。

@わんこふの日記

今日は自由が丘でお昼ご飯を食べて、午後からは東京農業大学の「食と農の博物館」に行ってきました。

なぜ自由が丘でお昼を食べようと思ったのかというと、「小麦の奴隷」というパン屋さんのザックザクカレーパンが食べたかったからです。小麦の奴隷はホリエモンが立ち上げに関わっている事で有名ですね。

それは兎も角として肝心のザックザクカレーパンですが、これはもう期待以上でした。生地が油っぽいカレーパンは苦手なのですが、ザックザクカレーパンはクルトンたっぷり生地の食感が心地よい最高のカレーパンです。具材があるところが美味しいのは極々普通ですが、具材がない部分も美味しいパンやピザはなかなかありません。一度食べてみることをオススメします。

ザックザクカレーパン

そういえば小麦の奴隷に着く前に「大山生煎店」というお店で焼小籠包を食べたのですが、これも大当たりでした。生地は厚めで、もちもちしてる部分とカリッとしている部分を両方楽しめます。また、一つ一つの小籠包が大きく、旨味の強い豚肉から肉汁が溢れてきます。自由が丘はレベルが高い飲食店が多いですね😋

午後から行った「食と農の博物館」は東京農業大学(以下、東京農大)がプロデュースしている2階建ての博物館です。
さて、この博物館ですが、私のイチオシはなんといっても一階の屋外にいるケヅメリクガメです。フェンスに首を突っ込んでいる姿とか可愛いので、ぜひ見てあげてください🐢

こっちを向いてくれないケヅメリクガメ

せっかくなので東京農大の歴史も簡単に語らせてもらうと、もともと東京農大は榎本武揚(たけあき)がつくった徳川育英会育英黌(いくえいこう)の農業科がもとになっていて、そこから独立や改名を経て東京農大となりました。この榎本武揚ですが、実は戊辰戦争で土方歳三らと共に官軍に抵抗していた過去があります。五稜郭で最後まで抗戦し、敗戦後には投獄もされています。そんな人物がのちに政府の要職を歴任し、農業の発展にも大きな役割を果たしたというのは面白い巡り合わせだなぁと思います。ちなみに東京農大の経営危機を救い、初代学長を務めたのが横井時敬(ときよし)で、彼は塩水選種法(塩水選)を考案した人物でもあります。塩水選というのは、種にするのに適した籾(脱穀していないお米)を選別する有名な方法です。ちなみに時敬は足尾銅山鉱毒事件の際には鑑定人として証言をし、村民からは感謝状も貰っています。頑張ったのは田中正造さんだけじゃなかったのです。

食と農の博物館の2階の目玉は「鶏の剥製標本コレクション」と東京農大 醸造学科の卒業生らがつくった日本酒が集められた「銘酒コレクション」です。どちらもガラス張りのケースで綺麗に展示してありました。特に銘酒コレクションは家のインテリアにしたいと思うくらい美しかったです。

銘酒コレクション
@わんこふの豆知識コーナー①
お酒をつくる時には麹菌と酵母を使うんですが、この2つの役割は明確に違います。まず麹菌は、でんぷんを糖にやタンパク質をアミノ酸に分解する部分を担当しています。そして酵母がアルコール醗酵を行い、エタノールを作り出すことでお酒となるのです。ではなぜアルコール醗酵が起こるのかというと、酵母は酸素の少ない環境でATPを作り出すために嫌気呼吸をするからです。この嫌気呼吸の際に糖を炭酸ガスとエタノール(エチルアルコール)に分解するのですが、これこそがアルコール醗酵の正体です。
私たち人間はミトコンドリアの力を借りた好気呼吸でしかATPを作り出せませんが、酵母は酸素のない環境でもATPを生成できて凄いですね!
@わんこふの豆知識コーナー②
先ほど出てきた嫌気呼吸を知らない人も多いかなぁと思って「豆知識コーナー②」もつくりました。
そもそも前提として呼吸には外呼吸と内呼吸があって、肺で空気中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するというのは外呼吸にあたります。
そして内呼吸というのは、血液が身体中の細胞に酸素や栄養素を届け、それをもとに細胞内でATP(生物のエネルギー源)を生産し、要らなくなったものを血液で運んでもらうという過程を指します。
この内呼吸はさらに2つに分かれるのですが、それが「嫌気呼吸」と「好気呼吸」です。この2つの違いはATPの生産に酸素を使うかどうかです。もちろん使わないのが嫌気呼吸で、酵母は酸素が少ない環境だと嫌気呼吸をおこないます。つまるところ酵母にとってエタノールは糖を分解した後に出てきた「要らないモノ」なわけで、それを人間が好んで飲んでいるんだから面白いですね。

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