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ゲシュタルトができていることによって常に全体が見えている

ダーウィンの思索の場は書斎ではなかった。彼は、屋敷の敷地を小文字のdのような形に囲む小道を歩きながら試作(中略)几帳面な彼は散歩道の曲がり角に小石を積み上げ、そこを通り過ぎるたびに一つずつ落としていった。そうすることで、思考の流れを中断することなく、あらかじめ決めておいた回数、周回することができた。五週で大体〇・五マイル(〇・八キロメートル)

創造的になるには、過度の緊張状態から脱して

アルキメデスが「ユリーカ!(我れ発見せり!)」と叫んだのは仕事場ではなく、のんびりと暖かい風呂につかっていたとき(中略)大半の人はシャワーを浴びているときに妙案が浮かぶ(中略)誰でもストレスを経験するが、大半の人は休みを取れば回復(中略)創造的になるには、過度の緊張状態から脱して、心を自由にさまよわせる必要がある(中略)長時間残業すれば新しい発想が浮かぶわけではない。むしろ逆だ

すでに学者はユーレカの話は嘘だと結論づけている

高度なヒューリスティックは、訓練によって獲得される(中略)ヒューリスティックを問題解決の課題に当てはめてみよう。解を探す方法ということだ。

ノイズを排除するには、たしかにコストがかかる。だがコストをかけるだけの価値はある

教育におけるノイズを減らしたいなら、かなりの支出を覚悟しなければならない(中略)ノイズを排除するには、たしかにコストがかかる。だがコストをかけるだけの価値はある(中略)重要な事柄についてよりよい判断をしたいと望むなら、ノイズを減らす(中略)すぐれた判断者は、経験豊富で賢明であると同時に、さまざまな視点を積極的に取り入れ、新たな情報から学ぶ(中略)精度の高い人は予測に必要なデータを見つけて分析(中略)ノイズを発見するには統計的に探求しなければならない(中略)人間の直感には統計的思考が欠けている(中略)よい判断を下せるのは、その職業に必要な専門的スキル、知性、ある種の認知スタイル、とくに積極的に開かれた思考態度を備えた人

ヒューリスティクスは一方向に偏った予測可能なエラー(統計的バイアス)だけでなく、ノイズも生む

ハッピーな気分は、バイアスの影響を強くする(中略)人間はご機嫌だとデタラメを受け入れやすくなり、また全般的にだまされやすくなる(中略)意外なことに、天気が悪いときには記憶力が高まる(中略)「有意である」とは「確率的に偶然とは考えにくい」、つまり「たまたまそうなったとは言えない」という意味(中略)「有意の」相関関係が認められても、相関係数がお話にならないほど小さいケースは十分ありうる(中略)相関関係は因果関係を意味しないが、因果関係は相関関係を意味(中略)ノイズの計測に必要なのは、標的の裏側から見ることだけ(中略)ヒューリスティクスとは、困難な問題に直面したときにかんたんに答えを見つけるための単純な手続きのことだ。こうしたヒューリスティクスは一方向に偏った予測可能なエラー(統計的バイアス)だけでなく、ノイズも生む(中略)感情ヒューリスティック(affect heuristic)

教育におけるノイズを減らしたいなら、かなりの支出を覚悟しなければならない

知っていることと安心が、落とし穴になる(中略)山岳スキーヤーの判断ミスを誘ったヒューリスティックを検証(中略)スキーヤーたちが油断したのは、危険度が同じくらいに思える雪山で、無事に降りてきた記憶があるからだ(中略)調査でも、新しい場所よりも、スキーヤーがよく知っている場所でのほうが、雪崩に巻き込まれるケースが有意に多かった

人間の直感には統計的思考が欠けている

共感とは、誰かの立場になって、相手の心で感じ、相手の目でものごとを見ること(中略)共感を3つに分けて定義した。1つ目は「メンタライジング」で、他者の「心理状態やその根源にあるもの」を見いだしたり推論したりすること、2つ目は「経験の共有」で、これは「相手の内的な状態」を自分のものとしてとらえて共有すること、そして3つ目の「向社会的配慮」

(※ナチスの人権思想、ドイツ民族優位思想を作り出した)人類学の勘違い学者たち(中略)人種(分類)思想を、この印欧語族の系統樹の図をアウグスト・シュライヒャーというドイツの三流学者が作った(中略)「印欧語族」理論から、前述した③人種(の分類)が生まれた(中略)このインド・ヨーロッパ語族論が出現して、インド語とイラン語は、ヨーロッパ語と祖型(オリジン)、語源が同じだ、としたものだから、インド人とイラン人(※昔はペルシア人Persian)がすっかり舞い上がった。「自分たちも白人種だ」と大きく誤解した。イーランという語は、アリアン(人種)という意味で、自分たちは⑥アーリアン Aryan race(アーリア人種)の優等民族で国名を変えてしまった(中略)この語族の考えを始めに出したのは、イギリス人法律家(大英インド帝国で裁判官をした)のウィリアム・ジョーンズ(中略)この男が、まさしくディズニー映画のIndiana Jons「インディ(アナ)・ジョーンズ」シリーズの主人公のモデル ※引用者加筆.

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(アルキメデスの羅針盤)

エイブラハム・リンカーンは戦場へ行く途中、封筒の裏側にゲティスバーグの演説でも不朽の名言を書きおろしたわけではない。ホワイトハウスの便箋で、何度も書き直されたその演説の草稿が発見されている。アルキメデスの「ユーレカの瞬間」についても本人の記述や、アルキメデスと同時代の人物の記述の中にもお風呂の中の話を裏づけるようなものは少しも見つかっていない。すでに学者はユーレカの話は嘘だと結論づけている。

ヒューリスティックという言葉は、「見つけた!」を意味するギリシャ語のユーレカを語源に持つ。

ヒューリスティックとは、もともとギリシャ語が語源で、“探し出したり、発見するのに役立つ” という意味

人間はさらに抽象度を上げていくと、ゲシュタルトとゲシュタルトを合わせて新たなゲシュタルトをつくることができます(中略)ゲシュタルトをつくり、課題を頭に放り込んでおくと、あるとき入ってきたちょっとした情報がきっかけとなって、ゲシュタルトからポーンとアイデアが出てきます(中略)ゲシュタルトが大きければ大きいほど、あるとき入ってきたインプットが、放り込んでおいたさまざまな情報や課題と響きあい、意表を突くアウトプットが出ます(中略)世界は矛盾があって当然なのですから、矛盾も含めてぜんぶそのまま頭の中に放り込んでおく(中略)知識がゲシュタルトの一部となるのは、その知識を興味を持って取り込んだときだけです。心から興味を持って知識を得ないと、ゲシュタルトを大きくすることにはならない(中略)人々は今でも「部分が全体をつくる」「部分を順に見ていけば全体が分かる」「部分を順に追っていけば答えが分かる」という考え方にとらわれています。しかし、実際は違うのです。全体が部分から成り立っているだけでなく、全体と部分が双方向的に関係しており、全体が分かることで部分が分かるのです。この全体と部分との双方向の関係を「ゲシュタルト」といいます。そして、ゲシュタルトによって事象を認識する能力を「ゲシュタルト能力」(中略)本当に頭のいい人は、ゲシュタルトができているので、たとえ必要に応じて順を追って思考しても、自分の頭に中で迷路に迷うということがありません。ゲシュタルトができていることによって常に全体が見えているからです。部分を追いつつ、全体が見えている。部分にフォーカスするのも、全体を俯瞰するのも、自由自在にできる。それが本当に頭のいい人であり、それができるのはゲシュタルトができているから(中略)ゲシュタルトができていれば、全情報を手に入れなくても、部分情報を手に入れただけで、それが何か一瞬で分かります。部分情報が分かれば、同時に他の部分情報も分かる

ゲシュタルトができていることによって常に全体が見えている

キーワード検索ではなくてダークウェブ検索が必要(中略)文章を推論して意味理解をしながら重要度でモデルを作っていく(中略)超並列人工知能によるオペレーションの中心はダークウェブ(中略)大切なのは知識だけじゃないってこと。知識だけだったらGoogleには誰も勝てないよ。でも、ダークウェブはGoogleが勝てないんだからね(中略)素材に対してこれは重要だ、重要じゃないって判断が瞬時にできるようになる。で、重要だったら取り込む(中略)有益な情報を切り抜いて上に提出するんだよ。それをやるとまず知識量が圧倒的にふえるからね。グレインサイズは知識の量がないと上がりようがない。なぜなら抽象化ってもとの知識があってこそだから。もとの知識がないのに抽象化なんかできない(中略)取捨選択が抽象化(中略)適切なものを切り抜くにはゲシュタルトがないとできないんだけど、ゲシュタルトは切り抜かないとできない(中略)幅がある中で、毎日20から30の記事を切り抜くとなるとキーワード検索じゃダメだってことはすぐにわかるよね。ゲシュタルトを自分で作って(中略)絞り込まないといけないわけだ(中略)ひらめきとは、いちいち、どの抽象度ってことを深く考えなくても自然に最短的にわかるってことね。

朝倉未来さんによる解説。7:58 〜↓

私たちの直感的反応は、系統立てられるようには設計されなかった。さらに、かならずしも真に道徳的な目的に資するようには設計されなかった(※カメラの)オートモードはヒューリスティクスだ。すなわち、たいていの場合は「正しい」答えを出す効率的なアルゴリズムだが、つねに正しい答えを出すわけではない。「正しい」に「」をつけたのは、オートモードは設計された通りに働いているときでさえ、真に道徳的な意味で「正しい」とはかぎらないからだ。直感的反応の中には、自分の遺伝子を広めるという生物学上の命令を反映しているに過ぎないものもあるかもしれない。たとえば、そのために私たちは、自分自身や自分の部族を他の者よりひいきする。※引用者加筆.

ゲシュタルトとゲシュタルトを合わせて新たなゲシュタルトをつくる

「視野に入らないものは意識にも入らない」(中略)ウォーレン・バフェットの知的スパーリング・パートナーを務めてきたチャーリー・マンガーは、その明晰さで知られる。マンガーによると、独立した事実だけを覚えていても、あまり役に立たない。必要なのは、さまざまな事実を結びつけ、そこから意味を見出していく「格子状の思考」だ。これは「入手可能性ヒューリスティックス」、すなわち自分がすでにわかっていることだけに基づいて問題を解決しようとするのを回避するのに役立つ。

ちょっとした情報がきっかけとなって、ゲシュタルトからポーンとアイデアが出てきます

努力の必要なメンタライジング系を使わずに済む道があるのなら、私たちはその手っ取り早い方法を使おうとする。その時、私たちが用いる方法が「ヒューリスティック」と呼ばれる思考方法である。この方法は過去の経験に基づいているために、「経験則」と同じような意味で用いられる。私たちはその経験則を使って、意思決定を簡単に行おうとする。たいていの場合は役に立ち、便利なうえにそれなりに正解だからだ。だが、それが時々、トラブルを引き起こす(中略)心理学者の言葉を借りれば、「自分以外の人間も考えを持ち、他者がその考えに基づいて行動する」という現象を理解できる能力を、「心の理論」を持つと言う。そしてその能力を用いて他者の心の状態を読み取り、相手の行動を理解したり、予測したりする姿勢を「メンタライジング」と呼ぶ(中略)メンタライジング系は努力しなければうまく働かない(中略)「他者の心の状態を理解する」(共感の第一ステップ)ためには、その時の状況に応じてミラー系かメンタライジング系、あるいは両方の働きが必要になる。

インプットが、放り込んでおいたさまざまな情報や課題と響きあい、意表を突くアウトプットが出ます

限定合理的な推論を使う。これをヒューリスティックといい、情動的な思考、情報空間における自由気ままな発想を行なっているから判断できる。この情報空間における自由気ままな発想こそが数学的思考である。論理的思考と数学的思考の決定的な違いはここ(中略)アブダクションは別名ヒューリスティックとも呼ばれ、インダクションでもなければディグダクションでもない人間的な推論(中略)ただし、アブダクションはあくまでも近似解であり、必ずしも正解を導き出すとは限らない。要はしばしば人間は間違えるということ

知識がゲシュタルトの一部となるのは、その知識を興味を持って取り込んだときだけ

ウェイファインディングは生死に関わる技能(中略)ヒトの脳は海馬(※手動で難しいメンタライジング系)か尾状核(※オートモードのヒューリスティック系)のどちらかを使っているが、そのふたつの領域を同時にはたらかせることは絶対にない。つまり、一方を多く使うほど、他方を使わなくなるということだ。そして、特定の筋肉を鍛えるとその代償として別の筋肉が弱くなるように、特定の回路を長期間にわたって重用すると、それがほかよりも優先されるようになる(中略)このふたつの戦略のあいだには負の相関性がある(中略)(※ヒューリスティック系では)積極的な注意力を使わずに、手がかりに反応して信号───右か左か───を出す。尾状核がしているのは、それだけだ(中略)絶えず海馬よりも尾状核を優先しつづけたら、どうなるだろうか?そして、その優先傾向が、集団のなかの一部の個人だけでなく、もっと大規模に蔓延しているのだとしたら?(中略)現在の生活条件は、海馬をあまりはたらかせない方向にわたしたちを導く一方で、尾状核への依存に拍車をかけているのではないか(中略)海馬が縮小すると、認知・感情面での障害や行動の問題を起こしやすくなる。さらに、海馬を使わない刺激反応ナビゲーション戦略への過度の依存は、一見すると無関係だが有害な多くの行動と結びついている可能性もある。尾状核の回路は線条体に位置している(中略)海馬にある場所細胞・頭方位細胞(※頭が特定の方向を向いたときにだけ発火。境界細胞は、障害物やギャップ、階段といった境界となりうるものまでの距離とその方向を伝えているようだ)・格子細胞(※環境中で発火する格子細胞は、六角形の格子が全方向に広がるという興味深いパターンをとる。また格子細胞は場所細胞のシナプスひとつぶん上流にある。環境と自発運動に伴う情報をもとに距離に関する情報を生成し、さまざまなスケールで空間を表象していると考えられている。格子細胞は、経路積分に使われる情報を場所細胞に送る一方で、場所細胞から情報を受け取ってもいるようだ)などが、脳のなかに認知地図を作り出している ※引用者加筆.

全体が部分から成り立っているだけでなく、全体と部分が双方向的に関係

人間は、脳の処理容量を節約するために、「ヒューリスティックな思考」を使う。自動的につまりマインドレスに行われる認知のショートカットである。ヒューリスティックな思考の一般的なやり方は、カテゴリーに分けて理解することだ(中略)ヒューリスティックを使えば、意識的な脳に不要な労力を使わせることなく、時間と貴重な脳の認知空間を節約できる(中略)人が多くの時間を「マインドレス(集中していない状態)」でいるように進化したわけは、意識的な思考をしている状態、つまり今この瞬間に起きていることを常に認識している状態では、情報処理能力がきわめて限られてしまうからだ。

本当に頭のいい人は、ゲシュタルトができている

ヒューリスティックスとは、わたしたちが経験則で判断を下すときにいつも無意識に行っている思考のショートカットのことだ。人間の頭脳は、目まぐるしく変化する不安定な世界のなかで、すばやい判断を可能にするこのショートカットに頼ることで、進化してきた。また多くの場面で、ヒューリスティックスは正確な計算よりも、より適切な判断につながる。その場で最善のものを選ぶヒューリスティックスは、不確かな状況で判断しなくてはいけないとき、「速くてむだのない」判断を可能にしてくれる。

部分を追いつつ、全体が見えている。

誰もが自分の記憶は正確だと思っているし、符号化は記録、想起は再生のようなものだと思っているだろうが、実はそれは間違いだ。現実はというと、符号化した出来事を想起しても、それは曖昧なものでしかない。ある出来事を脳内で再生したときに出てくるものは、オリジナルというよりリミックスに近い(中略)人には、思い出しやすい情報を重要だと信じ込む傾向もあるのだ。これは「利用可能性ヒューリスティック」と呼ばれている現象

部分情報が分かれば、同時に他の部分情報も分かる

ヒューリスティックス、経験則、およびショートカットという用語を同じ意味で使用(中略)ヒューリスティックスは、分析の近道として機能する強力なツールである。問題のさまざまな要素を整理して、さらなる分析における効率的な道筋を決定するのに役立つ。もちろん、誤って適用すると危険な場合がある

「代表性ヒューリスティック」も、脳がベイズの法則による計算の代わりに使っている経験則の一つ

四〇〇年前、フランシス・ベーコン卿は次のように書いた。「人間の知性は(世間に受け入れられた見解であるからであれ、その見解自体に賛成しているからであれ)いったん一つの見解を受け入れてしまうと、その見解を支持しその見解に賛同するあらゆるものを引き寄せる。そして、より多くの、より重要性の高い事実が、その見解と逆の立場に見つかっても、なお、そういった事実を無視したり見下したりするか、さもなければ、何か違いを持ち出して、脇に追いやったり拒絶したりする。こうして度を超えた有害な決めつけによって、元からある結論の権威が無傷のままでいられるようにする・・・・・」(中略)経験則とは、何かの例が簡単に思い出されれば、それは一般的なものに違いないということである。心理学者はこれを利用可能性ヒューリスティックと呼んでいる

ベイズ問題に正しい事前確立などない(中略)そもそも基準率のデータが存在しないという場合もある

利用可能性ヒューリスティックは、世界を動かす───それもしばしば非合理な方向に動かす───(中略)多くの人がよくわかっていないこと、それは報道機関が「利用可能性」を生み出す機械だということ(中略)報道にはもともと人々に認知バイアスを起こさせ、認識を歪める力がある(中略)可能性ヒューリスティックと同じように、「代表性ヒューリスティック」も、脳がベイズの法則による計算の代わりに使っている経験則の一つ(中略)ベイズ問題に正しい事前確立などない(中略)そもそも基準率のデータが存在しないという場合もある

努力の必要なメンタライジング系

何かに集中しているときは「意思」のネットワークCEN(Central Executive Network)が働いている状態です。別名ワーキングメモリーネットワーク(中略)CENとシーソーのような関係にあるのがDMN(Default Mode Network)です。DMNはぼーっと考え事をしていたり、記憶を整理したり、ひらめくときに働いているネットワーク

メンタライジング系は努力しなければうまく働かない

DMNの発見によって、脳がけっして休息しない事実があらためて理解された(中略)DMNを構成する領域をよく観察すると、環境に重大な変化がないか監視して、危険を察知するサブネットワークの存在が明らかになった。確かに、安全の確保はDMNのひとつの働きだろう。ところが、ほかにもサブネットワークがあることがわかってきた(中略)どれもマインドワンダリングに関係(中略)となるとマインドワンダリングと、DMNの活発化に関連があると考えるのは自然な流れだ。おそらくこれがDMNのふたつめの働きである。ただしDMNは特定の場所があるわけではなく、DMNと呼べる領域は、その前に何をしていたかで変化(中略)(※通常DMNは)休息時に観察される。同じ休息でも、課題をこなしたあとのDMNに変化が起きたのだ。さらに重要なことに、DMNの変化が大きいほど翌日の成績は向上していた。まるで眠りについた脳に、DMNが指揮を行ったかのようだ。※引用者加筆.

相手の行動を理解したり、予測したりする姿勢を「メンタライジング」と呼ぶ

DMNが成熟するおかげで、子供は内省したり、彼ら自身、すなわち過去や未来への自己投影に関する自伝的自己を「メンタライジング」したりできるようになっていく(中略)DMNは人生に創造性やイノベーションをもたらす回路


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