ゴジラ-1.0感想
御託はいいからさっさと映画館に行け
シンゴジラがもう7年前。
シンゴジラを観た当時、もうしばらく特撮怪獣ものはコレの上は出てこんだろうなと思っていたが、来た。何がマイナス1.0だ、庵野の野郎が上げたハードルを見事に超えてハードルを+1センチ上げやがったコイツ
あらすじ
「うー故障故障」整備施設のある孤島に向かって全力疾走しているぼくは、特攻にアサインされたごく一般的な日本帝国軍人(神木隆之介)。強いて人と違う所を挙げるとすれば、故障を偽って逃げて来たって事くらいかな、そんな訳で、滑走路もろくに整備されていない洋上の基地にやって来たのだった
ふと海を見ると、深海魚の死骸が沢山浮いていた。ウホッ!いい凶兆。その夜寝ているとなんと基地の警報が鳴り響くのだ「ヤバないか?(観客の気持ち)」
サーチライトで照らされるとそこには化け物が立っていた、彼(性別不明)ちょっと恐竜っぽい破壊の申し子でゴジラと言う名だった「いいのか?ホイホイ銃乱射して、俺はノンケも男女もクソなく殺っちまう怪獣なんだぜ?」「敷島、お前の乗って来た戦闘機の機銃で撃ち殺せ」「ヤダコワイ…」
整備兵長橘の無茶ぶりで戦闘機に乗り込むも「すごく…大きいです…」と完全に震え上がり結局撃てない内に整備兵が兵長を残してゴジラ(この時はまだ20mくらい)に皆殺しにされました。この時ゴジラは噛みついた人間を咀嚼も嚥下もせず放り投げて殺しているのでマジで殺すのが目的で暴れている
こうして敷島(神木隆之介)は逃げた負い目と竦んだせいで戦犯化した負い目を抱えて終戦後復員。第2の人生が幕を開けるのだった
解説
この映画、主人公がひたすら曇る。主人公敷島のトラウマと負い目の清算が物語の主軸であり普通に考えて艦砲射撃も通じない原爆級熱線吐きクソ害獣討伐を通してくらいじゃなきゃ到底支払いきれない負い目であった。毎夜悪夢にうなされてて発狂寸前だったしゴジラ来なかったら多分首括ってる。
成り行きで居ついた子連れの女とイイ感じになる頃ゴジラが再び現れてPTSDを噛み殺しながら機雷と機銃で顎吹っ飛ばすも超速再生、米軍から返してもらった戦艦が救援に来て大砲メッタ撃ちするもあんまり効かず水中から熱線でドテッパラぶち抜かれて轟沈(観客はまずここで射精する)
その後東京に上陸したゴジラは銀座で散々ゴジラする。ヒロインが巻き込まれて潰されかけるも神木隆之介が到着し助け出す。そして国会議事堂前からの戦車砲撃に対抗してゴジラが激ヤバ溜めモーションで熱線を吐く(ここで二度目の射精)
この熱線の爆風から咄嗟に主人公を庇ったヒロインが吹っ飛ばされて消える。焦土と化した町で物陰からフラフラとヒロインの名前を呼びながら神木隆之介が出て来るがヒロインどころかそれまで周囲にいた人間丸ごと消し飛んで咳をしても一人
神木隆之介が見上げるとタバコでもフカした後のように咆哮を上げるゴジラ。真っ黒な雨が降り始めるのと前後してゴジラに向かってちいかわみたいな慟哭の咆哮する神木(監督は多分ここで射精してる)。ここで神木は(実質)嫁を守れなかったという3つ目の負い目を背負う(監督の陰茎が再び盛り上がる)
ヒロインの葬式でお通夜みたいな顔してる神木は機雷撤去バイトの同僚から「まずうちさぁゴジラ駆除作戦あんだけど、殺ってかない?」と持ち掛けられ漆黒の意思を目に宿す。マジでジョニィ・ジョースターめいた漆黒の意思の目つきだったので見に行け
ゴジラを深海に激しく上下させて殺す作戦で、ダメ押しに主人公が戦闘機で口の中に特攻(同僚にはナイショだよ)するというもの。エレン・イェーガーみたいな顔つきでゴジラ殺すことと人生のマイナスの清算しか頭にない神木であった
そして清算チャンス、戦闘機が旧帝国軍の最新機体であったため整備できる人材が限られていた、まあ橘しかいない。探し回ったが見つからず神木が挑発の手紙をばらまきまくっておびき出す。結果メッチャ殴られたがガンギマリ覚悟と成長を見せつけ、納得した橘の整備により特攻機完成。決戦へ
とゆう具合だ
感想
これはシンゴジよりも売れる、と言うのは確信した。というのも庵野作品は作家性が強いので本来万人受けしない、あそこまで売れたのも後続のシン作品に比べたら入れる香辛料の量がかなり抑えられているからと言うのはある。
今作はそれよりも圧倒的に食べやすい。といっても作家性が無いわけではなくむしろ庵野がぶち込んでくるソレとは別種のスパイスがふんだんに使われている。非常に監督のこだわりが強いが、シンゴジより大衆受けするのは間違いない
今作の監督はあの悪名高いDQユアストーリーを撮ったことでメチャクチャ評判を落とした人物だが、それ以前のオールウェイズ三丁目の夕日とか永遠の0とかではかなり評価される監督であった。結論から言えばこの監督はまあそういう分野が得意で大好きなのであり、ドラクエとかヤマトとかはやりたくなと言っていたのに撮る羽目になったイヤイヤ作品でサイコパスを疑われるレベルの出来になったとゆう事だ
この話には教訓がある。本人が向かないと言ってる事を無理にやらせてはいけない
この映画には旧日本軍の兵器がいっぱい出て来る。多分戦艦とか震電とか出てくるたびにそうゆうのが好きな奴は射精していた事だろう。今作の大きな特徴として、オキシジェンデストロイヤーとか凝固液とかスーパーXとかの高級対策兵器が出てこないというのがある。回収した機雷とか、米軍から返還された駆逐艦の砲撃とか、漁船とか、倉庫から引っ張り出してきた日帝の遺産とかが主な対抗手段だ。ソ連がきな臭いので米軍も動かないというクソみたいな制約もある
そんな中でスーパーセルみたいな超速再生能力を持ち核爆発を光線状にして吐き出すようなクソ怪獣を倒さなくてはならない。そこで主人公をはじめとする太平洋戦争の生き残り組が自己防衛のために再び立ち上がって戦に臨む姿はカッコよかった
最終決戦で熱線を目の当たりにしてビビって中止を具申する隊員や腹をくくって作戦開始を通達する提督、行動開始と同時に満を持して流れるゴジラのメインテーマはもう泣きそうなくらいカッコよかった
しかし何といっても主人公の成長が一番だろう。冒頭でゴジラを撃てなかった時の手の震え、再び相まみえた時に震えながらも機銃の引き金を引き、三度目で完全な闘志を宿し、最終決戦では真の男となった。ゴジラに全てを奪われ、ゴジラを屠る事で取り戻す。非常にキレイな流れが物語全体に調和しており、キャラクターが完成している
おれはいい作品はキャラクターとストーリーと世界観がいい感じに混ざっているものだと認識している。あの世界観の、あの展開が、あの人物であって初めてこの作品と言うものが形になるという哲学だ。
ゴジラ-1.0はその調和のとれた奇麗な作品だ。貴様らももう一度見に行って適材が適所に配置されるのがどれだけ大事か学んで来い
総括、嫌がってる奴にドラクエ撮らすな