トーフ工場へ急行せよ

◆この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG入門用ソロアドベンチャー:第2シーズン1回目:トーフ工場へ急行せよ」をあそんだリプレイ小説です◆


ここは重金属酸性雨が降り続くアヤセ・ジャンクションの工場地帯。ソウカイヤと提携しているニルヴァーナ・トーフ社のトーフ工場が、武装アナキスト集団による攻撃を受けた。しかもソウカイヤ首領ラオモト・カンの子息が工場見学中だ。ソウカイヤのサンシタであるニンジャ、ジャニザーは現場への急行命令を受けた!

重金属酸性雨の中を走り抜け、トーフ工場のエントランス前にやってきたジャニザーは、奥から聞こえるアビ・インフェルノめいた騒音を聞いた!「身の程知らずなアナキストどもめ、せめておれの査定の足しにでもなるんだな」ジャニザーは不敵な笑みをたたえ、エントランスに身をおどらせた!

「ウオーッ!」BLAMBLAMBLAM!「アバーッ!」「アバババババーーーッ!」ナムアミダブツ!両手に拳銃を持った男が逃げ遅れた労働者を虐殺している!Tシャツには「アナーキー」と書いているので、アナキストに間違いない!

「イヤーッ!」ジャニザーはスリケンを3枚連続投擲!「アバーッ!?」アナキストの額にスリケンが命中し即死!ワザマエ!「フン」ジャニザーはエントランスをぬけ、工場内を駆ける!そこかしこに死体や銃弾の跡がちらばる戦場めいた光景を横目にさらに奥へ、色付きの風となって通路をまがる!その時!

「ウオオオオーーーーッ!」通路を曲がったところで、突然武装アナキストが出現し、角材で殴りかかってきた!ZBRのオーバードーズで目は血走り、労働者とニンジャの見わけもつかない!コワイ!

「イヤーッ!」「アバーッ!?」角材が振り下ろされるより速く、横薙ぎのカラテチョップは振り抜かれていた、ジャニザーはすでにアナキストのワンインチ距離に詰めていたのだ!アナキストの脳がそのことに気づけたのは、首を失った己の肉体を天井近くから俯瞰して見ることができたからに他ならない!サツバツ!

「ジャマだ!クズが・・・ン?」首無しアナキストの懐から万札がまろび出る。ジャニザーがそれを拾い視線を上げると、落下中の生首と目が合った。「まあ、ゆるしてやるか」冷酷な瞳を目の当たりにし、生首の意識は恐怖の内に切れた。おお、ナムアミダブツ!

BLAMBLAMBLAM!「イヤーッ!」「アバーッ!」BLAMBLAMBLAM!「イヤーッ!」「アバーッ!」BLAMBLAMBLAM!「アイェェェェ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「アイエエエ!」ニンジャの介入によりアビ・インフェルノは加速する!ジャニザーはアナキストをカラテで殺し、あるいは労働者を守りながら工場の奥へと進んでゆく・・・・プラントに書かれた「四角い存在」「凝固したアモルファス」などの製品名ショドーも、今や不釣り合いな空間となっていた

ジャニザーはラオモト・チバがいると思われる大ホールに向け、細い廊下を最短距離でダッシュする、しかしジャニザーのニンジャ第六感は不穏なアトモスフィアをとらえた!対侵入者用のトラップだ!「イヤーッ!」ジャニザーはすんでのところでバック転回避!ワザマエ!あのまま進んでいれば、粘性のあるトーフエキス、非道なユバ・トラップに捕らわれていただろう!

いよいよ最深部。両側がガラス張りの回廊を走っていると、左手に大ホールが見えた。これは…ナムアミダブツ!プラントから漏れたトーフエキスが氾濫し、大勢死んでいるだはないか!その奥ではトーフエキスまみれのラオモト・チバがIRC端末にがなりたてている!「おい!フジオ!早く来い!」

「なんだと?これはいったい…」訝しむジャニザーが周囲を見ると、すぐにその原因が分かった…「ドーモ、モーターヤブです。直ちに休憩してください」BRATATATA!「「「アババババーッ!」」」大ホールの反対側にいるのはオムラ社のロボ・ニンジャモーターヤブ、ガトリングガンで職員を虐殺!プラントを破壊しているではないか!ナムサン!ハッキングで操られている!

「アブナイ!」叫ぶのが早いか、ジャニザーはガラスを破り大ホールへとダイブした!「イヤーッ!」頭上からのアンブッシュ!「ピガーッ!」空中カワラワリが直撃し、モーターヤブは大きく体制を崩した!「ヌウ!」しかし、重装甲のため倒すにはたりない!「イヤーッ!」ジャニザーはそのまま飛び降りると関節部をケリ・キックで破壊!「ピガガーッ!」モーターヤブはガトリングガンを乱れ打ちながら転倒し、アナキストが一人流れ弾に当たって即死した!「アバーッ!」

「このポンコツが!イヤーッ!」「ピガガーッ!」ジャニザーはニンジャ腕力で暴走するガトリングガンを引きちぎり、そのままモーターヤブに向けた!「ピガーッ!ピガガガガガガーーーッ!」モーターヤブは火花を散らながら動作停止!タツジン!「てこずらせやがって」完全沈黙を確認しながら悪態をついていると、トーフエキスの中をアナキストの死体が流れてきた。「む」ジャニザーは死体を引き上げ、懐から万札をせしめた「このくらいボーナスはあるべきだ」

ジャニザーは小さな暴君の元へ駆け寄る、「若サマ、ご無事で!」「遅い!フジオも遅いが…あんなガラクタ相手に何分かかってるんだ!フジオなら1秒もかからんものを!」「アイエッ!スミマセン!」ゴウランガ!この少年、ニンジャを恐れぬどころか叱責するとは!((さ、さすがはラオモト=サンのご子息といった所か…))「若サマ…その」「なんだ、ぼくの顔になんかついてるか?」「エエ…その、白い、粘性の…液体が」「おまえ、ハンケチとか持ってないのか」

「ハイ、スミマセン」「フン、使えん上に気の効かんやつだ」そういうとチバは上着を脱いで顔を拭った。

                 ◆

トコロザワピラーに帰投したジャニザーを待っていたのはラオモト・カンによるヨビツケであった(((使えん上に気の効かんやつだ)))ジャニザーの脳裏にはチバの言葉がソーマト・リコールめいてよぎっていた。

が、杞憂であった。『ムハハハハハハ!見事な働きぶりであった!』ラオモトに命じられたオイランが万札をジャニザーに手渡す。もにたーの向こうのラオモトは上機嫌であった『その調子ではげむがよい!だが、次は迅速にな。タイム・イズ・マネー!』「ははーっ!!ありがたきお言葉!肝に銘じます!」『ムッハハハハハハ!』ラオモト・カンの姿がモニターが消えても、ジャニザーは平伏を続けた。同じ部屋でオーガニック・トロマグロスシをほおばるもう一人のラオモト、チバに向けて

「ムハハハハハ!よかったな!セプクの命令じゃなくて!」チバに笑われたのは3度目であった。戦々恐々で部屋に入ると顔色の悪さを笑われ、救出のさいのやり取りがシツレイで、セプクを命じられるのではと正直に話すとさらに大きい声で笑われ、今、一段と大きい声で笑われている。

「ムハハハハハ!お前はなかなか見所のあるやつだ。特別に、ぼくのボディガードの一人にしてやってもいいぞ!」「ヨ、ヨロコンデー!」ジャニザーは更に平伏し、ドゲザめいて小さな暴君に忠誠を誓った。「ムッハハハハハハ!」トコロザワピラーに無邪気な笑い声がこだましていた


「ニンジャスレイヤーTRPG入門用ソロアドベンチャー:第2シーズン1回目:トーフ工場へ急行せよ」 完

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