「ライトな将棋ファン」の定義

 書けるテーマは色々あったのですが、なかなか自分の中で考えがまとまらず・・・という更新できない人あるあるに陥っている今日この頃。今日は半分私信のような内容で。

 とある方から先週LINEが来て、「やりたいこと」「やるべきこと」の方向性は同じなのに妙に意見がぶつかるということがあって数日頭の中が妙にモヤモヤしていました。

 で思い当たったのが「ライトな将棋ファン」という言葉の定義の問題。この言葉の定義のズレが原因かなと。

 「ライトな将棋ファン」という言葉から何を想像するか。将棋を広める側は将棋の強さに重きを置いているために「ライト」という言葉を「ライトな将棋ファン≒級位者」という発想に縛られがちになってしまう。この定義の仕方は10年くらい前までは全く問題なかった。将棋に割く時間が将棋を強くなるための時間という考えの人がほとんどだったからである。でも今は将棋を楽しむことに重きを置くいわゆる「観る将」(※この言葉は当初の定義と離れつつあるので使うのにすごい抵抗があるのだが)と呼ばれる将棋ファンが増えてきて、強さと将棋を楽しむ時間が比例しなくなってきた。だからこそ強さからターゲットを定めていくと「ライトな将棋ファン」ではなく、「ヘビーな将棋ファン」へ向けた教室であったりイベントであったりになってしまう。

 少し話がずれてしまったかもしれないので「ライトな将棋ファン」とは何かをしっかり定義した方がいいかもしれない。私が考える「ライトな将棋ファン」は1日平均の将棋への接触時間が10分前後というくらいの将棋への関心がある人である。(週1でNHK杯を観るだけや例えば月1、2回将棋教室に来て将棋を指すだけだと1日平均10分前後になる。)湾岸将棋教室では棋力を問わないという意味だけでなく敷居を限りなく低く設定している。それは将棋を普段指さないということを肯定することから始めている。もちろん好きな人には好きな人向け、強くなりたい人には厳しく指導ももちろんしているが、子供達だと受験に忙しく将棋は教室でだけ、知っているプロは教室に来ている先生だけという子も何人かいる。それでも十分趣味は将棋と言っていいレベルだと思う。

 ライトな将棋ファンの将棋への接触時間をどうやって増やすか。これは将棋を楽しんでもらうことと、プロの凄さを体感してもらうことにあるのではないかと思う。この2つをもっと頑張って色んな人に味わってもらいたい。今教室に来ていただいている皆さんには最高のサービスを今後も提供していくが、残りのリソースはなるべく「ライトな将棋ファン」へ注いでいきたい。そうなると東京の他のエリアに行くよりは地元であったり地方が私にとってのフロンティアになってくる。友達がやっている将棋を見て将棋面白そうだなと思った子供達や東京や大阪へ遠征しないとプロ棋士に会う機会がなかなかない皆さんに将棋を心から楽しんでもらいたい。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?