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『グッドタイム・ラグタイム』からはじめるブルース生活 #1


「ブルースを聴いてみたいけど、何から聴けばいいか分からなくて...」


という嬉しい質問を頂くことが(たま〜に)あります。
ブルース愛を見せびらかすように、音楽活動している自分としてはこの上なく嬉しいことなのですが、何から紹介したらいいのか、すごく難しい問題なんですよね。
あれもこれも好きだし、紹介したいし...。


そんな訳で、本稿は私の新アルバム『グッドタイム・ラグタイム』の収録曲を起点にして、おすすめのブルースを紹介していこう!という企画です。
ブルース入門のお手伝いが出来たら幸いです。

本作はサブスク配信中!
こちらからも聴けますので是非↓↓


■そもそもブルースって...?
19世紀末ごろアメリカ南部で奴隷として働いていた黒人の間で生まれた音楽。アコギ弾き語りを中心とするデルタブルースや、エレキギターを弾きまくるシカゴブルース等々色んなスタイルがあります。ジャズやロックに多大な影響を与えたルーツミュージックの1つ。

ちなみに、選曲は私の独断と偏見に満ちたセレクトになりますが、この記事まで辿り着いてしまった貴方ならばきっと許して下さると信じております。
紹介する曲は全てサブスクで聴ける曲から選んでいますので、是非記事を読みながら検索しちゃって下さいな。

それでは1曲目「Kind Hearted Gambler Blues」を
起点に、おすすめブルースをA面・B面と題して、
2曲ご紹介します!

1. Kind Hearted Gambler Blues

友達が結婚式で余興をやると言ったので、「この曲歌いなよ〜」って即興で作ってプレゼントした歌です。なんとなんとボツを喰らってしまい、僕の手元に戻ってきました。
この歌の主人公はなかなか憎めないヤツなんだろうなあと思っています。
そんな余談はさておき、この曲を起点に紹介したいブルースがこちらです↓↓


A面 「パチンコはやめた!!」有山じゅんじ

「ただのパチンコ繋がりじゃないか...」と思われてそうですが、有山じゅんじ氏は私が絶大な影響を受けたミュージシャンの一人で、今の演奏スタイルに行き着いたのは、完全にこの方の影響なのです。

はじめてライブを観た時の衝撃がものすごくて、自分の中で「これだ!!」って思ってしまったのだ。
ライブ会場の店主から、有山さんのDVDやら雑誌やらをお借りして、穴が開くほど観て、練習したっけ。(その後DVDは自分で買いました)

彼こそが、日本のラグタイムブルースの第一人者である事に異論を唱える人は少ないと思います。

■ラグタイム
元々は19世紀末にアメリカで生まれたピアノ音楽で、ジャズの源流とも言われる。スコット・ジョプリンの名曲はみんなご存知かと。
のちにギターをはじめ、様々な楽器でも演奏されるようになる。(多分そんな感じ)

さて、前置きが少し長くなってしまいましたが、
この曲の紹介をしましょう。この曲の魅力は人間味溢れるユーモラスな歌詞と、否が応でも楽しく聴いてしまう軽快なリズムではないだろうか〜。
個人的には「これぞ有山節!」って思っちゃいますね。違ったらスミマセン。
注目ポイントは、なんと言ってもゴキゲンな指弾きギターです。まさに“ギターが歌っている”この感じが伝わるといいなあ。

ちなみに、自分で紹介しておいてなんですが、いち有山ファンとしてこの曲から入るのはかなりレアなケースだと思われます。笑
上田正樹(“悲しい色やね”で有名な方ですね)との共作でリリースされた『ぼちぼちいこか』は日本のブルース史に燦然と輝く名盤中の名盤(ぜひこちらも聴いて頂きたい!)であり、入門編としてはこちらの作品を
推す人が多いかと思います。

少し話が脱線しましたが、楽しいアレンジの中に
有山節全開の歌とギターが詰め込まれた一曲、皆さんにも好きになってもらえると思います!
ブルースって夜のイメージがあるかもしれないけど、意外と明るいうちに聴くのもいいもんですよ。特にこの曲なんか、憂鬱な朝に聴けばゴキゲンをチャージ出来ますので。

ではでは続いて、B面(2曲目)を紹介します...!


B面「Kind Hearted Woman Blues」 
    Robert Johnson

はい、タイトル丸パクリですね〜。
しかもブルース入門の2曲目にロバート・ジョンソンを紹介するなんて...という声が聞こえてきそうですが、彼こそがブルースを語るうえで避けては通れない最重要人物なのです。

■ Robert Johnson (1911 - 1938)
すげえ簡単に言うと、神様みたいな人です。
”十字路で悪魔に魂を売り渡し、引き換えに圧倒的なテクニックを手に入れた“というクロスロード伝説はこの人のお話。29曲の録音を遺し、27歳でウイスキーに毒を盛られこの世を去った伝説のブルースマン。

まあ難しい話は後にして、とりあえず一回聴いてみて下さいな。
多分「なんだこれ...」ってなると思います(笑)
自分も最初はそう思いました。
世界中のスーパーギタリスト達がこぞって称賛するので、すごく期待をしてCDを買って聴いたんだけど、良さが全然分からなくて、ちょっとガッカリした思い出があります。
高校生にはちょっと難しかったかな〜。

でも、心の何処かにずっと引っ掛かって、また聴きたくなってしまう不思議な魅力があって、何度も聴いているうちにどっぷりハマってしまった訳です。

はじめて聴く方にとっては、「こんなの3分も聴いていられるか!」ってのが正直な感想だと思いますが、ぜひ寝る前に部屋を真っ暗にしてもう一度聞いてみて下さいな。
好き嫌いは置いといて、彼の音楽でなければ感じることのできない、空気を運んできてくれるずです。

チャック・ベリーらが生み出した、偉大なロックンロールの大河は、戦前のブルースから始まったとも言われています。ロバート・ジョンソンの音楽に触れることは、現代のロックミュージックの原点を垣間見ることでもあり、すごい体験だと思います!
かなり原始的な音楽にも聴こえますが、たった100年前のお話です。この1世紀の間にどれだけ音楽が進化・多様化して現代を生きる私たちに届いているのか、そんなロックの歴史に想いを馳せる機会となったら嬉しいです。


最後に...

いつまでも書いてしまいそうなので、
第1回はここまでにします!
最後まで読んで下さった皆さま、お付き合いありがとうございました。
今回ご紹介した2曲はこちら。

・パチンコはやめた!! / 有山じゅんじ
・Kind Hearted Woman Blues /  
 Robert Johnson



次回は、2曲目「いつか君と暮らすのだ」を起点に
おすすめブルースを紹介していきます!
また読んでいただけたら嬉しいです。

ブルースやろうぜ〜。

わんだ

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