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カトマンドゥの道路を横断する

カトマンドゥの道路といえば、いつまでも舗装されない埃っぽい道路、慢性的渋滞、無秩序な運転、など挙げればキリがない。
そんな道路にほとんど信号機はありません。混雑の激しい場所には警察官が交通誘導をしていますが、私が見たところほんの一部の場所でした。

信号は無いけど向こう側に渡らなければいけないという時どうするか?

①地面に横断歩道「らしき」ものが書かれているところを探して立ち、なければ適当なところで立ち、車が途切れるのを待つ。
②誰かが渡るときにピッタリ後について行く。(みんなで渡れば怖くないという思想)

私はほぼ②の方法で凌ぎましたが、ある程度場数を踏んでくると、①でもいけるかなと思える時がきます。①の方法は時間がかかる場合がありますが、自分の目的地に近いところで渡ることができるので、埃っぽく、熱すぎるカトマンドゥの町を無駄に歩かなくて済みます。しかし、渡るのに適して居ないところに立ってしまうと永遠に渡れない、一緒に渡ってくれる人も来ないので結局②のみんなで渡る方式に不本意ながら作戦変更しなければならないときもあります。

②の方法で現地の人達を横目で観察すると以下の通りです。
まず自分の立つ側の車のみに注意をむけます。反対側の車線に車が走って来ていようが構いません。まず自分側の車線が途切れた瞬間に一歩ふみだします。それで中央分離帯まで一気に歩きます。すでに背後となった手前側にはブンブン車が通過していきます。目の前の反対車線も一向に車が途切れない時があります。中央分離帯の細い線の上で車が途切れるのを待ちます。大きなバスが鼻先を通り抜けるような時もあります。そして一瞬のタイミングで反対車線を渡り切ります。その時決して「走ってはいとけない」ようです。ネパール人の多くに道路で走る習慣がないのか下手に走ると、ドライバーも「小走り」の速度を予測できないようで、ぶつかりそうになります。むしろゆっくりと悠々と歩いたほうがドライバーもタイミングよくスピードを緩め、歩行者を渡らせているといった具合です。

②の方法を何度か繰り返すうちに①もできるんじゃないかという、気持ちになってきます。現地人ぽくふるまえる、私このやばい道を渡れるよという、溶けこみ感をアピールできるんではないかという錯覚。本当に錯覚です。ですので私のおすすめはやはり②の方法です。


カトマンドゥの中心地では狭い道路、違法駐車や渋滞等の道路事情が社会問題化していますが、今、若いカトマンドゥ市長が対策に乗り出していて、多少解消されたという声も聞きました。カトマンドゥの道路事情について危険、恥ずかしい、イラつく、日本はきちんとシステムが整っていて羨ましいなどと聞きました。でも、私の目から見て相当ヤバい場所を横断する時もネパール人は絶対走りません。ドライバーは自分が渡っていたら速度を緩めるはず、という生人間の根拠なき自信が感じられます。手で優雅に合図して、悠々と渡る姿は、赤信号が点滅したら走り出す、ワタクシ日本人としては、格のが違うと言われているような気さえするのでした。






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