近況と散文　8月

散文

鬱蒼とした季節は深まっていく。
どれだけ循環しただろう、やっと埠頭にたどり着いた。
夜はなんだか不安が襲って嫌になる
「こんな街、もう出て行きたいよ」
君は嘘ばっかり言う。
もしも消えていなくなったら星になって
星になれたら未来の遠い空からこの街を見下ろそう。
君と切った指を握り静かに目を閉じた。

近況

今月は、おすすめの本をご紹介します。（敬称略）

パーティが終わって中年が始まる - pha

蟹ブックスに立ち寄った際に、そういえば！と思い、手に取った本。
15ページ目あたりから好きな文章があるので、引用します。

若い頃は、試行錯誤を積み重ねれば、どこかに辿り着くのだと思っていた。いつか、完璧な自分になれるのだと思っていた。でも、そうじゃなかった。失敗は何かの糧じゃなくて、ただの失敗だった。自分はどこにも辿り着かず、ずっと中途半端なままで、同じ失敗を繰り返しながら生きていくのだ。

パーティが終わって中年が始まる　「ずっと練習のような気持ちで生きている」より

冒頭から、結構ショックだった。私は今まで、私の未来は報われるんだろうという無責任な期待を持っていた。現実は鬱屈とすることばかりで、毎回同じような壁に当たっては乗り越えたり乗り越えなかったりを繰り返している。中年とは、それが同じように繰り返される（=人生）だと気づくことから始まる。

先端で、さすわ さされるわ そらええわ - 川上未映子

ずっと読んでいるけど読み足りない気持ちになる。鋭さや表現に読み飽きることもない。音楽を作っている人や文章を書いている人、何か言葉を使って表現している人は読むのをオススメします。私は辞書や必携の隣に置くぐらい好きです。

箱男 - 安部公房

夏の暑い時期に読んで欲しいです。
そして鬱屈とした気持ちになって欲しいです。ロジカルな文体は海外でも評価を受けているため、何度も読み返したくなるような小説だと思います。
そうは言っても読むのはめんどくさいなーって人は8月23日に『箱男』が映画化されるそうです。実写化、どうなるんでしょうか楽しみです…！

ちなみに・・
James blakeと安部公房がとても合います。
（特に「Say What You Will」がサイコーです………。）

【ライブのお知らせ】

9月2日に初めてライブをします！念願叶ったりで嬉しいです。
場所は吉祥寺NEPOです。時間は18時からです。（出番は19時からです！）
1人で弾き語りの演奏を行う予定です。

お越しいただけると嬉しいです。また、もし来ていただける場合はwaniにご一報いただけると助かります！ご来場お待ちしています(^o^)/

チケットお申し込みはこちら：https://nepo.co.jp/schedules/view/2467