丹羽 崇

遠隔医療相談サービスを手掛ける株式会社Medifellow(https://medif…

丹羽 崇

遠隔医療相談サービスを手掛ける株式会社Medifellow(https://medifellow.jp/)のfounderでもある、現役の呼吸器内科医。一般呼吸器疾患、呼吸器インターベンション、肺癌、間質性肺炎を専門とし、神奈川と岡山の病院で臨床と研究に従事。@wanikko

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  • オンライン診療のホンネ

    新型コロナ流行を受けて大幅緩和されたオンライン診療について、まとめてみました。

最近の記事

オンライン診療の未来

コロナ禍において図らずも世間で注目されることになったオンライン診療ですが、課題は山積み。これまでオンライン診療の実際と問題点についていくつか挙げてきましたが、論評ばかりしてないでなんか意見も言わんかい!という声が聞こえてきそうですので、オンライン診療の未来について私見を述べたいと思います。 オンライン診療の弱点まとめ列挙しましょうか。 ・病院を必要とする世代がまだインターネットに弱い問題 ・検査しないと患者を救えないので、結局オンライン後で対面受診する問題 ・診療報酬が安い

    • コロナ禍でのオンライン診療

      さて、オンライン診療がコロナ蔓延を契機に初診から解禁されてから1年半が経ちました。厚生労働省はコロナ診療に対してなんとかする、といった思惑もあって解禁されたわけですが、はたしてどうだったのか。コロナ診療の最前線に身を置いた医師としての観点から、振り返ってみましょう。 コロナ患者以外のオンライン診療の実際コロナ禍で外出を控える一環で、受診控えがかなり生じました。実際、私の周りでもかなり外来患者数が低下したといった話を聞きます。日本肺癌学会の研究では、こういった受診控えにより6

      • オンライン診療のホンネ 各論編②   患者目線

        こんにちは。さて、前回は医者目線でオンライン診療について述べてみましたが、今回は患者目線で考えてみたいと思います。 いつオンライン診療を利用する?医者にかかろうと思う時ってどんな時でしょうか。私たち医師が診るのは、なんだかおかしいなと感じる体調の変化がきっかけだったり、健康診断で異常を指摘されてというのも多いです。では、そういった理由で医者にかかろう、と思った時、どんなことをしてもらいたいですか? よく言われるのが、 ・検査する必要があるか判断して欲しい ・検査をとにかく

        • オンライン診療のホンネ 各論編①   医者目線

          さて、前回公開しましたオンライン診療のホンネでは、そもそもの定義についてお話しました。続いての各論編では、具体的なシステムについて概説しながら、その意義について述べていきたいと思います。まずは、医療の提供者側から見たオンライン診療です。 オンライン診療の仕組みオンライン診療とは、主にwebカメラなどの顔や表情が観察できるような情報通信機器を用いて、診察を行うことです。簡単に言うと、今流行りのZOOMのような動画・音声システムを使って診療することです。とはいえ、使用できるデバ

        オンライン診療の未来

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        • オンライン診療のホンネ
          3本

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          オンライン診療のホンネ

          noteに初めて書きます。ここでは、私がMedifellowという会社を設立するにあたり経験したいろいろを元に、オンライン診療の位置付けや功罪について記していきたいと思います。 はじめに新型コロナウィルスが猛威を奮っています。私も新型コロナウィルス(COVID−19)の診療に最前線で携わっていますが、本当にやっかいなウィルスです。機会があればこのウィルスについても述べたいところですが、それは私よりもずっと適任の方がいらっしゃると思うので、ここでは新型コロナウィルスの蔓延を受

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