#9 リーダーになりたかった？自分？

今から20数年前、
なんとなくカッコいいからという
不純な動機で入った
地元のカクテルバーで
アルバイトとして働き出し
東京に出る事をなんとなく夢見ていた
当時のボクに会うことがあるならば
是非こう伝えたい…

「オマエも変わったな」と…。

今はどうかというと、以前から飲食の
会社に所属していて
「ボクが出来る事でやれることがあれば一緒にやりましょうね」
という距離感でお仕事させていただいています。

今現在いる、東京の店は別会社と一緒にやっている
お仕事ですし『新店舗』の開発だとか、YouTubeだとか、
ソムリエ、寿司とか、国内外の飲食活動とか、そういったものは
今の会社でやらせて頂いているお仕事です

今の会社でおそらく一番自由な
働き方をしているのではないだろうか…
そのかわり365日ほぼ毎日が
仕事ですけどね(笑)

そんなボクですが
いつの間にやら
歳を重ねてしまい、色々な責任を
持つことが多くなり
「リーダーの在り方」を常に問われます。
それはそれで、結構なプレッシャーですが
今一度【リーダーとは何か】を
考えてみました。

普段、ウチの若手スタッフ達がドジをすることが
あるんですけど
「昔は自分もそうだったんだぞ…。」と
お兄さん的の立ち位置で声をかけて昔話をし
そこで「自分が成長していく為には何が必要か？」
という話をしていくんですね。

結果、話の最後に必ず伝えることは
「現場でのリーダーになれという事」
リーダーの仕事は基本的には一つで
「決めること」なんですね。

飲食業に正解なんて無いんです。
正解があれば、リーダーなんていなくても
誰でも成功できるので
そんな職業に面白味なんてないですけどね。
正解がないからこそ、皆が進む先を決めるリーダーが必要で
あとは「決めた答えを全力で正解にする」という作業です。

なので、リーダーは「右だ！」「左だ！」と
指示しなきゃいけないわけですが
ここが難しいところで、指示するリーダー側にも
それ相当の経験値が必要になってくる
様々な知識と教養、技術力。
それらを兼ね備えていないと、周りの現場
スタッフさんを不安にさせてしまう。

つまり、リーダーは「こういう風にしていきたい」
と言いますが、実際に手を動かすのは現場のスタッフさんで
各作業に関しては
リーダーよりも遥かに経験がある。

リーダーは「自分よりも能力がある現場スタッフ」に
指示しなきゃいけない立場にあるわけですが
時々、現場で手を動かしてくださるスタッフさんの
『我』が出る場合があるんですね。「私は、これをやりたい」と。

たしかにそうですよね
自分より遥かに現場の経験値が少ない
人がリーダーだと「お前に何がわかるんだ」ってなりますよね

しかし、それがチームにとってプラスの判断であれば
絶対にやった方がいいと思うのですが
現場スタッフさん個人にとってはプラスかもしれませんが
チームにとってはマイナスな判断である場合がある。
（その判断をするのもリーダーの大事な役割なんですけど）

そこで「どうぞどうぞ、好きにやってください」と言ってしまうと
そんなものはリーダーでも何でもなくて
ただの「嫌われたくないヤツ」で
そんな人間はチームには必要ありません。

リーダーはチームを最優先に考えるべきなのです。

リーダーはどうしなきゃいけないかというと、
「力で圧倒させるんです」

問題は「その【力】は何か？」です。

力がないと従わないので。
その力というのは、技術力じゃないんです。
答えはめちゃくちゃシンプルで
技術者を圧倒する為に必要な力の正体は
「費やした時間」です。

飲食に携わって、そこでリーダーを務めるのであれば
誰よりも飲食に時間を割かなきゃいけない。

現場に携わるスタッフさんに対して
「費やした時間」でもって黙らせる。
「費やした時間」こそが説得力であり
そのリーダーの覚悟です。

「飲食に費やした時間」が不足していると
チームなんてまとめられないんです。

なので、若手スタッフ達にはとにかく誰よりも勉強をして、
色々なものを食べに行き話題のスポットに出かけ、美術館などをめぐり、様々のものに興味を持てと言っています。

それは「勉強」の為でもあるのですが、そもそも、そこに費やした時間が不足していると「自分の信念」を持てないので。
周りのスタッフさん達の反発に負けてしまう。

チームをまとめあげるリーダーの仕事は
センスだけではなく、費やした時間(覚悟)である、これだけは確かです。
幾多の修羅場を超えていくと少なからず自信はついてきます
その繰り返しで人は成長していきます。