メドレーの勝算

最近株価がただ下がりのメドレーですが、私はこの会社の将来の業績を明るく見ていますし、儲けだけ、理念だけの会社ではなく、理念も収益も同時に追求する本格的なベンチャー企業だと思っています。

今日はメドレーの勝算について考えてみました。

長期的に強い人材プラットフォーム事業

まず、収益柱のジョブメドレーですが、サービスの絶え間ない改善と集客力により今後も継続的に利益を上げられると思います。

競合と言われるような上場している医療・介護分野の人材紹介会社は収益性は高いですが、収益性が低い医療・介護事業所の収益性をさらに悪くしているのはこれらの人材紹介会社です。

人材紹介会社の愚行

採用企業にとって、人材紹介会社は、求人サイトでは集めることのできない専門職やハイクラス人材の採用に活用してきました。介護・医療業界で言うなら管理者や施設長、医師など。

それが最近は人手不足に便乗して介護職や医療職、何のスキルもない未経験者などを紹介するようになったのです。

人口減、高齢化による医療・介護人材不足などの社会問題から日本においては外国人、他業種からの転職などがない限り医療・介護人材の総数は限られていることは明らかです。

パイが増えないところに人材紹介会社が進出すると最悪の自体が起こります。

実際には存在しない釣りの非公開求人(例えば平均給与よりも月給が5万円高く、残業、夜勤なしなど「こんな求人あったら応募したいな」と思わせる求人)を掲載し、自社に登録させ、本来であれば求人サイトで直接企業に応募していたであろう人材を紹介会社経由で応募させるのです。

本質的には事業所は採用が決まらない限りお金を払いたくない。払うとしても妥当な金額しか払えない。なぜなら利益がなくなってしまうから。利益がなくなると人材の給与や教育にも、設備にも投資ができず、お客様にも職員にも還元ができなくなり、結果離職率が改善しないから。日本の医療・介護事業所の不毛な悪循環を作り出している原因の一つは人材紹介会社だと私は思っています。(※ハイクラス、超専門職は除く)

ジョブメドレーの価値と簡単には真似できない理由

ジョブメドレーは採用が決まった時にのみ費用が発生する採用成功報酬型の求人サイトです。

成功報酬型の求人サイトは仕組みの問題ですから誰でも構築することができます。実際にクライアント企業にとってもリスクがないため「とりあえず掲載だけしてみるか」と求人情報は集めやすいです。

ただ、他の転職サイトと違い、成功報酬型の求人サイトは採用するまで売上が発生しません。また、中には採用が決まったのにも関わらず、そのことを報告せずに採用費用を支払おうとしない企業も出てきます。

結果、掲載費を先にもらう従来の求人サイトと違い、大規模な広告やマーケティングに費用がかけられず応募者が増えず、成功報酬が決まりにくいことに加え、採用企業の管理が大変というのがあります。

ジョブメドレーは参入した時期がよく、さらに企業努力をし、低コスト体制を作り上げ、成功報酬型の求人サイトシステムを作り上げたわけです。

このジョブメドレーを通じた採用活動は現状の医療・介護業界に革命をもたらしたといっても過言ではなく、この業界に本質的な価値を提供している稀有な存在だと思っています。

さらにこの事業を拡大するためにジョブメドレーアカデミーや歯科分野で成長しているグッピーズ、医療・介護の仕事のお悩み相談などができるシゴトークなどもM&Aで取り入れています。

グッピーズは国家試験対策アプリも提供しており、新卒採用にも強いためグループ入りすることでさらに売上、利益が向上すると思います。

ということで、心配なし、収益も健全なレベルで拡大すると思います。

オンライン診療、電子カルテもよく考えると多分大丈夫。

続いて投資領域のオンライン診療と電子カルテですが、オンライン診療は参入障壁が低く競合も多い、電子カルテもそれなりに多い状況です。

オンライン診療は全く新しい領域でまだまだ広まっているとは言えない状況で勝者がいません。

電子カルテも紙から電子への流れの中でまずは院内にサーバーを設置するオンプレミス型が普及し、その後クラウド化の流れになっています。メドレーが特に力をいれているクリニック向けのクラウド電子カルテはエムスリーがシェアを多く取っている状況です。

おそらく開発が進み、どの企業も機能面では変わらないレベルまで質を引き上げてくると思います。

そうなった時にクリニックに選ばれる上で差が出るのはUI、サポート体制、その他のベネフィットを提供できているか?になるでしょう。提供企業目線では収益化するまでの体力や開発体制を維持できるか?になるでしょう。

数年先を見通すと
オンライン診療単体で行っている企業や他の収益事業のない新興電子カルテベンダーはそのうちいなくなると思います。

また、関連性の薄い他分野から電子カルテなどに進出してきた企業も続けられなくなるでしょう

機能面ではコモディティー化するため他の周辺領域などを育て総合的なベネフィットを提供することで選ばれるようになる未来が来ると私はみています。

仮に私がクリニックの経営者で電子カルテの導入を検討するとしたらオンライン診療も、予約機能も電子カルテも揃っておりかつ研修機能や求人にも強いメドレーを選びたくなります。

結果、いつになるかはわかりませんが、クラウド電子カルテの流れが本物だとするならば最終的にシェアの上位に食い込むのはエムスリーとメドレーだと思います。

メドレーの進出領域が下記だとするとこのような状況に数年後はなるかと思います。

  • 医療、福祉分野の転職サイト → 圧倒的勝者

  • アメリカの医療、福祉分野の転職サイト → 大変

  • 医療、福祉分野の研修サービス → 勝者

  • 病院向け電子カルテ → 大変

  • クリニック向けクラウド電子カルテ → シェア1か2位を目指せる

  • 歯科医院向けのクラウド電子カルテ → シェア1か2位を目指せる

  • 薬局向けの基幹システム → わからない

  • 介護向けの基幹システム → M&Aで進出する以外にないと思う。買う企業で勝敗は決まる。そして多分良いところは買えない。

となると思います。

とにかくできるところまで事業を伸ばしていくのが今の段階で年商1000億円くらいになったら勝敗が決まった分野の見直しを行い一気に収益性が上がると思います。

年商1000億円、営業利益300億円くらいの業績になってもおかしくない状況がくると思います。そうなると時価総額3000〜4000億円はある程度見えてきてもっと期待を超えてくるとエムスリー並みの業績・時価総額もあるかとは思っています。

と、かなり雑な算段と妄想による記事になりますが、参考程度にみていただけますと幸いです。

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