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#414 はんなりの反対語とは


「はんなり」という言葉を聞くと、ふわっと上品で柔らかい京都の雰囲気が浮かんできますよね。僕が飲食業で感じる「はんなり」は、ただの言葉以上に、料理やサービスのあり方にもつながっています。控えめだけれども華やかさを持ち、派手ではないけど品がある。そういう微妙なバランスが、「はんなり」の魅力なんです。

ところで、はんなりの反対語って何だろう?これは意外と難しい問題です。なんとなく「上品」の反対を考えると、「ガサツ」とか「無作法」なんて言葉が浮かびますよね。でも「はんなり」はそんな単純なものじゃない。だからこそ、その反対語を探ることで「はんなり」の奥深さが見えてくるんじゃないかと思います。
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はんなり

てんこつ?これが反対語?


実は、京都の言葉には「てんこつ」というのがあって、これが「はんなり」の反対語とされることがあります。「てんこつ」は、「粗野で無作法」「無粋」といった意味を持つ言葉です。要するに、洗練されていない、大雑把な感じです。京都弁の中でも、どこか落ち着きがなくて、雑でガサツな印象を与えるものですね。ただし「てんこつ」はあまり日常会話で使われることが少ない言葉でもあります。現代の京都の人々でも、若い世代はあまり馴染みがないかもしれません。だから、実際に「はんなり」の反対語としてピンと来るかどうかは、言葉の使われ方や背景に左右されるかもしれません。

たとえば、飲食店で「てんこつ」な振る舞いと言ったら、お皿を雑に扱ったり、サービスが粗いといった場面が思い浮かびます。たとえ料理が美味しくても、そういう細かいところが気になると、全体の印象が台無しになってしまうことがありますよね。僕の経験上、店全体が「はんなり」としているのが理想なので、逆に「てんこつ」的な雰囲気は避けたいところです。
#てんこつ

ガサツ?泥臭い?どちらがはんなりの反対?


「てんこつ」は反対語として有力ですが、もっとわかりやすい言葉で言うと「ガサツ」もありますね。これは、気配りが足りなかったり、無神経だったりする様子を指します。「はんなり」が持つ繊細な魅力とは正反対で、サービスや料理がガサツだと、どれだけ味が良くても評価が下がりがちです。僕が思うに、「ガサツ」なサービスはお客様にとって不快な体験を引き起こしがちなので、飲食業では避けるべき状態ですね。

次に浮かんだのは「泥臭い」という表現。これは、はんなりの洗練さや上品さとは正反対で、野暮ったく、少し荒っぽいイメージです。料理で言えば、繊細な味や見た目のバランスが取れている「はんなり」に対し、力強くて豪快な味や、見た目がゴツゴツした料理が「泥臭い」でしょうか。もちろん、泥臭さにもその良さがある場面があります。地方の郷土料理や、大胆な味付けの料理がその代表です。だから、「泥臭い」もまた、はんなりの反対として成り立つかもしれません。
#泥臭さ

反対語を考えることの意義


「はんなり」の反対語を考えると、その過程で「はんなり」の本質がより鮮明になります。「はんなり」は、単に上品であるだけでなく、その場にいるだけで心が穏やかになるような雰囲気を持っています。それに対して、「ガサツ」や「泥臭い」または「てんこつ」は、どこか居心地の悪さや雑さを感じさせるものです。

僕が日々意識しているのは、この「はんなり」の空間をいかに作り上げるかということです。それは料理やサービスの細部にまで気を配り、お客様に「ここに来てよかった」と感じてもらうための努力が欠かせません。逆に、店が「てんこつ」な雰囲気になってしまうと、お客様の居心地は悪くなってしまうかもしれません。
#言葉の意味を考える

実際に感じた「ガサツ」な体験


実際に僕が経験した「ガサツ」なサービスを思い出してみます。ある日、とあるお店で、お皿を置く音が「ガシャン!」。それも、一度や二度ではなく、ほぼすべてのテーブルで同じ音が響いていました。それに、店員さんがどこかイライラしている様子で、無表情。これが「てんこつ」や「ガサツ」の典型的な例ですね。料理の味は良かったのですが、結局その雑な雰囲気が全体の体験を台無しにしてしまいました。ほかのテーブルを見回しても一様に皆さんバツの悪そうな雰囲気を感じているようでした。
#気まずい雰囲気

「てんこつ」か「はんなり」か、それが問題だ


結論として、「はんなり」の反対語は「てんこつ」であることは間違いありませんが、それ以上に、僕たちが日々の仕事で考えるべきなのは、どちらの雰囲気をお客様に届けたいかということです。「はんなり」した空間は、心地よく上品なものであり、お客様にとって安らぎの場となります。一方、「てんこつ」や「ガサツ」なサービスは、その逆で、落ち着かず、気持ちの良くない空間を作り出してしまいます。

僕たちが「はんなり」を目指すことで、お客様は心からリラックスでき、再び足を運びたいと思ってくれるのです。その一方で、「てんこつ」や「泥臭さ」の要素も、時と場合によっては魅力的に働くことがあるかもしれません。しかし、僕としては、やはり「はんなり」を大切にしながら、お客様に上質な時間を提供していきたいと思っています。
#また来たいと思ってもらえる店を作る

まとめ


「はんなり」の反対語を探ることで、「はんなり」が持つ奥深さを再確認することができました。確かに、「てんこつ」や「ガサツ」はその反対語としてふさわしいかもしれませんが、それらを理解することで、逆に「はんなり」の大切さがより浮き彫りになります。

日々のサービスやお店作りにおいて、僕たちはこの「はんなり」を目指しつつ、その反対語にならないよう心がけることが、飲食業において大切なのかもしれませんね。これからも、「はんなり」をテーマに、お客様にとって居心地の良い空間作りを大切にしていきたいと思います。
#そうだ京都に行こう

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